製品解説
スペック
これぞNikonを愛する理由の名機
Nikon愛。
他のメーカーよりも、Nikonユーザーからは「愛」を強く感じることがあります。光学機器メーカーとしてスタートし、質実剛健なカメラを発売、レンズに入った光をそのまま写真に収めた様な写実的な描写は多くのカメラマンの支持を集めています。
そうした、技術力自体もユーザーからの愛を得る1つのポイントではありますが、Nikon Z fcの様な魅力的なカメラを作ってしまうところも愛される所以となっています。
Nikon Z fcはDXフォーマット、他社で言うところのAPS-Cミラーレスで、2019年に発売されたZ 50をベースとしたカメラです。
つまるところ、機能的には斬新なところはありません。にもかかわらず、Z fcは多くのYouTuberがレビューするなど話題のカメラとなりました。
その理由は、カメラをファッションアイテムとするそのフォルムです。
もちろん、単なるファッションアイテムならば、適当なカメラのモックアップや、中古ショップでジャンク品などを首から下げておけば良いわけですが、もちろん、Z fcはそんな伊達メガネの様なものではありません。
機能美。
質実剛健なカメラを作り続けてきたNikonが発売するカメラにおいて、無駄に装飾されたカメラは存在しません。Z fcはクラシカルデザインを再現したカメラですが、それはNikonが今まで積み上げてきたカメラの歴史の中で生まれたデザインであり、現代カメラとフュージョンされても無駄のない機能美がそこにはあります。
Nikonのフィルムカメラ、FM2をデザインのベースとし、軍艦部を見るとダイヤルなどでISOやシャッタースピード、絞りなど撮影設定が全てわかる様になっています。シャッターボタンはやや重めで、現代風の単なる電子ボタンというよりもメカニカルな息吹を感じられる、シャッターを切る実感が持てる重さです。
ボディは剛性をもたせるためにFM2とは違いマグネシウム合金を使っていますが、塗装を工夫したことで、フォルムに合った光沢感を再現しています。
単に、懐古趣味的なデザインとするのではなく、実用面や最新ミラーレス技術を詰め込んだ、妥協なきNikonらしいデザインとなっています。
そんなデザインだからこそ、Z fcはNikonユーザーに愛されるカメラであり、Nikonユーザー以外にとっても物欲を刺激されるカメラとなっています。
Z50とは実用性で選択
そんな素敵なデザインのZ fcですが、実際に購入するとなるとZ50との性能差などが気になるところです。
製品 | Nikon Z fc | Nikon Z 50 |
---|---|---|
価格 | 新品:115,990円〜 中古:98,800円〜 | 新品:96,990円〜 中古:75,780円〜 |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.7mm) | APS-C(23.5×15.7mm) |
有効画素数 | 2,088万画素 | 2,088万画素 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約11.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | - |
防塵・防滴 | - | - |
撮影可能枚数 | 310枚 | 280枚 |
重量 | 390g | 395g |
発売年月 | 2021年07月 | 2019年11月 |
ベースとなる性能はほぼ同じですが、Z fcは背面にバリアングル液晶を採用し、動画撮影時にも瞳AF対応、USB給電も可能となったことで動画性能がアップしています。
この点がYoutuberのレビューが多かった一因ともいえます。
Nikonは背面液晶が常に光軸上にあるチルト液晶にこだわりがありますが、バリアングル液晶を採用したことは、Z fcは写真だけではなく、動画など幅広い撮影に対応させる意図を感じます。
その他の違いとしてはグリップの有無があります。Z fcはFM2ライクなデザインとするためにバッテリーの向きを変更し、グリップ部分の突出がなくなっています。
Z fcは軽量コンパクトで、重量バランスも良く、グリップ部分の突出が無くてもホールド感はさほど悪くありませんが、しっかりと握り込むグリップを理想とするなら、エクステンショングリップを別途購入することができます。
ホールド感や、他のZカメラとの操作の親和性ならZ 50にメリットがあります。フルミラZのサブ機として使うのであれば、操作性が異なるZ fcは違和感を覚えることもありそうです。
そういった点では、将来、フルミラを買う予定もあるけど、まずはAPS-Cからカメラをはじめたいという人はZ 50を選択した方が良いかもしれません。
一方で、フルサイズを買うほど本格的な趣味ではないという人や、フルミラは既に持っているけど、どんなときでも手元においておけるようなカメラが欲しいという人にとっては、誰かに見せたくなるような、所有欲の高まるデザインであるZ fcはとても魅力的です。
この点がYoutuberのレビューが多かった一因ともいえます。
Nikonは背面液晶が常に光軸上にあるチルト液晶にこだわりがありますが、バリアングル液晶を採用したことは、Z fcは写真だけではなく、動画など幅広い撮影に対応させる意図を感じます。
その他の違いとしてはグリップの有無があります。Z fcはFM2ライクなデザインとするためにバッテリーの向きを変更し、グリップ部分の突出がなくなっています。
Z fcは軽量コンパクトで、重量バランスも良く、グリップ部分の突出が無くてもホールド感はさほど悪くありませんが、しっかりと握り込むグリップを理想とするなら、エクステンショングリップを別途購入することができます。
ホールド感や、他のZカメラとの操作の親和性ならZ 50にメリットがあります。フルミラZのサブ機として使うのであれば、操作性が異なるZ fcは違和感を覚えることもありそうです。
そういった点では、将来、フルミラを買う予定もあるけど、まずはAPS-Cからカメラをはじめたいという人はZ 50を選択した方が良いかもしれません。
一方で、フルサイズを買うほど本格的な趣味ではないという人や、フルミラは既に持っているけど、どんなときでも手元においておけるようなカメラが欲しいという人にとっては、誰かに見せたくなるような、所有欲の高まるデザインであるZ fcはとても魅力的です。
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのフィット感が抜群!
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは2019年発売のZ50をターゲットとした、ZマウントDXフォーマットレンズです。
Z fcのキットレンズにもなっているわけですが、こちらはシルバーカラーの16-50 VR SLレンズキットとなっています。鏡筒をシルバーにしただけですが、まるでオールドレンズのような雰囲気となりZ fcと組み合わせたときのフィット感は他のレンズとは段違いです。
Z fcはフィルムカメラを彷彿とさせるクラシカルなデザインですが、中身はZ50をベースとした最新カメラ。写りもノイズリダクションが強めにかかっていたりと、デジタル補正で現代に合わせた写真となるようにチューニングされています。
そのため、オールドレンズと組み合わせると、見た目はバッチリですが、写りは必ずしもオールドレンズの味わいを活かしたものとはならないこともあります。
そもそもオールドレンズを使うためにマウントアダプターを介在させたら、見た目も100%とはいかなくなることもあります。16-50 VR SLはもちろんマウントアダプターなどは不要で、このレンズを装着したZ fcはカメラ博物館で1990年代のカメラと一緒に並んでも違和感なく見てしまいそうな外観となります。
しかも16-50 VR SLは手ブレ補正があり、最短撮影距離も短く、描画はZ50に合わせた写りの良さで、性能的にもZ fcとの相性は抜群です。Z fcのフォルムに惚れ込んで購入を決めるのなら、16-50 VR SLレンズキットがベストな選択肢となりそうです。
作例紹介
ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- 丸形のアイピースがテンションをあげてくれる
- 露出補正ダイヤルは使ってみると意外と便利
- バッテリーは1日十分で、Zとしては悪くない
- 革の張替えでオリジナリティが出せて、さらに所有欲が高まる
- グリップを追加するとホールド感は最高で、見た目もさほど崩れない
まず、このカメラを手にしたということへの好レビューが多くありました。やはり所有欲を満たす特異なカメラと言えそうです。
■ ネガティブレビュー
■ ネガティブレビュー
- 操作性や持ち安さはZ 50に分がある
- 外部端子のカバーが全部一体なので、マイクだけ外すといったことができない
- VR16-50は個人的には黒が好みで別途購入した
- ボディがレトロ調なら画質もレトロ調でも良かった気がする
- JPEGの色味は他のZととはちょっと違った印象
JPEG撮って出しの場合に他のZと色味が変わるのはある意味Nikonらしいかもしれません。統一するならRAWでの撮影が良さそうです。
まとめ
スマホカメラがどんどん高性能になっていく昨今。カメラを持ち歩く意味というのは確実に以前よりは薄くなっています。
そんな中において、Z fcは高品質な写真を撮るというだけではなく、身につけるアイテムとして違った価値も持ったカメラになっています。
撮影と関係なく、常に身につけておきたいアイテムであると同時に、シャッターを押せばNikonらしい描写が楽しめるカメラです。
レンズマウント | |
---|---|
レンズマウント | Nikon Zマウント |
撮像素子 | |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.7mm) |
有効画素数 | 2,088万画素 |
ダスト低減機能 | - |
映像エンジン | EXPEED 6 |
画像記録 | |
記録媒体 | SDカード
|
スロット数 | シングルスロット |
記録画素数 | ・撮像範囲[DX(24×16)]の場合:
|
画像ファイル | JPEG/RAW(NEF) |
動画 | |
4K対応 | ○ |
記録サイズ | 3840×2160(4K UHD):30p
|
記録形式 | MOV/MP4 |
ライブビュー | |
フォーカス | ハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF)、AF補助光付 |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/4000~30秒 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 |
露出制御 | |
測光方式/測光分割数 | 撮像素子によるTTL測光方式 |
ISO感度 | 100〜51,200 |
AF | |
測距点 | 最大209点 |
ファインダー | |
視野率 | 100% |
倍率 | 約1.02倍 |
ストロボ | |
内蔵ストロボ | - |
液晶モニター | |
サイズ | 3インチ 104万ドット |
可動式 | バリアングル液晶 |
I/F | |
インターフェース | USB Type-C、HDMIマイクロ |
無線LAN | |
Wi-Fi機能 | ○ |
ネットワーク | |
NFC | - |
Bluetooth | ○ |
防塵・防滴 | |
防塵・防滴 | - |
手ブレ | |
手ブレ補正機構 | - |
GPS | |
GPS | - |
電源 | |
撮影可能枚数(ファインダー) | 310枚 |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 360枚 |
動画撮影可能時間 | ・モニターモード[ファインダーのみ]時:約80分
|
USB充電 | ○ |
使用電池 | Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL25 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 134.5x93.5x43.5mm |
重量 | 390g |
発売日 | |
発売日 | 2021年07月23日 |
製品情報
- カテゴリ
- ミラーレス一眼
- メーカー
- Nikon
- タイプ
- ミドルモデル
- マウント
- Nikon Zマウント
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Nikon Z fc | Nikon Z 5 | Nikon Z 50 | |
価格 | 新品:115,990円〜 中古:98,800円〜 | 新品:106,170円〜 中古:91,800円〜 | 新品:96,990円〜 中古:75,780円〜 |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.7mm) | フルサイズ(35.9×23.9mm) | APS-C(23.5×15.7mm) |
有効画素数 | 2,088万画素 | 2,432万画素 | 2,088万画素 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約4.5コマ/秒 | 最高約11.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | ○ | - |
撮影可能枚数 | 310枚 | 390枚 | 280枚 |
重量 | 390g | 590g | 395g |
発売年月 | 2021年07月 | 2020年08月 | 2019年11月 |
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価格 | 新品:115,990円〜 中古:98,800円〜 | 中古:102,800円〜 | 新品:114,230円〜 中古:109,800円〜 | 新品:88,979円〜 中古:64,980円〜 | 新品:79,800円〜 中古:64,000円〜 | 新品:88,979円〜 中古:133,800円〜 | 新品:89,800円〜 中古:53,800円〜 |
センサーサイズ | APS-C(23.5×15.7mm) | マイクロフォーサーズ(17.4 mm × 13.0 mm) | フルサイズ(35.9×24.0mm) | APS-C(23.5mm×15.6mm) | マイクロフォーサーズ(17.4 mm × 13.0 mm) | APS-C(23.5mm×15.6mm) | マイクロフォーサーズ(17.4 mm × 13.0 mm) |
有効画素数 | 2,088万画素 | 2,030万画素 | 2,620万画素 | 2,610万画素 | 2,030万画素 | 2,610万画素 | 2,037万画素 |
連続撮影速度 | 最高約11.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約30.0コマ/秒 | 最高約15.0コマ/秒 | 最高約30.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | ○ | - | - | ○ | - | ○ |
撮影可能枚数 | 310枚 | 330枚 | 常温(+23℃)約250枚/低温(0℃)約240枚 | 360枚 | 360枚 | 360枚 | 310枚 |
重量 | 390g | 373g | 440g | 333g | 289g | 329g | 366g |
発売年月 | 2021年07月 | 2016年02月 | 2019年03月 | 2019年03月 | 2021年06月 | 2021年11月 | 2019年11月 |