SIGMA 50mm F2 DG DN｜Contemporary [ソニーE用]

すべてのバランスが高い次元で整ったレンズ

IシリーズはSIGMAのContemporaryラインに属するレンズシリーズです。

Contemporaryは、もともと、レンズの大きさと性能、価格のバランスを追求したレンズラインです。光学性能を追求したArtや屋外撮影を想定して堅牢性を追求したSportに比べるとリーズナブルなイメージもありますが、Contemporaryはあくまでバランスを重視したレンズであり、Artなどの廉価版レンズではありません。

IシリーズはそんなContemporaryの中でも特にサイズ感と光学性能のバランスを重要視したレンズシリーズです。そして、デザイン性も重視して設計されています。

SIGMA 50mm F2 DG DN｜Contemporaryもそんな従来のIシリーズの設計思想を忠実に再現しています。切削アルミニウムで作られた鏡筒はズームリングや絞りリング部分に凹凸のあるクラシカルなデザイン。

全長は68mmとコンパクトで、SONY αシリーズなどのフルサイズミラーレスに装着すると、まるで昔のレンジファインダーカメラを持ち運ぶようなコンパクトな撮影セットとなります。

鏡筒だけでなく、操作リングやレンズフードまで金属製で手にするとひんやりとした質感と剛性感が所有欲を満たしてくれます。

Contemporaryレンズとはいえ、50mmの単焦点レンズとしては若干割高感もある10万円弱という価格設定ですが、手にすればこのレンズにその価値ありと納得です。

また、Iシリーズは「新しいユーザー体験」を提案するというコンセプトもあります。滑らかなフォーカスリングと心地よいクリック感のある絞りリングは常に触っていたくなるようなフィーリング。

他のIシリーズ同様に50mm F2 DG DN｜Contemporaryにもマグネット式のメタルキャップが付属していて、レンズキャップのつけ外しまでも新体験が可能です。

SIGMAがその所有感にこだわるIシリーズにおいて、標準域ど真ん中となる50mmのレンズはIシリーズファン待望のレンズであり、初めてのIシリーズとしてもおすすめの１本です。

高い光学性能は汎用性抜群

50mm F2 DG DN｜Contemporaryは単焦点レンズとしては暗めの開放F値ですが、これは光学性能とサイズのバランスをとったが故と考えられます。

9群11枚の構成レンズはSLD1枚、非球面レンズ3枚を使用して徹底して収差を抑えています。インナーフォーカスを採用していて、AF駆動はステッピングモーターを採用。フォーカスレンズを挟んで、左右ほぼ均等にレンズ群が配置されていて、その光学性能の素性の良さが伺えます。

あえてF2という明るさに抑えたことで、解像力は開放から良好で、F2.8に絞れば文句なしの解像力になります。F4まで絞ると際立ったシャープネスとなるので、肌の質感まで描写するようなポートレート撮影にも使うことができます。

フレア耐性など逆光にも強く、コンパクトさを活かして手軽に持ち歩いて街角スナップにも最適。「人の視界に近い」とされる50mmの画角だけに街歩きをしながらシャッターチャンスを狙うスナップでは大活躍します。

SIGMAならではのピント面がカリカリの描写であることは当然ですが、このIシリーズはボケ味にもこだわって設計されています。柔らかいボケ味は他のSIGMAレンズとはちょっと違う印象があります。

ピント面もボケも楽しめるこのレンズはポートレートからスナップ、風景など様々な撮影に対応できる汎用性の高い1本といえます。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 四隅までしっかり解像してくれる
• 金属の程よい重量感が高級感を感じさせてくれる
• フォーカスブリージングは多少あるものの動画撮影でも問題ないレベル
• 純正と比較しても遜色ないAF速度が出せる
• 操作リングは細かく加工の違いがあり、安心して操作できる

やはりビルドクオリティの高さ、手に伝わる質感の高さに多くの満足レビューが集まっています。

■ ネガティブレビュー

• 50mm F2としては価格が高め
• 絞りリングのクリックを消せないのが残念
• 金属鏡筒だと傷が気になる
• 最短撮影距離45cmはもうちょっと頑張って寄れるレンズにしてほしかった
• Iシリーズはフィルター径を統一してほしかった

複数本揃えたくなるIシリーズなので、たしかにフィルター径は統一して欲しいところです。

まとめ

F2という明るさは初めての単焦点レンズとして購入するとちょっと物足りなく感じるF値かもしれません。しかし、SIGMA 50mm F2 DG DN｜Contemporaryは様々なレンズを使ってきた人にとって、新体験をもたらしてくれるレンズです。

手にすると金属のひやりとした質感を感じることができ、ローレット加工された操作リングやレンズフードが手に馴染みます。

50mmという標準域ど真ん中の焦点距離で、使用頻度も高く、常にカメラに装着して持ち歩きたくなる魅力が50mm F2 DG DN｜Contemporaryにはあります。

コンパクトに、スタイリッシュにフルミラに50mmの単焦点を装着して持ち歩く。フルサイズミラーレスと、それに似合うレンズを装着し、手にする満足感、撮影する満足感を与えてくれるレンズがSIGMA 50mm F2 DG DN｜Contemporaryです。