HOMEズームレンズCanon EF70-200mm F4L IS II USM
Canon EF70-200mm F4L IS II USM

Canon EF70-200mm F4L IS II USM

ミラーレス用の新マウントレンズは、今までにない大きさや明るさなどで注目を集めています。一方でレフ機用のレンズは、ここ10年程は革新的なレンズは発表されていません。2018年6月に12年ぶりにリニューアルされたEF70-200mm F4L IS II USMもマイナーアップデートなのでしょうか。その隠された進化を作例を交えながら解説します。

ズームレンズ / Canon / 望遠
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84,000円〜(41)

デジタル時代にあわせて進化した70-200F4


デジタル一眼レフ機のレンズマウントはその多くがフィルムカメラと共通のため、長年開発が続けられてきた歴史があり、レンズ設計自体は既に煮詰まっているといえます。レンズそのものについて、新素材や新たな加工方法が発明、発見されなければ屈折率は変わらないのでレンズ設計に大きな変更が加えられることはありません。

そのため、CanonのレンズもI型からII型へリニューアルする場合も、新たな電子制御が加えられることがあってもレンズ構成は似たようなものになる場合が多くなっています。

2006年発売のEF70-200mm F4L IS USMから12年ぶりにリニューアルされたII型も基本的なレンズ構成は変わっていません。描画力についてはI型の評判も良かったことから、その描画を継承しています。この点については好感の声も多くなっています。

レンズ関係の進化としては、フッ素コーティングで前玉に汚れがつきにくくなった他、SSCというコーティングで逆光時のフレアやゴーストを低減させています。レンズ素材自体は変わっていませんが、表面に新しいコーティングを施すことでユーティリティ性を向上させています。

また、レンズ構成は変わっていないものの、形状や配置を微調整することでクローズアップ撮影能力も向上していて、より使いやすいレンズとなっています。既にレンズラインアップが出揃っているレフ機では、今まで撮れなかった画が撮れるようになるといった革新的なレンズが作られるということは少なくなりますが、現状のレンズをよりストレスなく使えるようにする進化がすすんでいます。

撮影ストレスを軽減させるという点からは、手ブレ補正が5段分にアップした上、流し撮りなどに対応した3つのモードが使えるようになりました。手持ちでの撮影が多くなるEF70-200mm F4Lでは手ブレ補正はかなり重要な機能といえます。

I型も軽量で扱いやすいレンズでしたが、EF70-200mm F4L IS II USMはより万人向けのレンズになっています。

Canon EOS 6D / EF70-200mm F4L IS USM x1.4x
出典:flickr(@Junpei Abe)
旧型のEF70-200mm F4L IS USMで撮影

Canon EOS 60D / EF70-200mm F4L IS II USM
旧型のEF70-200mm F4L IS II USMで撮影

Canon EOS 80D / EF70-200mm F4L IS II USM



流し撮りモードは重宝


前述の通り、EF70-200mm F4L IS II USMには手ブレ補正に3つのモードがあります。通常の手ブレ補正ISモード1、で流し撮りをしやすくするISモード2、露光中のみ手ブレ補正を行うISモード3があります。

スポーツや自動車、列車などを撮影するときに背景を流すことで躍動感をもたらす流し撮りでは、この手ブレ補正がポイントとなることがあります。流し撮りでは意図的にカメラを動かして撮影するので、手ブレ補正が介入すると思い通りの写真にならないことがあり、通常は手ブレ補正をオフにして撮影します。

しかし、流し撮り用の手ブレ補正モードでは、大きくカメラを動かした方向のブレには手ブレ補正を介入させないことができます。そのため、スポーツ撮影でも使われるEF70-200mm F4Lでは非常に重宝するモードになります。さらにモード3では手ブレ補正介入のタイミングを露光時に限定することで、ファインダーを見やすくすることができます。

AF追従で動く被写体を追っているときに手ブレ補正が効いてしまうと、ファインダーの見え方に違和感がある場合があります。そういった場合にはモード3にすることで、ファインダーを見えやすくして被写体を追いやすくすることができます。

モード3も流し撮りに対応しているので、モード2とどちらを使うかはユーザーの好みになります。


白レンズにAPS-C?


Canon最高峰レンズのLレンズはEOS 1Dxや5Dなどのプロ機と組み合わせなくてはならないという固定概念がどうしてもできてしまいがちです。そのため、APS-C機やEOS 6Dなどを持っていても手が出しにくいというイメージもあります。

特にEF70-200mm F2.8Lの様ないわゆる大三元レンズは装着するカメラもプロ機じゃないといけないような気もします。もちろん、Lレンズの描画力やAF性能をフルに発揮するならプロ機、プロ機の性能をフルに発揮するならLレンズが必要です。

しかし、EF70-200mm F4L IS II USMは他のLレンズとは違い軽量コンパクトという特徴があります。この特徴を活かすならAPS-C機やEOS 6Dという選択肢も見えてきます。

EOS 6D Mark IIはフルサイズレフ機最軽量で流し撮りモードにも対応、EOD 90Dは最後のAPS-Cレフ機とも言われるほどの性能です。EF70-200mm F4L IS IIとこれらのカメラを組み合わせることで、Lレンズの中でも大きく重い白レンズをより手軽に持ち歩くことができます。特に90Dの様なAPS-C機の場合は、フルサイズ換算でテレ端320mm相当の画角となります。

実際に、流し撮りモードが活躍するモータースポーツの撮影ではそこまでコースに近づけないので200mmでは少し足りないこともありますが、APS-C機であれば、それなりの大きさでサーキットを走るマシンを撮影できます。

Canon EOS 80D / EF70-200mm F4L IS II USM
APS-Cと組み合わせれば、警戒心の強い野鳥もかなり引き寄せて撮影できます


作例紹介


Canon EOS 80D / EF70-200mm F4L IS II USM
新しいレンズコーティングでフレアやゴーストはかなり抑えられています

Canon EOS 80D / EF70-200mm F4L IS II USM
I型よりも接写に強く

Canon EOS 80D / EF70-200mm F4L IS II USM
望遠撮影だけでなく、ちょっとした風景も撮影できるのはズームレンズの魅力です

Canon EOS 80D / EF70-200mm F4L IS II USM
気になる色収差などはなく、花の輪郭も綺麗に描画されています

Canon EOS 80D / EF70-200mm F4L IS II USM
F16まで絞っても小絞りボケなどはなく、シャープな描画をキープしています


ネット上のユーザーレビュー


■ポジティブレビュー

  • I型から逆行耐性はかなりアップ
  • ISの動作音が小さくなったので、静かな場所でも使いやすい
  • 流し撮りの手ブレ補正がけっこう使える
  • 望遠でも小型なので、カメラを三脚固定したままレンズ交換できる
  • EOS RPとはバランスが良く使いやすい

コンパクトなので、APS-Cだけではなくフルミラで使う人も意外と多い印象を受けました。

■ネガティブレビュー

  • 撮影自体にはあまりI型から進化が感じられない
  • フードに窓がないのでPLフィルターなどは使いにくい
  • 思い切ってLレンズを買ったものの使用機会が少ない
  • 他のレンズに比べれば軽いものの、やっぱり重くて三脚固定は必要
  • EOS Rとの組み合わせで、たまにシャッターが切れないときがある

最新白レンズという大きな期待感を持って見ると、小さな粗が目立ってしまうこともあるようです。


まとめ


フィルムカメラからデジタルカメラになったことで、プロカメラマンだけでなく、多くの人が一眼レフで写真を撮るようになりました。そのため、組み合わせるレンズには扱いやすさがより求められるようになりました。

EF70-200mm F4L IS II USMは一見するとマイナーアップデートの様に見えますが、手ブレ補正はかなり強化されていて、逆光にもかなり強くなっています。

さらに、70-200F4のコンパクトさを生かすことで、フルサイズプロ機だけでなく、入門機、APS-C、ミラーレスなど組み合わせて、万人が使いやすい望遠ズームレンズになっています。
基本仕様
対応マウントCanon EFマウント
フォーカスAF/MF
フルサイズ対応
APS-C専用-
レンズ構成15群20枚
絞り羽根枚数9枚
焦点距離

最短撮影距離100.0cm
最大撮影倍率0.27倍
開放F値F4.0〜32.0
画角34~12度
手ブレ補正機構
防塵
防滴
サイズ・重量
最大径×長さ80x176mm
重量780g
フィルター径72mm
発売日
発売日2018年06月28日