製品解説
スペック
RF-Sキットレンズの本命
Canonは新しいAPS-CシリーズとしてEOS R7、R10を発表しました。
このカメラと一緒に発表されたのが、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMという標準ズームと、高倍率のRF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMズームレンズです。
RF-S18-45mmは従来のAPS-Cの標準ズームよりも圧倒的にコンパクトですが、焦点域が狭めで、使い勝手が良いとは言えないレンズです。カメラ初心者がミラーレス一眼と一緒に購入するレンズとしてはRF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMが最適解となるのではないでしょうか。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMは重さ305g、手のひらサイズのズームレンズでありながら、望遠端は150mm、フルサイズ換算で240mm相当の中望遠撮影が可能なレンズです。
また、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMは近接撮影性能も高く、Center Focus Macroという機能を使って簡単なマクロ撮影を楽しむこともできます。手持ちのレンズがない、一眼カメラ初心者にとって、幅広い撮影ができるというのは非常に魅力的です。
静音性に優れたステッピングモーター駆動のAFや、ボディ協調で最大7段分の性能を発揮する手ぶれ補正は動画撮影でも大きな武器となります。
EOS R7の場合は、既に手持ちの望遠レンズを持っている人や、400mmなどの超望遠レンズ購入を視野に入れていたりする場合もあり、RF-S18-45mmと一緒に購入する選択肢も出てきそうですが、EOS R10をはじめての一眼カメラとして購入する場合はRF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMとのレンズキット購入がおすすめとなります。
製品 | Canon RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM | Canon RF-S 18-45mm F4.5-6.3 IS STM |
---|---|---|
価格 | 新品:66,785円〜 中古:57,760円〜 | 新品:44,000円〜 中古:36,800円〜 |
焦点距離 | 18-150mm(35mm換算:29-240mm) | 18-45mm(35mm判換算:29-72mm相当) |
F値 | F3.5〜22.0 | F4.5〜22.0 |
最短撮影距離 | 17.0cm | 15.0cm |
絞り羽根枚数 | 7枚 | 7枚 |
手ブレ補正 | ○ | ○ |
防塵 | - | - |
防滴 | - | - |
重量 | 310g | 130g |
発売年月 | 2022年06月 | 2022年06月 |
基本性能はEF-Mと同じか
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMのレンズ構成はEF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMとほぼ同じ様に見えます。
EF-Mは2012年から発売されているAPS-CミラーレスEOS Mのレンズマウントです。Canonはフルミラを発売する当初、このEF-Mマウントを使う計画もありました。しかし、EF-Mマウントの口径ではレンズ設計でフルミラのメリットを活かしきれない部分があったため、光学系を最適化するためにより大口径なRFマウントが登場しました。
一方で、今回発売されたRF-Sレンズは、その外観を見てわかる通り、レンズマウントから絞り込まれた形をしています。つまり、マウントはRFでも、集める光の面積的には小口径なEF-Mと同じ面積ということになります。
様々なRFレンズの開発に多くのリソースが割かれている現状で、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMと同じ光学系となっているのは合理的な理由と言えます。
ただ、完全に同じレンズというわけではなく、最短撮影距離や最大倍率などはRF-Sが優れていて、より近接撮影で使えるレンズとなっています。RFマウントとEF-Mマウントでは、口径の他にフランジバックも異なっており、レンズ構成はほぼ同じでも、各レンズの倍率などが異なっている可能性があります。
製品 | Canon RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM | Canon EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM |
---|---|---|
価格 | 新品:66,785円〜 中古:57,760円〜 | 新品:11,487円〜 中古:44,240円〜 |
焦点距離 | 18-150mm(35mm換算:29-240mm) | 18-150mm(35mm判換算:29-240mm相当) |
F値 | F3.5〜22.0 | F3.5〜40.0 |
最短撮影距離 | 17.0cm | 25.0cm |
絞り羽根枚数 | 7枚 | 7枚 |
手ブレ補正 | ○ | ○ |
防塵 | - | - |
防滴 | - | - |
重量 | 310g | 300g |
発売年月 | 2022年06月 | 2016年11月 |
レンズフードは社外もあり
Canonのエントリー向けレンズでよくある問題が、レンズフードが別売りということです。RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMもレンズフードは別売りとなっています。
ただ、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMはEF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMとレンズ径が同じで、同じレンズフードを使うことができます。EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMのレンズフードは社外製も多くあり、純正品よりお手頃な価格で入手することが可能です。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMは逆光性能は低くないので、広角端でもレンズフードはなしで撮影してもほぼ問題ない画質となりますが、前玉保護や、見た目などからEF-Mと共用のレンズフードを別途購入しても良いでしょう。
ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- 開放FはF3.5からとキットレンズとしては十分な性能
- EF-Sとは違いクロップされるがフルミラで使えるのは嬉しい
- EF-Mも使い勝手良かったので、このレンズにも期待
- コントロールリングあるので、ボディ連携でいろいろ操作できそうで楽しみ
- STMでもAFスピードは十分
キットレンズとして満足できる性能で、はじめての1本としても安心して使えます。
■ ネガティブレビュー
■ ネガティブレビュー
- 従来のキットレンズから大きな変化は感じられない
- フォーカスとコントロールリングの切り替えスイッチが欲しかった
- 防塵防滴等はないので使用環境には注意
- レンズマウントは樹脂製で不安
- 10倍ズームにしてくれれば更に使い勝手はよかった
やはり望遠撮影を主とするなら、より長い焦点距離のレンズは必要となってきます。
まとめ
フルミラのEOS RシリーズやRFレンズが次々と発売され、そろそろフルミラのラインナップが出揃いつつある中、次に発表されたのがRF-Sシリーズです。EOS RシリーズやRFレンズは高価でプロやハイアマ向けの撮影機材というイメージもありましたが、APS-C EOS RシリーズとRF-Sレンズの登場でぐっと身近なものとなりました。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMは従来のキットレンズ同様に、初心者ライクな手頃でコンパクト、さらにユーティリティ性も高いレンズです。
このレンズとEOS R10との組み合わせで、カメラ初心者でもCanonミラーレスの撮影する楽しさを体感することが可能です。
基本仕様 | |
---|---|
対応マウント | Canon RFマウント |
フォーカス | AF/MF |
フルサイズ対応 | - |
APS-C専用 | ○ |
レンズ構成 | 13群17枚 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
焦点距離 | 18-150mm(35mm換算:29-240mm) |
最短撮影距離 | 17.0cm |
最大撮影倍率 | 0.59倍 |
開放F値 | F3.5〜22.0 |
画角 | 74.2~10.25度 |
手ブレ補正機構 | ○ |
防塵 | - |
防滴 | - |
サイズ・重量 | |
最大径×長さ | 69x84.5mm |
重量 | 310g |
フィルター径 | 55mm |
発売日 | |
発売日 | 2022年06月23日 |
製品情報
- カテゴリ
- ズームレンズ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- 高倍率
- マウント
- Canon RFマウント
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