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Nikon S3

Nikon S3

Nikon Sマウント
1958/03/01発売

ニコンを代表するレンジファインダーカメラNikon SPとほぼ同じ機構を持つNikon S3。複雑なファインダー機構を省き、誰にでも使いやすい、実用的なレンジファインダーカメラとして1958年に発売されました。今回は、Nikon S3の特徴やSPとの違い、中古価格などをご紹介します。

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名作SPを手に入りやすい実用機にしたS3

Nikon S3の外観
Nikon S3の外観出典: instagram(@masawestdigital)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)

1.普及機としてのレンジファインダーカメラ

Nikon製レンジファインダーカメラと言うとNikon SPが有名なのですが、このモデルは高性能なため価格も非常に高くなってしまい、購入できる人が限られてしまいました。

そこで、Nikonはもっと多くの方にレンジファインダーカメラを楽しんでほしいという思いから、SPの高い機能を持った手ごろな価格のレンジファインダーカメラ「Nikon S3」を開発しました。

ファインダーを簡略化することで、価格を抑えるだけでなく操作が簡単になるなど、SPよりも実用的なレンジファインダーカメラとなりました。世間的には、S3はSPの廉価版のようなポジションにはなっていますが、開発はSPと同時に進められていたようです。

2.SPとの違い

SPとの最大の違いはファインダーです。SPにはライカ中のライカと言われたLeica M3よりも多くの画角に対応したユニバーサルファインダーが搭載されています。

ユニバーサルファインダーとは、広角から望遠まであらゆるタイプのレンズに対応したファインダーのことです。とても便利ではありましたが、その分価格も高くなっていました。

そこで、S3では3種類のブライトフレームが常にファインダー内に浮かんで見えるようにしたアルバダ式ブライトフレームを採用しました。ブライトフレームというのは、ファインダー内に浮かぶ撮影範囲を表す枠のことで、S3では35mm、50mm、105mmのレンズのフレームが表示されるようになっています。

この簡略化したファインダーを採用することで、複雑なファインダーの切り替えや自動補正機構などが省略できたため、カメラの価格を抑えることに成功しました。

また、ファインダーの構成がシンプルになった分、SPよりもファインダーがクリアで明るくなっています。

製品
価格
マウントNikon SマウントNikon Sマウント
露出モード/撮影モードマニュアルマニュアル
シャッター速度1/1000〜1秒1/1000〜1秒
発売日1958/03/011957/01/01

3.中古市場

オンラインショップでは、大体100,000円前後の価格帯で販売されています。レンズもセットで販売されていることも多く、その場合でも大体150,000円前後で販売されています。ボディの状態によって価格が変わるので、いくつか見比べてみると良いかと思います。

堅牢なカメラを造ることで有名なNikonですが、S3も60年以上前に発売されたとは思えないほどに壊れないと言われています。ですが、カメラ初心者の場合は、ネットオークションよりも中古カメラ取扱店でオーバーホール済みや動作確認済みと記載された個体を選ぶことをおすすめします。

また、S3にはオリンピックモデルと2000年復刻モデルも存在します。これらのモデルは、コレクターによって保管されていたものが多いので状態が良いことが多いのですが、中古価格は非常に高く200,000円以上の個体がほとんどです。

2000年復刻モデルについて

S3は生産終了後に、再生産と復刻が行われました。再生産は1964年東京オリンピックの時に、報道カメラマンからの要望により行われました。そして、復刻は2000年に当時の図面をもとに、Nikonの生産子会社の技術者の手によって2000年復刻モデルが発売されました。

飾るためのカメラではなく、実際に使って古くて新しい、写真撮影の楽しさを堪能してほしいという思いで復刻されたカメラです。なので、ほぼオリジナルと同じ仕様ではありますが、フィルム枚数の表示やフィルム感度など一部の仕様は、現代のカメラに合わせ使いやすくなっています。2000年復刻モデルは2000年にシルバーカラー、2002年にブラックカラーが発売されました。

作例紹介

Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)
Nikon S3
Nikon S3出典: instagram(@masawestfilm)

ユーザーレビュー

露出計が内蔵されていないので、慣れるまでは露出計や露出計内蔵のデジカメなどを一緒に持って行って測りながら撮影したという方が多かったです。慣れてきて勘で撮れるようになると撮影がより一層楽しくなるようです。

また、SPの方はファインダーが凝りすぎていて使いづらかったが、S3は使いやすいという意見もありました。

まとめ

普及機レンジファインダーとして誕生したNikon S3。S3の前年に発売されたNikon SPと比べて価格が低く、実用的なレンジファインダーカメラです。SPとほぼ同じ機構を持ちますが、ファインダー機構が簡略化され価格が抑えられています。また、ファインダーがシンプルになったことで、操作が簡単になり、ファインダーも明るくなるなどのメリットもありました。

中古市場では100,000円前後で入手可能です。また、2000年には復刻版モデルも販売されました。ぜひ、Nikon S3でレンジファインダーカメラの面白さを体験してみてはいかがでしょうか。

製品情報

カテゴリフィルム
メーカーNikon
タイプレンジファインダーカメラ
マウントNikon Sマウント