Nikon NIKKOR Z DX 24mm f/1.7

DXフォーマットに準じた小型・軽量の標準域単焦点レンズ

このNIKKOR Z DX 24mm f/1.7がAPS-C規格のDXフォーマットにおけるベーシックな単焦点レンズと聞いて、驚いた方も少なからずいたのではないでしょうか。

Zマウントで最初のDXフォーマットカメラであるZ50がリリースされたのがおよそ4年前の2019年であること。またその後、レトロテイストなDXフォーマットカメラZfcが2021年に登場した際に、Z fc 28mm f/2.8 Special Editionとのセットアイテムもあったため勘違いしがちですが、Z fc 28mm f/2.8自体はあくまでフルサイズ規格のFXフォーマット用レンズ。F値を抑えて小さくし、DXカメラにおいても35mm換算で42mmのレンズとして楽しめるというものです。

正真正銘のDXフォーマット用と銘打たれた単焦点レンズNIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、そんなZ fc 28mm f/2.8以上に小型軽量なカメラ本体にフィットするボリュームにまとめられています。

パンケーキスタイルなZ fc 28mm f/2.8よりも3mm短い全長40mm。フィルター径が52mmではなく46mmになってるところからもコンパクトさを想像できるはずです。重さも約135gと軽量。小さなDXフォーマットカメラの中でもグリップを持たないZfcと組み合わせてもホールド感に不安が出にくいボリューム感といえます。

驚くべきはF値。そのボリューム感にしてF1.7という明るさを実現しています。描写性能はZレンズなので言わずもがな。単焦点レンズならではのボケ味の効いた絵作りを十分に堪能できます。

標準域レンズとしてのオールマイティな性能を実現

今の時代、スマートフォンに搭載されている28mmから往年の50mmまでが標準域。その中でも35mm付近は、広角と標準の良さを50：50で堪能できると昔から好んで使う人の多い焦点距離です。

NIKKOR Z DX 24mm f/1.7では、そういった35mmレンズの良さを引き出せるように撮影可能な最短距離を非常に短く設定し、0.18mmまで寄ることができます。これによって、35mmという本来の役割である広角域を活かしたダイナミックな絵作りが可能に。表現の幅が広がります。

気軽なスナップ撮影においても最短距離の短さは非常に便利。さっと取り出して、テーブルフォトに乗じることができるし、F値を活かして周りをぼかし、主題を引き立てるような絵作りも可能です。

AFの駆動にステッピングモーターを採用しているので非常に静か。動画撮影にも向いているレンズです。軽くて長さも短いのでジンバルとの組み合わせでもバランスがとりやすいです。

さらには、防塵防滴設計と至れり尽くせり。常用レンズとして非常に優秀な1本と言えそうです。

愛用者のコメント

APS-Cカメラと組み合わせると、とてもコンパクト。普段のカバンにカメラを入れてスナップするのにピッタリなレンズです。

小さくたってZレンズ、描写はちゃんと綺麗なので信頼して使っています。開放ではほど良い柔らかさがあって、ボケもしっかり。F値が小さいから夜の撮影だって大丈夫です。

ちょっぴりロマン味があって色んな表現に応えてくれる、楽しいレンズです。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• DXカメラにはボディ内手振れ補正がないので、明るいレンズは助かる
• 安くて、お値段以上の写り
• テーブルフォトがやりやすい
• Z30との組み合わせが最高
• 全てがちょうど良い

使い勝手の良さに高い満足度を得ているレビューが多い印象。特に小型なZ30とのバランスが非常に良いようです。

■ ネガティブレビュー

• VRが欲しかった
• フードは好みが分かれそう
• フォーカスブリージングが少々目立つ

グレードと価格帯を考えるとVRは贅沢な気もしますが、2023年時点でDXカメラにボディ内手振れ補正がないことを考えると理解できるところではあります。

まとめ

FXフォーマット用単焦点レンズでもDXカメラと組み合わせやすいものが多々ありますが、やはり専用設計になっているレンズのほうが、サイズ感もフィットしていて使いやすいです。それでいてNIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、F値も明るいという性能付き。比較的安価なレンズなので、単焦点ならでは描写性能を体感する最初のレンズとして非常にオススメです。