SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS｜Sports [ライカL用]

ミラーレス用にふさわしいボリューム感と高性能でまとめられたプロユースレンズ

70-200mm F2.8というカテゴリーのレンズは、レース、スポーツ、ステージといったシビアな場面での出番が多く、大三元レンズの中でも信頼性と性能が求められるため。各社純正レンズとも非の打ち所のない内容でまとめられています。サードパーティメーカーであるSIGMAも例外なく、純正レンズよりもリーズナブルな価格で抑えつつ、純正レンズに負けず劣らずの描写＆動作性能で多くのユーザーを獲得してきました。

70-200mm F2.8 DG DN OS｜Sportsは、ミラーレス時代における新たな伝家の宝刀。小さくて軽いカメラ本体に合わせて、一眼レフ時代の同レンズに比べて約460g軽い1345g（Eマウントは1335g）を実現。純正レンズに比べてひと際軽いというわけではありませんが、遜色のない重量と考えれば選択の余地となります。

製品	SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS｜Sports [ライカL用]	SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM｜Sports [キヤノン用]
焦点距離	70-200mm	70-200mm
F値	F2.8〜22.0	F2.8〜22.0
最短撮影距離	65.0cm	120.0cm
絞り羽根枚数	11枚	11枚
重量	1,345g	1,805g
発売日	2023/12/07	2018/12/14

表は左右にスクロールできます

軽量化の裏側にはレンズ構成と内部構造の合理化と、マグネシウム、CFRP、TSCといった素材を最適配置したマルチマテリアル構造の採用があり、マルチマテリアル構造は、SIGMAらしい質感の高さと、プロユースにも応えられる高い耐久性と剛性感に大きく貢献しています。

レンズは特殊低分散ガラスであるFLD6枚、SLD2枚、非球面レンズ3枚を含む贅沢な内容。ズーム全域で高い解像力を見せてくれます。もちろん、フレアやゴーストといった画質を低減させる現象にもしっかり対応しているので、さまざまなシチュエーションで抜けの良い撮影が可能でしょう。

Sportsシリーズにふさわしい高い機動性

長さは一眼レフタイプのものとほとんど変わりませんが、フィルター系が82→77mmとなって若干の小型化。インナーズームを採用しており、ズームをしても全長が変わらないため取り回しは良好です。防塵防滴性能や、かぶせ式のレンズフードの先端に逆置きなどでスレや傷から保護するラバー備わっているので、主戦場のフィールド撮影でも気兼ねなく持ち出すことができます。

Lマウント用は1.4倍と2.0倍のテレコンバーターに対応しており、最大で400mmまでカバー。近接撮影にも長けていて最短で65cm（ワイド側）。ワイド側7.5段、テレ側5.5段という強力な手ぶれ補正とリニアモーターHLAによる高速AFで、手持ち撮影も安定して行うことができます。

そのほか、スチール用ズームレンズとしては初めて絞りリングを搭載。表現に直結する絞り操作を直感的に行なうことができます（ロック機構付き）。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• このクラスのレンズとしては小型軽量で扱いやすい
• AFが機敏で安心感がある
• 解像度が高くクリアな描写。ボケ表現も良好

動作、描写ともに信頼性の高さを感じる出来栄え。絵作りはArtシリーズを彷彿させる表現力との評判も。

■ ネガティブレビュー

• ズームリングの位置が操作しづらい
• 絞りリングの位置も悪い
• かぶせ式フードがいまいち

ズームリングが先端側で、フォーカスリングを挟んで手前側に絞りリングがあるというレイアウトに違和感を感じている声がチラホラ。超望遠を彷彿とさせるかぶせ式フードにも賛否あるようです。

まとめ

贅沢仕様でプロ御用達にもなれるポテンシャルにまとめられた70-200mm F2.8 DG DN OS｜Sports。安価ではありませんが純正レンズよりもリーズナブルではあるので、望遠ズームの世界なかなか踏み出せなかった人はこれを機に。また、これでSIGMA製大三元レンズはすべて出揃ったこととなるので、広角〜望遠までのシステムをSIGMAで統一するのも一興。SIGMAが誇る高解像度の世界を作風に取り入れてみてはいかがでしょうか。