製品解説
スペック情報
Canonフルサイズ一眼で唯一無二のマクロレンズの選択肢
EF100mm F2.8Lマクロ IS USMはCanon純正マクロレンズの定番ですが、実のところは他にほとんど選択肢がないという実情もあります。
CanonにはAPS-C一眼レフ向けマクロの「①EF-S35mm F2.8マクロ IS STM」やミラーレスAPS-C向けの「②EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」などもありますが、フルサイズ一眼用のマクロとなるとEF100mm F2.8Lの他には「③EF100mm F2.8 マクロ USM」、「④EF180mm F3.8L マクロ USM、MP-E65mm F2.8 1-5×マクロフォト」の4択となります。
しかし、③EF100mm F2.8 マクロ USMは手ブレ補正がなく、④EF180mm F3.8Lは超望遠マクロ、MP-E65mmは最大5倍の拡大倍率撮影とちょっと特殊用途のマクロレンズになっています。つまるところ、通常のマクロ撮影をCanonフルサイズ一眼レフで手軽に行うのであれば、EF100mm F2.8L以外には選択肢がなくなってくるのです。
ただし、EF100mm F2.8Lマクロ IS USMは唯一の選択肢だからといって、妥協や等閑のあるレンズではありません。Lレンズの証である、鏡筒に装飾された赤のリングは決して飾りではありません。
マクロ撮影は、本格的に三脚固定して時間をかけて撮影することもありますが、フィールドワークの中で手持ちで撮影することもありますが、EF100mm F2.8LはハイブリッドIS搭載で最大4段の強力な手ブレ補正があります。
等倍撮影をする場合は2段分まで手ブレ補正が落ちるという点は注意が必要ですが、屋外の十分な明かりがあれば手持ちでも問題なく撮影できます。また、手持ち撮影では手ブレ補正があってもシャッタースピードを稼いで少しでもブレの影響を減らしたいところですが、開放F2.8なら十分な明るさとなります。さらに、開放絞りで撮影するとなると、被写界深度が浅くなりがちなマクロ撮影ではピント精度も気になるところですが、USMによるAFは十分な精度があります。加えて、被写体が多少動いても、AF任せにできる十分なAFスピードもあります。もちろん、ピント面ではシャープな描画で、背景にはキレイなボケも広がります。
Tamron「タムキュー」やSIGMA「カミソリマクロ」などの社外製との比較は?
Canonの純正レンズとしてはEF100mm F2.8Lマクロ IS USMが唯一とも言える選択肢となりますが、社外レンズに目を向けるとTamronの「タムキュー」やSIGMAの「カミソリマクロ」と呼ばれる名玉があります。
タムキューはSP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1というTAMRONのマクロレンズで、TAMRONならではの柔らかなボケ味が特徴のマクロレンズです。
カミソリマクロはArt 70mm F2.8 DG MACROというSIGMAのレンズで、カミソリの様なシャープな描画が特徴のマクロレンズです。
社外レンズではありますが、価格的にはEF100mm F2.8Lマクロと大きな差はなく、その性能でどのレンズを購入するか選ぶ必要があります。とは言っても、Canonが誇るLレンズに、社外レンズとは言えあだ名が付けられる程の高評価レンズ。その描画力に大きな差はありません。
しいて言えば、EF100mm F2.8LはCanonらしい鮮やかな描写なので、ブツ撮りなどで鮮やかさを演出するなら純正、ボケ味を楽しむならTAMRON、小さな世界をシャープに描くならSIGMAといった選択ができます。
その他の差としては、SIGMAのマクロが70mmで最短撮影距離が5cm程短いという点です。最短撮影距離が短いと、それだけ被写体に寄れるというメリットがありますが、被写体に近づかなくてはならないということは昆虫撮影などではデメリットになることもあります。
3本とも最大撮影倍率は等倍なので被写体をどれくらい大きく撮影できるかという点では同じですが、その場合の被写体との距離が違うので、その点は考慮する必要があります。
作例紹介
愛用者のコメント
ストーリー:「心から撮りたい瞬間を。 自分の“目線” と “感覚”で、ひたむきに写真に向き合っていく」にてEF100mm F2.8Lマクロ IS USMの魅力について語っていただいたhiroshiさんのコメントをご紹介します。
--
花を撮るにはマクロ!
となりますが単焦点なので風景や街並みを切り取る時にも素晴らしい描写をしてくれます。ボケを活かしてイルミネーションも撮りますし、人物も。
僕としてはオールマイティなレンズです。
何を撮るか決めずに出掛ける時はこれさえあればと頼りにしてます。
--
--
ネット上のユーザーレビュー
■ポジティブ
- AFリミッターがあって使いやすい
- 解像力だけで言えばタムキューをはるかに凌ぐ
- ハイブリッドISの効きは良く、手持ちマクロ撮影でも問題なし
- Lレンズとしては大きくなく、持ち運びも悪くない
- Canonらしい発色でポートレートのパーツ撮りなどにも応用できる
Lレンズということで使い勝手は文句なしといった感じです。特にハイブリッドISに対する高評価が目立ちました。
■ネガティブ
- 色収差がひどくボケ味もいまいち
- 遠景は絞っても甘い描画で風景には使えない
- AFスイッチの位置によってはAFがかなり遅くなる
- ポートレートならEF135F2の方が優秀
- レンズフードが大きく、取り付け精度もいまいちで不満
マクロ以外の用途では他の単焦点Lレンズほどの描画は得られないという様な評価が目立ちます。
まとめ
Canon定番のマクロレンズEF100mm F2.8Lマクロ IS USMは、単焦点Lレンズの中でもトップクラスの人気レンズです。
Lレンズとしては、比較的手が出しやすい価格であり、100mmというフルサイズ一眼ではマクロ以外にもポートレートなど使いやすいということがメリットとなっています。また、マクロ撮影ではCanonらしい鮮やかな描写で、マクロ以外でも単焦点らしいシャープな描画を楽しめます。
ただし、マクロ撮影が前提のレンズなので、マクロ以外の撮影では他の単焦点Lレンズレベルとまでいかない様ですが、マクロ撮影前提で持ち歩き、ついでに風景という撮影であれば、レンズもそこまで大きくないのでとても便利なレンズです。
基本仕様 | |
---|---|
対応マウント | Canon EFマウント |
フォーカス | AF/MF |
フルサイズ対応 | - |
APS-C専用 | - |
レンズ構成 | 12群15枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
焦点距離 | |
最短撮影距離 | 30.0cm |
最大撮影倍率 | 1.0倍 |
開放F値 | F2.8〜32.0 |
画角 | 24度 |
手ブレ補正機構 | ○ |
防塵 | ○ |
防滴 | ○ |
サイズ・重量 | |
最大径×長さ | 77.7x123mm |
重量 | 625g |
フィルター径 | 67mm |
発売日 | |
発売日 | 2009年10月01日 |
製品情報
- カテゴリ
- 単焦点レンズ
- メーカー
- Canon
- タイプ
- マクロ
- マウント
- Canon EFマウント