SIGMA 50mm F1.2 DG DN｜Art [ライカL用]

クラス最軽量を実現した開放値F1.2の大口径レンズ

焦点距離が固定されているぶん、ズームレンズよりも明るくて描写性能の高い単焦点レンズ。一眼レフ時代では、サイズと価格の手頃なF1.8タイプと、ボリュームはあるけれどワンランク上の写りが期待できるF1.4タイプの2ラインが基本でしたが、ミラーレス時代となってからは、スペシャルな位置付けにあったF1.2タイプをF1.4に置き換えたレンズラインナップが見られるようになり、以前よりもF1.2レンズが身近な存在となっています。

F1.2やそれ以上に明るいレンズといえば、性能重視の大ボリュームと癖のある描写で使いこなすのが困難なものでしたが、昨今の、特にF1.2レンズはハイエンド単焦点レンズとして使いやすいものとなっていて、今回紹介する50mm F1.2 DG DN｜Artは、特にその特徴が強いです。

なんといっても、AFが使えるF1.2の単焦点レンズとしては最軽量といえるボリューム感でしょう。同じArtシリーズの50mm F1.4 DG DN｜Artとほぼ同寸。長さに至っては 50mm F1.2 DG DN｜Artの方が0.7mmほど短いくらいです。重量も約740gで、従来であれば1kg程度の重量があるレンズであることを考えると破格と言って差し支えないスペックといえます。

製品	SIGMA 50mm F1.2 DG DN｜Art [ライカL用]	SIGMA 50mm F1.4 DG DN｜Art [ライカL用]
価格	新品: 217,800円 中古: 238,960円	新品: 123,750円 中古: 99,800円
焦点距離	50mm	50mm
F値	F1.2〜16.0	F1.4〜16.0
最短撮影距離	40.0cm	45.0cm
絞り羽根枚数	13枚	11枚
重量	745g	670g
発売日	2024/04/18	2023/02/23

表は左右にスクロールできます

そのために硝材を抑えているかというとそうではなく、12群17枚としっかりとした内容で、ガラスの薄型化で軽量化を実現。高屈折率硝材と非球面レンズ4枚を採用し、Artシリーズらしい描写性能もしっかり両立させています。

Artシリーズの表現力を堪能できる、新時代の大口径レンズ

AFに、推力を維持しつつ体積を大幅に削減した新方式のデュアルHLを採用。F1.2という極めて浅いピント面を素早く正確に合焦させることを実現するだけでなく、軽量化にも一役買っています。開放からしっかりピントを合わせられれば、F1.2という世界でしか実現しえない立体的な絵作りを堪能できます。

ボケ味などの表現力にも抜かりなく、SIGMAでは初となる13枚の絞り羽根を採用。絞り込んでも玉ボケを円形に保ってくれます。また、非球面レンズならではのボケの汚さも、面精度を高めることで抑制しています。

球面収差、サジタルコマフレアといった収差も抑制し、フレアやゴーストへの対策もしっかり取られた設計になっているのもポイント。極め付けはとして、防塵防滴構造、撥水防汚コートも採用。シーンを選ぶことなく、思う存分F1.2レンズが描く世界を切り取ることができます。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 作りの描写もハイクオリティ
• 玉ボケの口径食も開放からほとんど気にならない
• 収差などの邪魔なものの抑制がしっかりしている
• 安価ではないが、性能や品質を考えるとコスパがいいと思える

とにかく評価の高さが目立つレンズといったところ。F1.4版よりもワンランク上の描写性能と太鼓判を押す意見も。

■ ネガティブレビュー

• フードの形が、レンズを下向きに置きたいときに少し不便
• ボケ表現が若干硬い？

あえて挙げるなら……といった、重箱の隅をつつくような内容がほとんど。

まとめ

重さ、大きさ、描写性能、そして50mmという基本中の基本の焦点距離というところからも、50mm F1.2 DG DN｜Artは、Lマウントユーザーや、対応しているEマウントユーザーにとっての新機軸の標準単焦点レンズとなってくれることでしょう。使用頻度の高いスナップはもちろん、表現力の問われるポートレートでも大きな力を発揮してくれるはずです。ここぞの場面で頼りになる伝家の宝刀ととして、システムに組み込んでみてはいかがでしょうか。