製品解説
スペック情報
Canonが当時の技術を総動員して開発した渾身の力作
1971年に発売されたキヤノンF-1は、5年もの歳月をかけて当時のキヤノンの技術を総動員したフィルム一眼でした。レンジファインダーの時にはニコンと並び、最高峰のカメラブランドであったキヤノンは、一眼レフではアマチュア向けを多く生産し、ニコンから遅れを取りました。
その遅れを取り戻し、その先を行くカメラを目指すようにしてキヤノンF-1は誕生しています。数十台分の開発費用がかけられ、5年という時間で生まれてきたF-1。「向こう10年は不変です」というキャッチコピーが物語るように、ニコンFが独占していたプロ市場に入り込み、その完成度の高さで他のメーカーを差し置き、プロ機としてトップへと躍り出ました。
特筆すべきは、その堅牢性。60℃から-30℃まで、また湿度90%でも動作してくれます。また、10万回の撮影に耐えるシャッターも搭載しており、まさにプロのためのフィルム一眼としての地位を確立します。
Canon F-1
出典:flickr(@Tam Tam)
Canon F-1 / New FD 85mmF1.2L
出典:flickr(@Tam Tam)
Canon F-1 / New FD 85mmF1.2L
出典:flickr(@Tam Tam)
プロの愛を受け続けるモデル
1971年に発売されたその5年後、F-1はマイナーチェンジされました。F-1NやF-1改、F-1後期と呼ばれているモデルです。最高ISOを3200まで引き上げるなど、13の項目が改善されています。見た目からも、巻き上げレバーの形や背面にメモホルダーができるなど、変更がなされました。
多くのプロに愛されたF-1は、1976年に開催されたモントリオールオリンピックの公式カメラに選ばれ、ロゴの入った特別モデルを、また1980年にはレークプラシッド冬季オリンピックのモデルも生産され、多くのプロに愛されたことがよくわかります。
おすすめの対応レンズは
F-1とともに販売されたのが、FDマウントのレンズです。現在でもデジタルカメラにオールドレンズの組み合わせで使われているレンズ。このレンズ郡は、当時カラー撮影に移行しつつあったカメラ産業で、カラーバランスを損なうことなく撮影ができるレンズとして広告業界やファッション業界で、キヤノンのカメラとレンズを使う流れを作りました。
F-1の標準レンズとしての位置づけで誕生し、今でもオールドレンズ人気の先頭を走っているFD 50mm F1.4 S.S.Cや超望遠レンズであるNew FD FD100-300mm F5.6といったレンズを着けるとF-1の良さがしっかりと出てくれます。
標準レンズのFD 50mmを装着したもの
出典:flickr(@Simon Morris)
作例紹介
まとめ
今でも人気のあるレンズやボディであるF-1。しかし、中古品であるがゆえシャッターを切ったときにミラーが正常に動作するか、という部分に注目をする必要があります。しかし、レンズもボディも中古市場に多く出回っているので、わずかな手直しで使えるカメラになることも多いです。
F-1の欠点は、その重さ。レンズを付ければ1kgを超すこともあります。しかし、F-1とFDマウントだからこそ描写できる瞬間があるのも事実です。羨望の眼差しの対象にもなるF-1を手に、風景やポートレート撮影を楽しんでみてはいかかでしょう。
レンズマウント | |
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型式 | 35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ |
レンズマウント | Canon FD/New FDマウント |
ファインダー | |
視野率 | 97% |
倍率 | 約0.77倍 |
ミラー | |
露出制御 | |
測光方式 | 中央部分測光式 |
測光範囲 | EV2.5〜18 |
露出モード/撮影モード | マニュアル |
ISO感度 | 25〜2000 |
多重露光 | - |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/2000〜1秒 |
巻き上げ・連写速度 | |
レリーズ機能 | |
セルフタイマー | ○ |
AF | |
AF方式 | |
測距点 | |
電源 | |
使用電池 | MR-9水銀電池 x1 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 147×99×43mm |
重量 | 820g |
発売日 | |
発売日 | 1971年03月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- フィルム一眼レフ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- MF機(機械式シャッター)
- マウント
- Canon FD/New FDマウント