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Canon EOS R1

Canon EOS R1

Canon RFマウント
2024/11/20発売

2024年11月、Canonからついに、EOS R1が発売されます。Canonユーザーに限らず、購入するしないに関わらず、EOS R1の登場を待ち望んだユーザーは多くいることでしょう。カメラ業界において、それだけCanonの「1」は特別な存在といえます。フルサイズミラーレスとして生まれ変わった、新しいCanonの「1」はどの様な性能なのでしょう。

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著者: enoF

Canonが提供するこのカメラの意味

Canonの「1」と言えば、フィルムカメラ時代のF-1にはじまり、縦グリップ一体型でプロが納得するAFを搭載したEOS-1が原型となっています。

EOS-1は当時、「プロはAFに頼らない」と言われていた時代に、プロが納得する高いAF性能をもち、縦グリップ一体型で縦位置、横位置を自在に撮影でき、なおかつ長時間撮影や過酷な撮影環境に耐える高い信頼性を持ったカメラ。この最高の性能と最高の信頼性、縦グリップ一体型というフォルムはその後発売される「1」に継承されていきます。

デジタルカメラ時代に突入し、2001年に発売された「1」初のデジタル一眼、EOS-1Dでは完全に縦グリップ一体型デザインとなり、デジタルカメラの多ボタンに対応する操作性の最適化や、長時間撮影に対応する大容量バッテリーの搭載でそのデザインがプロ機である「1」の最適解とされるようになりました。

CanonはEOS R1の発売前に、EOS R3という縦グリップ一体型デザインのフルサイズミラーレスを発売しました。機能的には従来の「1」同様、高速連写機ということで、「ついにCanonのフラッグシップフルサイズミラーレスが誕生か?」とも言われましたが、実際にはR3は東京オリンピックに合わせて開発されたカメラで、確かに高性能ではありましたが、フラッグシップという程の驚異的な性能ではなく、縦グリップ一体型の高速連写機フルミラを待望するカメラマンの声に応えたモデルといった印象でした。

そして満を持してパリオリンピック直前に発表された真のフルミラフラッグシップモデルがEOS R1です。

基本的なデザインはEOS R3、そして今までの「1」を継承するデザインですが、グリップ形状の最適化やマルチファンクションボタン3と縦位置インフォボタンの追加など、さらなる操作性向上が計られています。また、性能面ではCanonの最新技術がふんだんに詰め込まれています。

昨今のフルサイズミラーレスで注目なのが最新のCMOSセンサーですが、Canonは裏面照射積層CMOSセンサーを採用。ローリングシャッター現象が発生しないグローバルシャッターの採用も噂されていましたが、EOS R1では読み出し速度を向上させて、ローリングシャッター現象を抑えたCMOSが採用されました。これは、「グローバルシャッターを採用すると現状では画質が劣化してしまうため」で、画質を優先させた結果ということです。

EOS R1に採用されたイメージセンサーはフラッシュ同期速度1/320秒ということで、グローバルシャッターに迫る同期速度があるので、動いている被写体でもローリングシャッター現象はかなり抑えられることが期待されます。

その他にも、ブラックアウトフリーのEVFはR3のほぼ倍となる943万ドットで120fps駆動という光学ファインダーに迫るEVFや、EOS-1D Xシリーズと同等の防塵防滴性能などフラッグシップにふさわしいカメラとなっています。

大きな特徴は脅威のAF性能

Canonの「1」というと、EOS‐1Dxシリーズがそうだったように、「高速連写機」というイメージがあります。そのため、連写性能に目が行きがちですが、EOS R1はそこまで高速連写にこだわったカメラではないように感じられます。

そもそも、ミラーレスにおいては、メカシャッターの速度が毎秒10コマ以上、電子シャッターでは毎秒30コマ以上の機種が多くなり、十分な連写速度となっています。もちろん、連写速度は高ければ高い方が良いということに間違いはありませんが、実際に毎秒30コマ以上の連写で、それ以上で撮影した場合と大きく何か変わるかというと、そこまでメリットは大きくありません。そういう点ではEOS R1の最高40コマ/秒というのは必要十二分な性能です。

それよりも注目すべきはEOS R1のAF性能です。CanonはEOS R1に従来の映像エンジンDIGIC Xに加えて、「DIGIC Accelerator」というもう一つの映像エンジンを搭載しました。DIGIC AcceleratorはAF解析等と主に行う映像エンジンで、DIGIC Xとの役割分担を行うことで、非常に高速かつ精度の高いAFを実現しています。

さらにCanon独自のAFシステム、デュアルピクセルAFとしては初のクロスAFも採用。この2つの機能によって、EOS R1のAFは「驚異的」と評されるほどの高いAF性能となっています。実際に、スポーツ撮影で利用したカメラマンのレビューでは「ほぼ100%」というピント精度の評価でした。

EOS R1がフラッグシップモデルとして他のカメラを凌駕するポイントの1つがAF性能にあります。

かなり動画撮影を重視した新しい「1」

EOS R1の性能を見ていく中で、AFや連写性能などスチール撮影の性能はもちろんですが、動画性能で目を引く部分が多いということも特徴としてあげられます。実はEOS R1の評価はスチール機としての評価は期待されたほど高くありません。

その理由の1つが画素数にあります。他社のフラッグシップモデル、SONYのα1が約5010万画素、NikonのZ9が4571万画素であることに対してEOS R1は2420万画素とかなり控えめな画素数になっています。

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センサーサイズフルサイズ(約36.0×24.0mm)フルサイズ(35.9×24mm)フルサイズ(35.9×23.9mm)
有効画素数2,420万画素5,010万画素4,571万画素
連続撮影速度最高約40.0コマ/秒最高約30.0コマ/秒最高約120.0コマ/秒
4K対応
手ブレ補正機構
防塵・防滴
撮影可能枚数(ファインダー)510枚430枚[パワーセーブ(静止画モード)]が[ON]の場合:約740コマ [パワーセーブ(静止画モード)]が[OFF]の場合:約700コマ
重量920g652g1,160g
発売日2024/11/202021/03/192021/12/24
表は左右にスクロールできます

これは、読み出し速度を速めるという目的もありますが、もう一つ動画撮影時の発熱を抑えるという目的もありそうです。今、動画撮影の主流である4K撮影をする場合、必要な画素数は800万画素なので、十分な画素数です。

今後8Kが主流となった場合には3000万画素以上が必要となりますが、現状テレビなどでもようやく4K放送が広まりつつある状態なので、実用的には8K動画へのニーズは高くありません。

それよりも、一眼動画撮影では、発熱による撮影時間制限が大きな問題であり、EOS R1はイメージセンサーの画素数を抑え、さらにR1の大きなボディを活かして、グラファイトやアルミなどで熱を外に逃がす適切な排熱デザインがされています。それによって、EOS R1は4K60pの標準画質であれば120分以上という十分な撮影時間を確保しています。

また、歴代の「1」としては初めて背面液晶にバリアングル液晶を採用するなど、従来の「1」よりも、より動画撮影を意識した設計となっています。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

  • メカシャッターと同じシンクロ速度が出せているのはすごい
  • 動画撮影中に同時に静止画撮影できるというのは便利
  • 個人的にはR3とは全く違うカメラで流石フラッグシップモデルと感じる
  • 登録人物優先AFはオリンピックなどでは最強のカメラとなりそう
  • クロスAFは茂みの中の鳥撮影では優れた武器になりそう

やはりAFの進化に高評価が集まっていて、報道カメラのプロスペックは価格的にも十分価値あるカメラと言えそうです。

■ ネガティブレビュー

  • 「1」という名前を考えても価格が見合っていない
  • スペックだけ見るとR3 Mark IIが妥当な気がする
  • グローバルシャッターを搭載してほしかった
  • 4,500万画素くらいの高画素ならフラッグシップって感じがしたかも
  • さすがに100万円超えはアマチュアは手が出せない

昨今のフラッグシップモデルはどのメーカーも価格が趣味レベルを超えてしまい、アマチュアには高嶺の花という存在になってしまいました。

まとめ

満を持して発表されたCanonフラッグシップミラーレス、EOS R1。EOS Rシリーズが発表された当初から、R1の登場を期待するユーザーの声は多く、様々な噂が流れ続けてきましたが、パリオリンピック開幕直前についに発表となりました。

実際の販売はオリンピックが閉幕して、秋になってからですが、既に供給不足が発表されていることからも、その期待の高さ、ニーズの高さが伺えます。もちろんその性能もフラッグシップにふさわしいもので、Canonの最新技術が詰め込まれています。

特に新しい映像エンジンを搭載し、驚異的とも評されるAF性能には注目で、今後EOS R1でどの様な瞬間が切り取られるのか楽しみなカメラです。

著者

enoF

enoF

大学在学中より、編集プロダクションに所属し、様々な雑誌の発行に携わる。 その後、フリーランスとなり、カメラやレンズ関連の記事をはじめ、パソコンやIT関連機器など様々なガジェットに関する記事を執筆するライターに。現在はWeb記事を中心として執筆活動中。

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カテゴリミラーレス一眼
メーカーCanon
タイププロモデル
マウントCanon RFマウント

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