SONY VLOGCAM ZV-1 II（ZV-1M2）

手軽に動画と写真を趣味にするVLOGCAM ZV-1 II

カメラ付き携帯電話の登場、そして高性能なスマホの登場でコンパクトデジタルカメラ不要論というのはここ20年ほどずっと言われてきました。確かに、以前のようなスタンダードなコンパクトデジタルカメラは淘汰され、家電量販店のカメラコーナーでもかなり狭い売り場エリアしか割かれなくなりました。

では、完全に淘汰されつつあるかというとそういうわけではなく、より限定的な性能に特化させることにより、ユーザーのニーズに応えるカメラとして進化しています。

SONY VLOGCAM ZV-1 IIは、まさにそういったコンパクトデジタルカメラの1台。VLOGCAMの文字通り、Vlog撮影に最適化されたコンパクトデジタルカメラです。

コンパクトなボディに3カプセルの高性能な指向性マイクを搭載。スマホでは不可能な高い集音性と高音質での録音を可能にしてくれます。1型のイメージセンサーはスマホでもあまり搭載されないサイズで、また、積層型というSONYが得意とするイメージセンサー技術によって光量が少ない室内でも高画質録画が可能です。スマホより高画質、高音質で撮影したいというニーズに応えるコンパクトデジタルカメラです。

一方で、より高画質を求める場合は一眼カメラでの撮影を検討する場合もあります。しかし、一眼カメラはより高価で、交換レンズを揃えなくてはならないことを考えるとさらに予算がかさみます。VLOGCAM ZV-1 IIは一眼カメラほどのハードルの高さはなく、より手軽に本格Vlog撮影を楽しみたいというユーザーにぴったりのカメラです。

もちろん、動画だけでなく静止画も魅力。VLOGCAM ZV-1 IIに搭載されているZEISS Vario-Sonnar Tというレンズは、広角側では開放F1.8の明るさで、スマホカメラではなかなか作れない大きな背景ボケに浮かび上がる被写体を撮影できます。設定も細かく変更できるので、スローシャッター撮影やモノクロ撮影など様々な静止画を楽しむこともできます。

動画も静止画も、スマホより高品質に、しかも一眼カメラより手軽に楽しみたいというユーザーに最適なカメラがVLOGCAM ZV-1 IIです。

人気のVLOGCAM ZVシリーズ

SONYは数種類のVLOGCAM ZVシリーズを展開しています。

Vlog撮影に特化した基本コンセプトや、基本構造などは共通ですが、より幅広いニーズに応えるために、その性能等は大きく異なっています。基本構造は同じのため、見た目はいずれも非常に似ているので、購入する際はそれぞれの違いを把握しておく必要があります。

まず大きく分けると2種類。

「E」のつくZV-E10、ZV-E10 II、ZV-E1はレンズ交換式の一眼カメラで、Eマウントレンズを装着して使うカメラです。

センサーサイズはZV-E10、ZV-E10 IIはAPS-C、ZV-E1がフルサイズということで、ボディの形はVLOGCAMですが、ミラーレス一眼と同じ画質でレンズ交換で撮影スタイルに合わせて画角を変えるという本格撮影に向いたカメラ。

EのつかないZV-1、ZV-1 IIやZV-1Fはレンズ一体型で、レンズ装着の手間がないので、さっと取り出して、さっと撮影できるというメリットがあります。そして「F」のつくZV-1Fは単焦点レンズが搭載されているという特徴があります。

ZV-1、ZV-1 IIはズームレンズが搭載されていてるので、VLOGCAMの中ではより汎用性が高く、様々なVlog撮影に素早く、そして手軽に対応できるモデルといえます。

旧型との比較で重要なポイントは3つ

一眼カメラと比べて、比較的低価格で購入でき、なおかつスマホより大きな1型センサーや、高性能マイクでより本格的なVlog撮影ができることが魅力のZV-1、ZV-1 II。

気になるのは1型から2型への進化ポイントではないでしょうか。設定項目など細部まで様々な進化ポイントがありますが、大きな進化ポイントは3つ。

1つはレンズの変更です。ZV-1、ZV-1 IIのいずれもZEISS Vario-Sonnarの高性能ズームレンズを搭載している点は同じですが、1型がフルサイズ換算24-70mmという、いわゆる標準画角であったことに対して、2型は18-50mmと広角画角にシフトしているという点。

Vlog撮影は自撮りをする場合が多く、手持ちで自分と背景などを同じ画角に入れて撮影する場合、広角の方が背景を大きく写すことができるため有利となります。

屋内で撮影する場合も、カメラとの距離をあけられず、近い距離での撮影となることが多くありますが、その場合も広角が有利です。レンズをより広角側に変更したことで、よりVlog撮影に使いやすいコンデジへと進化しています。

次にあげられるのがAFの進化。SONYはミラーレス一眼のAF性能を年々進化させ続けています。そのミラーレス譲りのAF性能がZV-1 IIにも反映されています。

1型では静止画撮影時のみに対応していた動物瞳AFが、2型では動画にも対応。ピントを外しやすい動き回る動物撮影でも、AF任せでしっかりと動物の瞳にピントを合わせ続けます。また、複数人顔認識機能も搭載しているので、複数の人物が動き回るような撮影でも、認識した人物の顔がはっきりと映るように自動でボケ量を調節してくれます。

SONYミラーレス一眼譲りの高性能な被写体検出機能がVlog撮影をより手助けしてくれます。

3つ目のポイントとしては操作性の向上です。ソフト面で言うと、メニューのUIが新しくなっています。

タッチパネルのボタンが追加されたことで、様々な機能により少ない手順でアクセスできるようになりました。また、ハード面でいうと、底面の三脚穴の位置が変更されたことで、シューティンググリップなどを装着したままでもバッテリーやメモリーカードの交換が可能となりました。

細部の変更ではありますが、より使い勝手の良いVLOGCAMへと着実な進化がみられます。

最後に若干気になるポイントをあげると、2型はレンズ内手ぶれ補正が非搭載となっています。広角撮影はそこまで手ブレにシビアではないので、電子手ブレ補正でも十分補正することが可能ですが、電子手ブレ補正を使うと画角がやや狭くなってしまうので残念なポイントではあります。

しかし、手ブレ補正が必要な場面では１型でも電子手ブレ補正を使うケースは多く、2型ではより広角で撮影する機会が多いことを考えると、そこまで大きなデメリットにはならないでしょう。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• この価格帯のコンデジ購入を考えるとSONY一択に思える
• 画質はスマホやタブレットなら一眼との差はわからない
• 細かい設定が詰められるので、かなり思い通りに撮影できる
• Youtubeなどで使い方なども調べられるので
• 絞り開放でかなりボケてくれるので静止画も満足

スマホカメラにはない、細かい設定項目などがカメラマンのニーズを満足させてくれます。

■ ネガティブレビュー

• 三脚穴は光軸がズレているので一脚を使う場合は注意
• マイクはある程度ステレオ感はあるが、外部マイクの方がおすすめ
• バッテリーは1日の撮影では予備が必要
• スマホ以上、APS-C以下の予想通りの画質
• 光量が少ない場所ではフラッシュなどが必要に感じる

やはり細かい機能面を追求するのであればより上位のZV-E1などが必要となってきます。

まとめ

近年は動画のために一眼カメラを購入するというユーザー層も増えてきています。しかし、ミラーレス一眼や交換レンズは昔と比較してかなりプロやハイアマチュア向けに高スペック化しており、その分、価格も高騰しています。

SONY VLOGCAM ZV-1 IIは一眼カメラを購入するほどの予算はないが、スマホよりも本格的に動画撮影をしたいというユーザーにはぴったりのカメラ。

SONYがフルサイズミラーレス開発で培った、高度な追従AFなどの技術をレンズ一体のコンパクトなカメラボディに収め、一眼カメラの様に絞りやシャッタースピードを変えながらイメージ通りの動画撮影ができるカメラとなっています。