SIGMA 28-105mm F2.8 DG DN｜Art [ライカL用]

高性能と使いやすさを兼ね備えた、新時代の万能標準ズームレンズ

標準ズームレンズといえば、24-70mmと、少しレンジを広げた24-105mmやNikon伝統の24-120mmが主流。フルサイズ未満の小型センサーにおいても概ね同じ傾向にあります。そして、24-70mmの方にF2.8を採用して光学性能に優れた大三元レンズとし、広レンジの24-105にはF4を採用してオールマイティさを重視した小三元レンズとするのがセオリーとして長年続けられています。

そんなカメラ界隈のセオリーから外れたレンズはこれまでにもいくつか登場してはいるものの、いずれも鈍重で使い勝手が良いとは言えず、趣味性の高さが際立つものばかり。ただし、今回紹介する28-105mm F2.8 DG DN｜Art に関しては、そういったセオリー外のレンズの常識を覆す、多くのカメラファンの理想に近い真のオールマイティレンズに仕上がっているんです。

注目すべきはそのボリューム。伸縮タイプでフルで伸ばしても約200mmほどでキヤノンのRF24-105mm F2.8 L IS USM Zとほぼ同等。ただ、キヤノンのレンズは1330gあるのに対して、28-105mm F2.8 DG DN｜Artは1kgを下回る約995gを実現。広角端が24mmではなく28mmに留めているというのもありますが、大三元標準ズームレンズと同じくらいの重さなのは驚異的といって良いでしょう。

製品	SIGMA 28-105mm F2.8 DG DN｜Art [ライカL用]	Canon RF24-105mm F2.8 L IS USM Z
価格	新品: 247,500円	新品: 493,643円 中古: 457,800円
焦点距離	28～105	24-105mm
最短撮影距離	40.0cm	45.0cm
絞り羽根枚数	12枚	11枚
重量	995g	1,330g
発売日	2024/09/26	2023/12/08

表は左右にスクロールできます

SIGMA最高峰のArtシリーズということで、光学性能は言わずもがな。特殊なFLDガラス2枚、SLDガラス1枚、非球面レンズに至っては5枚用いた豪華な内容で、全域安定した高画質を実現。フレアやゴースト、収差も高いレベルで抑えており、まさにレンジの広い大三元レンズといった仕上がりです。

上位レンズらしい優れた作りと操作性

近接性能にも優れているのもポイント。ズーム全域で40cmまで寄ることができ、テレ端であれば0.31倍までクローズアップ可能。HLA（High-response Linear Actuator）を採用しているので、どのレンジにおいても高精度かつ高速のAFでピンとを合わせることができます。

絞りリングが搭載されているほか、AFLボタンも2個所備わっているので、縦横どっちに構えても操作しやすいレイアウトに。伸縮するタイプのレンズに便利なズームロック機構はズーム操作で即座に解除できる構造になっているので、シャッターチャンスを逃すことなく素早く対応することができます。

Artシリーズらしい満足度の高い上質な作り。防塵防滴、撥水防汚コートも採用しているので、シチュエーションを選ばず使用可能です。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• レンズフードの作りが良い
• スペックの割にリーズナブル
• 逆光に強く、全域でシグマらしいシャープな映りが楽しめる
• F2.8まで使える便利さ

Artシリーズらしい描写性能の高さを充分堪能できる性能。他社の高性能便利ズームの中では破格の安さなのも評価を高めています。

■ ネガティブレビュー

• ボケの描写の好みは分かれそう
• 大きい

非球面レンズならではの玉ねぎボケが多少目に付くようですがボケ味のきれいさは充分。同スペックのレンズと比べて軽くて小さいのは事実ですが、充分ボリュームのあるレンズであることは認識しておきましょう。

まとめ

対応レンジが広く光学性能に優れ、近接性能にも対応しながら大三元レンズ並のボリュームという。これといった死角の見当たらない28-105mm F2.8 DG DN｜Art。LマウントやSONY Eマウントユーザーには大きな武器となるレンズです。ステップアップとして、またシステム導入時の主軸を担う1本としてオススメです。