Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8

フルサイズ＆APS-Cにもマッチした超軽快な単焦点レンズ

当時Zマウント最小・最軽量で、フルサイズだけでなく、APS-Cでも35mm換算42mmという画角で使いやすいNIKKOR Z 28mm f/2.8よりもさらに軽くて小さい規格でまとまっているNIKKOR Z 26mm f/2.8。

全長約23.5mmはまさにパンケーキレンズといったサイズ感で、Z7IIなどと組み合わせるとグリップを持った手よりも短い状態に収まります。また、専用のフードがフジツボタイプというのも、往年のパンケーキレンズ45mm F2.8Pを彷彿とさせるスタイルで、Nikonファンの琴線に触れる仕様といえるのではないでしょうか。

重さはNIKKOR Z 28mm f/2.8よりも30gも軽い驚異の約125g。これで防塵・防滴に配慮した設計もしっかり行われていることにも驚きで、常用レンズとして気兼ねなくいろんなシチュエーションの撮影を楽しむことができます。

耳慣れない26mmという焦点距離も、スマホカメラでおなじみの28mmよりも少しだけ広く、24ｍｍよりも若干狭い画角と考えればおおよそ想像は付きますし、28mmや24mmに如何ともし難い苦手意識を持っている人には、この若干の差異が苦手意識を克服してくれる救世主になってくれるかもしれません。

APS-C規格機と組み合わせた際には35mm換算で39mm。Z 28mm f/2.8の場合の換算42mmよりも若干広角気味の画角で、おおよそ35mmレンズに近い感覚で撮影が可能。サイズ的にもボディの小さなAPS-C規格機にマッチしやすく、グリップの無いZ fcとの組み合わせバランスも非常に良さそうです。

ユニークレンズに留まらない妥協のない描写性能

Zマウントレンズといえば他社のレンズとは一線を画す高い光学性能ですが、パンケーキタイプのZ 26mm f/2.8であってもそこは同じ。6群8枚という少ないレンズ構成のなかに非球面レンズを3枚も費やした贅沢設計を行い、高い光学性能と小型軽量を両立。収差や湾曲をしっかり補正した平滑な絵作りを可能としています。

加えて近接撮影能力が高いのもポイント。最短20cmまで寄ることができるので、パースを効かせたりテーブルフォトにも充分対応。APS-C規格機と組み合わせると自動的にクロップされて、さらに寄った写真を撮ることもできます。

F値は2.8と明るく、寄ればしっかりボケ味の効いた画作りも可能。高い光学性能にあやかって開放F値を積極的に使った撮影を楽しみましょう。

愛用者のコメント

単純に黒のZ fcとの組み合わせがカワイイ!という理由だけで気が付いたら予約を入れていました。画質についてはニコンさんを信頼していましたので…

フルサイズ機との組み合わせも楽しいですが、やはりコンパクトなAPS-C機との組み合わせをおすすめします。

使用前はAFの速度が心配でしたが、実際使ってみると街中でスナップする分には全くといっていいほど気になりませんでした。もう少し画角が広いといいな、と思うこともありますが、小さなバッグに収めて気になったものをサッと撮れる軽快さから、今いちばん持ち出す頻度の高いレンズになっています。

コンパクトなのに造りがしっかりしていること、パンケーキとは思えないほど四隅までスッキリ描写なのもおすすめポイントです。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 取り回しがいい上に倍率0.2倍まで寄れるのは至れり尽くせり
• 見た目からは想像できないコントラストの高い描写性能
• フードにフィルターがつけられて便利
• コントロールリングのトルク感が良い
• 高級感のある仕上がり

主にスタイリングが売りだったかつてのパンケーキレンズとは違い、描写性能に優れいている点を高く評価。同系統のレンズに比べて高価なぶん質感が高いことも特筆されていました。

■ ネガティブレビュー

• AFの駆動が少し遅めでうるさく感じる
• フードが少しチープに感じる
• 高い

AFの駆動についての苦言がちらほら。フードの質感には賛否あるものの樹脂製であるため、本体と比べると若干劣るのは否めません。

まとめ

NIKKOR Z 26mm f/2.8は、かさばることのないレンズキャップ並のスタイルでありながら高い描写性能も持ち合わせる稀有なレンズ。カメラを持ち出す機会がいまよりもグッと増えそうです。同系統のNIKKOR Z 28mm f/2.8やNIKKOR Z 40mm f/2よりも高価なぶん質感は上々。往年のパンケーキレンズと同じく、長きに渡って愛されるレンズとなりそうです。