製品解説
スペック情報
世界的に大ヒットとなった伝説の連写一眼
1.シャッター速度優先AE
自分の撮りたいシャッター速度に合わせて絞りを調整してくれるシャッター速度優先AEが搭載されたことが、AE-1にとって大きな特徴です。
当時、シャッター優先AEと絞り優先AEのどちらが優れているかという論争の中、シャッター優先AE派であったCanonはAE-1にもこの機能を取り入れました。手ぶれ防止機能などが無かった当時、シャッター速度優先AEはブレ防止などに効果的な機構として、人気を博しました。
2.マイクロコンピュータによる集中制御方式
今でこそ当たり前になったCPUが、一眼レフに初めて組み込まれたのがAE-1でした。カメラの設計を根本から見直し、CPUによる制御方式に置き換えたことで、部品数の削減に成功し、結果として機能は高いまま、低価格かつコンパクト化を実現しました。
3.連写一眼
同時発売のパワーワインダーAを取り付けることで、フィルム自動巻き上げが可能になり、シャッターを長押しすると毎秒2コマの連写ができるようになりました。発売当時、この機能からついた「連写一眼」のキャッチコピーが若者を中心に広まり、AE-1とセットでパワーワインダーAを購入する人も多かったそうです。
4.バッテリーチェックボタン
AE-1は電子制御なので電池が無くなるとシャッターが切れなくなるので、電池はとても重要な存在です。そこで、AE-1にはバッテリー残量を確認できるようにバッテリーチェックボタンが搭載されました。バッテリーチェックボタンを押すと、ファインダー内にバッテリー残量を針で示してくれます。AE-1には4LR44電池という電池を使用しますが、こちらは家電量販店やオンラインショップで今でも手に入れる事が可能な電池です。
誕生の経緯/Canon製品のラインナップにおける本製品の位置付け
Canonは、Canon AシリーズとしてAE-1を生産するにあたり大幅なユニットを構造化し、マイクロコンピュータによる集中制御方式を取り入れ、生産の自動化と部品点数の削減を行ったため、低価格だけでなく、高機能かつコンパクト化の実現に成功しました。
1976年8月に発売されたCanon AE-1は、AE一眼レフと言えば高価格帯であることが主流であった時代に低価格帯で販売されたことから、一眼レフの歴史に大きな衝撃を与えました。AE-1発売から5年後には、プログラムAEモードとファインダー内の撮影情報をデジタル表示にした、AE-1 PROGRAMが発売されました。新しくパワーワインダーA2にも対応し、AE-1と共にパワーワインダー人気の立役者となりました。そしてこの人気は、後の「Tシリーズ」にも影響を与えるものとなりました。
おすすめの対応レンズ
1.対応マウント
Canon FDマウントが対応しています。FDマウントは、レンズ側から絞り値が設定できる従来の機能に加え、ボディー側からも絞り値を設定できるようになっており、シャッター優先AEであるAE-1の為に生まれたようなマウントと言われています。
また、マニュアル露出であればFLマウントも使用可能です。
2.おすすめのレンズ
最初のレンズとしては、ボディーとセットで販売されたFD 50mm F1.4 S.S.Cがおすすめです。FD 50mm F1.4はCanon F-1発売時にセット販売されたモデルで、オールドレンズらしいふわっとした写真が撮れます。販売数が多かったので、お手頃な値段で入手可能なのも魅力の一つです。
作例紹介
中古市場の流通状況や相場
製品状態によって価格が変わりますが、オンラインショップではボディだけで1万円以下から入手可能です。状態の良いものでも1万円台で購入できます。大量生産された製品だけあって、30年前に発売されたにも関わらず流通量は多めです。数が多く出回っている機種なので、たくさん見比べて購入を検討する事ができます。
購入時に気を付ける点としては、交換できないファインダースクリーンが汚れていないか、代表的な故障の一種であるキュンというシャッター鳴きが起きていないかという所です。店舗で実機を確かめられる場合は、ぜひ確認しておきましょう。オンラインショップで購入を検討している場合は、なるべく検査済みの物を選び、届いたらすぐに確認しましょう。
まとめ
大量生産・低価格・高性能・CPU搭載と、様々なカメラ史を塗り替えた、伝説の名機AE-1。現代のカメラの元となった機構が多く、オールドカメラであるにも関わらず、一眼レフ初心者にも使いやすいカメラです。世界的に大ヒットとなり、今も人気の根強いカメラであり、大量生産されたため中古でもお手頃な値段で手に入れる事ができます。
ぜひ、歴史の分岐点を作った名機を手に、自分の世界を切り取ってみてはいかがでしょうか。
レンズマウント | |
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型式 | 電子式35mmフィルム一眼レフカメラ |
レンズマウント | Canon FD/New FDマウント |
ファインダー | |
視野率 | |
倍率 | 約0.86倍 |
ミラー | |
露出制御 | |
測光方式 | 中央部重点平均測光 |
測光範囲 | EV1〜18 |
露出モード/撮影モード | |
ISO感度 | 25〜3200 |
多重露光 | - |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/1000〜2秒 |
巻き上げ・連写速度 | |
レリーズ機能 | |
セルフタイマー | - |
AF | |
AF方式 | |
測距点 | |
電源 | |
使用電池 | 4LR44Pまたは4SR44 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 141x87x48mm |
重量 | 590g |
発売日 | |
発売日 | 1976年04月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- フィルム一眼レフ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- MF機(電子式シャッター)
- マウント
- Canon FD/New FDマウント