HOMEズームレンズCanon EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
Canon EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM

Canon EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM

ご存知、Lレンズの「L」はLuxuryを意味しています。そんなLレンズラインの中で、ちょっと異質な存在とも言えるのがEF28-300mm F3.5-5.6L IS USMという高倍率ズームレンズです。高倍率ズームレンズと言えば、レンズ交換なしに広角から望遠まで撮影できる便利なズームレンズ。便利な高倍率ズームレンズにLの文字が似合う性能はあるのでしょうか。

ズームレンズ / Canon / 高倍率
新品:
207,000円〜(53)
中古:
99,800円〜(97)

「便利」と「L」という意外な組み合わせ

Canon EOS 7D / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
出典:flickr(@Alex Layzell)
Canon EOS 7D / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
出典:flickr(@Jono Haysom)
Canon EOS 7D / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
出典:flickr(@Jono Haysom)
Canon EOS 7D / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
出典:flickr(@Jono Haysom)

Lレンズは最高の光学性能と機能性を追求したまさにプロ向けレンズです。

一方で高倍率ズームレンズは、手抜きレンズと揶揄されることもありますが、レンズ交換の手間を省いて、一本で何でも撮りたいという人向けのレンズです。当然、高倍率ズームはその便利さを手にするために光学性能が犠牲になっています。

では、なぜEF28-300mm F3.5-5.6L IS USMはLレンズの名を冠しているのでしょう。

EF28-300mm F3.5-5.6L IS USMは2004年にEF35-350mm F3.5-5.6L USMの後継レンズとして発売されました。Canonは2002年前後からEF100-400mm F4.5-5.6L IS USMをはじめとして望遠ズーム、単焦点レンズを立て続けに発売しました。

2002年といえばサッカー 日韓ワールドカップが開催された年で、望遠レンズを強化したCanonの戦略も納得です。
そして、2004年といえばアテネオリンピック。EF28-300mm F3.5-5.6L IS USMはオリンピックを意識して発売されたことは明白です。屋内スポーツなどにおいて、会場全体の雰囲気を撮影できる広角域から、選手にクローズアップした写真まで撮影できるということで、レンズを装着したカメラを1台少なくすることができます。

スポーツ撮影やライブ撮影などではレンズ交換の時間はないので、広角や望遠など何本かのレンズを装着したカメラを複数用意すること求められますが、そういった現場においては広角から望遠までのズームレンズというニーズが生まれます。

プロの撮影現場でもニーズのあったEF35-350mmにさらに手ブレ補正を付加し、非球面レンズやUDレンズなどCanonの光学技術を盛り込んで、高倍率でありながらできうる限り高い光学性能を求めたレンズがEF28-300mm F3.5-5.6L IS USMです。

TAMRONの28-300mm F/3.5-6.3 Di VCやNikonのAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRなど同じ焦点距離のレンズはありますが、CanonのEF28-300mmはそれらのレンズよりも倍以上重い、約1,670gという重量があります。

このことからも、このレンズがいかにCanonの技術を詰め込んだ贅沢なレンズかということがわかるでしょう。便利さの中にもLレンズとしての贅沢が存在しているのがEF28-300mm F3.5-5.6L IS USMです。
 

時代を感じさせる部分や後継機の話題は?


EF28-300mm F3.5-5.6L IS USMは高倍率でありながら「L」の名に違わぬしっかりとした光学性能を持ち合わせたレンズとして発売されましたが、それは2004年の話。

4000万画素超の超高画素機が多い現代においては、設計の古さを感じる部分は確かにあります。高倍率ズームの宿命とも言える、周辺減光や広角端での歪曲などは他のLレンズと比べるまでもなく大きなものとなっています。

しかし、キットレンズやサードパーティ製の高倍率ズームレンズに比べれば色収差などはよく補正されており、解像力はさすがのLといった部分もあります。

気になるのが後継レンズですが、過去に何度かこのレンズの後継機については話題となっており、その根拠としてCanonの特許取得情報などもありましたが、東京オリンピックを迎えても発売されていないところを見ると後継機への期待は高くなさそうです。
 

運動会では帯に短し?


28-300mmという焦点距離は、APS-Cと組み合わせると45-480mmという焦点距離となり、この焦点距離での用途としては運動会が真っ先に浮かびます。90DなどのハイスペックAPS-Cとの組み合わせは運動会ではカメラ1台で撮影する場合のベストな選択肢とも言えます。

一方でLレンズの1.6kgという重さや、定価33万円という価格はオーバースペックともなりそうです。中古レンズをターゲットにすることで価格については抑えることができます。重さについては、三脚座があるので、一脚などで支持することがベストでしょう。

EF28-300mmはLレンズということで、高倍率でも安定してAFが機能し、APS-Cとの組み合わせは周辺減光も軽減され画質も期待できることと、価格や重さといったLレンズならではの悩みのタネとの天秤がこのレンズ選びのポイントとなりそうです。
 

作例紹介

Canon EOS 5Ds R / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
高解像カメラ、EOS 5Ds Rとの組み合わせで月はこの大きさに撮影できます
Canon EOS-1D X Mark II / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
周辺減光はテレ端でも1.5EVなので少し気になるかもしれません
Canon EOS 6D / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
Lレンズとしては開放F値は小さくないですが、望遠ズームなので十分なボケ量があります
Canon EOS 5D Mark III / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
運動会では5Dなどの高解像か、APS-Cとの組み合わせが相性よさそうです
Canon EOS 5D Mark II / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
古いレンズですが、しっかり現像すればこんなに美しく風景を切り取ることができます
 

ユーザーレビュー


■ ポジティブレビュー
  • 直進ズームは慣れると使いやすい
  • AFは高倍率でもやはり純正クオリティ
  • 動物撮影では素早くズーミングできるのでとても便利
  • 高倍率ズームとしては他社と比較して断トツの性能
  • 絞って使えば高倍率でも十分な画質
手ブレ補正やAFなど性能やビルドクォリティはさすがLレンズといったところです。

■ ネガティブレビュー
  • 絞り開放ではコントラストが低い
  • EF70-200mm F2.8Lで撮影したほうが歩留まりが良い
  • 広角撮影時のパープルフリンジがちょっと気になる
  • とにかく重いので、持ち歩くにはちょっと難儀する
  • シャッタースピードを稼ぐときは結局F2.8などの他のレンズも必要
やはり風景撮影などで描画力を求めてしまうと、Lレンズとしては物足りないものになってしまうようです。
 

まとめ


Lレンズの中では異端ともいえる便利ズームのEF28-300mm F3.5-5.6L IS USM。高画素機が増える中、一眼レフのLレンズとしては広角から望遠まで撮影できるレンズはこれが最後となるかもしれません。

キットレンズやサードパーティレンズでは味わえない、Lレンズクォリティの高倍率を味わうならこのレンズを手にしてみるのも良いでしょう。
基本仕様
対応マウントCanon EFマウント
フォーカスAF/MF
フルサイズ対応
APS-C専用-
レンズ構成16群23枚
絞り羽根枚数8枚
焦点距離

28-300mm

最短撮影距離70.0cm
最大撮影倍率0.3倍
開放F値F3.5〜38.0
画角75~8.15度
手ブレ補正機構
防塵
防滴
サイズ・重量
最大径×長さ92x184mm
重量1,670g
フィルター径77mm
発売日
発売日2004年06月15日