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SONY α1(ILCE-1)
SONY Eマウント
2021/03/19発売
フラッグシップ機。プロカメラマンにとっては欠かせないものであり、アマチュアにとっては憧れのカメラ。実はミラーレスカメラという分野では、CanonやNikon、SONYでさえもフラッグシップ機というものが存在していませんでした。そんな中で、満を持して登場したフラッグシップフルミラ、SONY α1。フルミラ時代のフラッグシップ機はどのような性能となっているのでしょう。
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著者: enoF
SONYが生み出したフルミラ初のフラッグシップ機
一眼レフにはCanon Eos-1D Xシリーズ、Nikon D一桁シリーズというそのメーカーを代表するカメラ、フラッグシップ機があります。これらとSONYのフルミラを比較するときは、一応α9シリーズが比較対象となっていました。
しかし、α9シリーズは、SONYがフルミラをSpeed、Resolution、Sensitivityと3種に分類する中のSpeed担当であり、フラッグシップ機という位置づけではありませんでした。
そもそも、近年は一眼レフでもCanon Eos-1D Xシリーズ、Nikon D一桁シリーズも高速連写、高信頼性に特化したカメラで、高画素撮影は5DシリーズやD800番シリーズなどという棲み分けがされています。
プロのカメラマンでも全員がフラッグシップ機を使うわけではなく、被写体に併せて高速連写機と高画素機を使い分けるということが普通です。そういった点からもフルミラ界をリードするSONYがハイスペック機を3種類に分けたということも納得です。
そんなSONYが「1」番のフルミラを発売しました。
SONY α1はフルミラで初めてフラッグシップを謳ったカメラとなりました。「THE ONE 新次元へ」のキャッチコピー通り、今までSONYが発売したα9シリーズ、α7シリーズのいいとこ取りをして、さらにフルミラの良さを進化させたようなカメラとなっています。
具体的に見ていくと、まず目を引くのが約5010万画素で最高約30コマ/秒という高画素かつ高速連写機であるという点です。α7R IVの約6100万画素に迫る画素数で、α9 IIを超える連写性能です。
SONYはα1に従来の裏面照射型CMOSセンサーではなく、メモリー内蔵積層型CMOSセンサーを採用することでこのスペックを実現しています。裏面照射型CMOSセンサーはSONYが初めて量産に成功した、従来のCMOSよりも光を多く取り込める革新的CMOSセンサーで、Canonも新たに発売するR3では裏面照射型CMOSセンサーが採用されるとされています。
しかし、SONY α1は更に高性能な新開発の積層型CMOSセンサーを採用。積層型CMOSセンサーは配線層を受光センサーの裏に隠すことで裏面照射型よりもさらに受光面を広く取ることができます。
そこにメモリーを内蔵することで、高画素でも高速連写をスムーズに行うことが出来るようになっています。CMOSを独自で開発、生産できるSONYの強みが存分に発揮されています。
また、動画性能も8K 30pに対応。Canonが8K動画撮影時の熱停止対策に苦労していることに対して、SONY α1は連続録画も炎天下でなければ良好に動作してくれます。スチールも動画もキャッチコピーそのままの、まさに新次元の性能となっています。
製品 | |||
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価格 | 新品: 801,856円 中古: 581,640円 | 新品: 345,600円 中古: 230,200円 | 新品: 288,000円 中古: 207,000円 |
センサーサイズ | フルサイズ(35.9×24mm) | フルサイズ(35.6×23.8mm) | フルサイズ(35.7×23.8mm) |
有効画素数 | 5,010万画素 | 2,420万画素 | 6,100万画素 |
連続撮影速度 | 最高約30.0コマ/秒 | 最高約20.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ | ○ |
防塵・防滴 | ○ | ○ | ○ |
撮影可能枚数(ファインダー) | 430枚 | 500枚 | 530枚 |
重量 | 652g | 593g | 580g |
発売日 | 2021/03/19 | 2019/11/01 | 2019/09/06 |
最高のfps
近年、eスポーツの盛り上がりなどで「fps」という言葉を目にする機会が増えました。
fpsはframes per secondの略で、スマホ画面やPCモニターなどが1秒間に何フレーム表示できるかということを表した数値です。人間が動画と認識する最低のfpsは30fpsとされ、それ以下の場合はパラパラ漫画の様なカクカクした動画に見えます。
しかし、コンマ1秒を争うeスポーツでは、30fpsではまったく不十分で、最低でも60fps、理想は120fps以上ないと瞬間の勝負で負けてしまいます。
SONY α1はとにかく、このfpsに優れたカメラとなっています。
EVFは約944万ドットの有機ELファインダーで最大240fpsまでフレームレートを上げることができます。連写時もブラックアウトフリーなので、動き回る被写体を連写しても、非常になめらかに見え、ストレスを全く感じさせないEVFとなっています。
また、AF/AEの演算速度も120回/秒なので、EVFで見えている映像、シャッターを切るタイミング、出来上がった写真がダイレクトにリンクします。
動画は8Kでは30pなので画質としてはやや滑らかさに欠けますが、8K撮影の場合、約3300万画素で静止画切り出しができるので、動画を撮影しながら静止画も切り出すという離れ業もできます。4Kの場合は1フレームが約800万画素なので、30pでも8Kで動画が撮れるということは大きな武器です。
また、α1はボタン配置など外観こそα9 IIなどと対した違いはありませんが、操作系は変更されていて、メモリ書き込み中に操作できなくなる時間も少なくなり、操作性がアップしました。
α1は1秒間に様々な処理ができる、瞬間を逃さないカメラになっています。
α1はレフ機を完全に凌駕した?
ミラーレスの最大の弱点とも言えるのが、EVFでした。液晶ファインダーは光学ファインダーと比較するとどうしても被写体が動いたときにカクカクしたり、ドットが荒いということが見にくくなってしまいます。
もし、手元に数年前のスマホやガラケーがあるなら見てみましょう。ドットが荒く、動画などは見れたものではありません。
ところが今の最新スマホはどうでしょう。ものによっては実写と見紛うものも少なくありません。
α1のEVFはまさにこの領域にあり、240fpsまであげなくとも、120fpsで十分自然に見ることができ、光学ファインダーと比べてもそこまで液晶であることを意識させない性能があります。
そして、EOS-1D X Mark IIIやD 6と同じ価格帯と連写性能でありながら倍以上の画素数となっています。
ただ、完全にレフ機を凌駕したとまでは言えません。それは信頼性とバッテリーです。
SONYはコンパクトなミラーレスという従来のコンセプトをキープしα1をα9 IIなどと同じボディ、バッテリーとしましたが、性能が上がった分、バッテリー消費は激しくなっています。
ボディはフルマグネシウム合金ボディで防塵防滴に配慮してシーリングも十分に施されていますが、EOS-1D X Mark IIIやD 6の様にゲリラ豪雨の様な水しぶきの中や、コンクリートの地面に落下させても撮影を続行できるかなどといった、ユーザー独自の実証テストなどはまだ見かけません。
カタログスペックであれば紛うことなく一眼カメラの頂点に立つα1ですが、堅牢性などでも長年の蓄積があるCanon、Nikonに匹敵するものがあるか、どこまで信頼できるかはユーザーが判断するところとなりそうです。
野鳥撮影で特に高い評価
α1が特に高く評価されているのが野鳥撮影の分野です。高速連写についてはα9 IIがブラックアウトフリーなど既に高い評価を得ていました。
スポーツ撮影などでは10コマ/秒の連写速度があれば十分で、被写体もある程度の大きさがあるのでトリミング頻度もそこまでないので、2000万画素あれば十分とされます。
しかし、α9 IIでは少し物足りなく感じてしまうのが野鳥撮影です。カワセミなどの被写体は小さく、羽ばたきは素早いので連写速度は高ければ高いほど瞬間を逃さずに撮影できます。
素早い動きを追うにはある程度広い画角で撮影するのでトリミングも多用されます。また、無音でシャッターを切れるので、野生動物に警戒心を抱かれることも少なくなります。 今まで、野鳥の様な小さな被写体に対しては画素数が物足りなかった高速連写機でしたが、α1は画素数と連写速度を両立したことで野鳥撮影に最適なカメラとなっています。
愛用者のコメント
以前はα9を使用していましたが、α1の発売日から本カメラを買い足しFE600mmレンズとの組み合わせで野鳥撮影に使用しています。撮影する野鳥は主にカワセミや猛禽類が多いため、常に×1.4のテレコンを付けた状態で通算840mmで使用しています。
撮影距離が遠い被写体には反応しませんが、カワセミのホバリングシーンなどα9では常にファインダーの中央にカワセミを捉えていないけらばならなかったのが、鳥瞳AFが反応してくれればα1では中心から少しズレていてもカワセミの目にAFを合わせてくれます。鳥瞳AFは野鳥撮影には最高の武器です。
鳥瞳AF以外のオートフォーカスの速さと正確さはα9とほぼ変わらないと思いますが、トリミング耐性に強い5100万画素は魅力的で満足しています。
コマ数が秒間20コマですが、シャッターボタンを押し続ける場合の自宅に帰ってからの画像整理を懸念して、被写体は常にファインダー上で追い掛けて決定的なところでしかシャッターボタンを押さない癖が付いています。そのため、たまにシャッターチャンスを逃す時があります。
ポジティブ
- 野鳥撮影で必須のトリミングに有効な5100万画素
- 正確な鳥瞳AF
- 使ったことはないがトラッキング
- 秒間20コマシャッター
- ブラックアウトフリーで撮れるのでファインダーから被写体を見失う事なく追い掛けやすいところ
ネガティブ
- ISO1600までしか使えないノイズの多さ
- バッテリーの持ちの悪さ
- カメラ本体を小さくする為にカードも小型にする必要があったと思われるが高価なタイプAのカード
要望
- 動画ボタンの位置(シャッターボタン近くの上側に配置をして現在の動画ボタンの位置にはカスタマイズボタンを配置してほしい)
その他ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- 高速で飛ぶカワセミを追える十分な性能
- 鳥瞳AFだけでも十分に価値を感じることができる
- 録画ボタンがカスタムで変更できるので使いやすくなった
- 操作の反応が今までのαとは段違いに良くなった
- ストロボ撮影まで、全てを電子シャッターでこなすことができる
SONY αの懸案ポイントだった、操作系の反応がかなり改善されていて、キビキビとした撮影が可能となっています。
■ ネガティブレビュー
- ずっと撮影すると、バッテリーは半日で1本なくなる感じ
- 高画素機なのでやはり高ISOになるにつれてノイズ感はある
- SONYのシャッター音はやはり受け入れがたい
- フラッグシップ機にしては防滴性などの信頼性が若干不安を感じる
- 動画を全く撮らないのでちょっとオーバースペックで価格も高く感じる
バッテリーのもちが従来機と比較した唯一の弱点となっている感じです。縦位置グリップは必須となってきそうです。
まとめ
約80万円という販売価格。カメラ本体の価格としては超高額ですが、フラッグシップ機と言われると納得の価格です。
そして性能を見れば納得の価格。SONY α1は現状でフルミラに求められる性能が全て詰まっています。ポートレートからスポーツ、野鳥、動画、静止画。
このカメラで撮れないのであれば他のカメラでもほぼ撮れないでしょう。どれか一つの撮影しかしないのであればオーバースペックとなりますが、全ての撮影を高いレベルで実現したいのであれば、必要十分なカメラとなります。
著者
enoF
大学在学中より、編集プロダクションに所属し、様々な雑誌の発行に携わる。 その後、フリーランスとなり、カメラやレンズ関連の記事をはじめ、パソコンやIT関連機器など様々なガジェットに関する記事を執筆するライターに。現在はWeb記事を中心として執筆活動中。
価格情報
ミラーレス一眼 > プロ
SONY α1(ILCE-1)
新品: 858,000円 / 中古: 628,000円
新品: 849,395円 / 中古: 581,640円
新品: 801,856円 / 中古: 590,720円
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例えば...
SONY α6400(ILCE-6400)
75,500円(定額)で買い取ります
製品情報
カテゴリ | ミラーレス一眼 |
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メーカー | SONY |
タイプ | プロモデル |
マウント | SONY Eマウント |
関連製品
製品 | SONY α1(ILCE-1) (本製品) | |||
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価格 | 新品: 801,856円 中古: 581,640円 | 新品: 794,739円 中古: 701,224円 | 新品: 345,600円 中古: 230,200円 | 新品: 298,000円 中古: 163,979円 |
センサーサイズ | フルサイズ(35.9×24mm) | フルサイズ(35.6×23.8mm) | フルサイズ(35.6×23.8mm) | フルサイズ(35.6×23.8mm) |
有効画素数 | 5,010万画素 | 2,460万画素 | 2,420万画素 | 2,420万画素 |
連続撮影速度 | 最高約30.0コマ/秒 | 最高約120.0コマ/秒 | 最高約20.0コマ/秒 | 最高約20.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ | ○ | ○ |
防塵・防滴 | ○ | ○ | ○ | ○ |
撮影可能枚数(ファインダー) | 430枚 | 410枚 | 500枚 | 480枚 |
重量 | 652g | 618g | 593g | 588g |
発売日 | 2021/03/19 | 2024/01/26 | 2019/11/01 | 2017/05/26 |