Nikon D850

Nikon D850

発売から圧倒的な人気で、当初は品薄状態にまでなったD850。発売時の価格は40万円という金額ながらも、「安い!」という声で溢れていました。40万円を安いと言わしめるD850の性能は、どのようなものなのでしょうか。NikonのハイアマチュアモデルであるD750やCanon EOS 5D Mark IVなどとの比較も含めて解説します。

デジタル一眼レフカメラ / Nikon / ハイアマチュア
新品:
266,343円〜(125)
中古:
201,000円〜(95)

もう一つのプロ機


NikonにはD1桁機というフラッグシップ機があるので、D3桁機となるD850はどちらかというと、プロのサブ機やハイアマチュア機という位置付けで見られがちです。しかしD850の性能を知れば、堂々のプロ機であるということがご理解いただけるでしょう。

Nikon D850
出典:flickr(@Giancarlo Foto4U)
D5の半分とは言っても、毎秒7コマあれば瞬間を切り取る能力は十分

Nikon最高画素数となる4575万画素を、D5と同じ画像処理エンジンEXPEED5で描き出しているので、画質は申し分ないものとなっています。

高画素機となるとイメージセンサー上に配置される受光素子の数が多くなるため、受光素子が小さくなり、1つ1つに当たる光量が減ります。そのため階調性が乏しくなりがちなのですが、裏面照射型CMOSセンサーを採用し、配線層を受光素子の後ろに持ってくることで光量を確保、高画素機でも階調豊かな描画を可能としました。画素数でいえば完全にD5を凌駕しています。

Nikon D850
パンフォーカスの風景写真で高解像度の本領発揮

Nikon D850
出典:flickr(@Redaction 01net.com)

Nikon D850 / TAMRON SP AF 150-600mm F5-6.3 VC USD A011N
出典:flickr(@Glenn Beltz)

Nikon一眼レフ/ミラーレス一眼相関図(2020年1月時点)※マッピングはCanon製品との対比で作成(運営者主観になりますので、参考程度にご覧ください)



気になるデータ量やバッテリー


高画素機で気になる点といえば、データ量ではないでしょうか。

RAWで撮影すると1枚100MB弱になるので、月1万シャッターを切るとしたら、1ヶ月で1TBものデータになります。しかし、XQDカードを使うことで読み出しもストレスなく行うことができ、またXQDカードと同時にSDカードも入れることもできるので、SDをバックアップや予備として使うことが可能です。

XQDの2枚差しが可能なD5と比較すると見劣りしますが、バックアップスロットもあるので、プロ機としての要件は満たしているといえますね。Nikonの高画素機といえば、話題のフルサイズミラーレスカメラZ7も、D850と同等の画素数となっています。

似たようなスペックですが、Z7にはイメージセンサー内に像面位相差AFセンサーが組み込まれているので、D850と同じCMOSではありません。しかし画質的にはほぼ同等。Z7の画像処理エンジンが最新のEXPEED 6ということもあり、Z7を使うプロカメラマンも増えています。ただしZ7にはカードスロットが1つしかなく、バックアップがとれないという不安要素がプロカメラマンの不満点となっています。
 
D850の撮影可能枚数は1800枚強。大型バッテリーを使用しているD5の半分にはなりますが、Nikonユーザーにはお馴染みのバッテリーEN-EL15を採用しており、バッテリーグリップを装着すればD5と同等の枚数が撮影可能になるので、これはさしたる問題ではないでしょう。EN-EL15といえばD800から使われていて、最近ではZシリーズにも採用されています。長年のNikonユーザーならば2~3個は既に持っているお馴染みのバッテリーなので、予備バッテリーには困らないことでしょう。

Nikon D850
F1.4というかなり浅い被写界深度でもピントの不安は感じさせない

D850と同じEN-EL15を採用しているZ7ですが、こちらはミラーレスの弱点というべきか、撮影可能枚数は330枚とかなり少なく、予備バッテリーは必須といえます。
 
撮影可能枚数といえばD5がCanon EOS-1D X MarkIIを大きく上回っていて話題となりましたが、D850もEOS 5D Mark IVを大きく引き離しています。Nikonの節電技術がどこにあるのかは不明で、気になる点ではありますが、バッテリー交換の頻度が減るということは大きなメリットになりますね。
 
こうしてスペックを見ていくと、D5とD850はかなり性格が違うカメラではありますが、共にプロ機として十分な性能を持ったカメラであるということが言えます。Z7は性能面でD850にかなり迫るカメラであるといえますが、撮影可能枚数やカードスロットなどの点で、純然たるプロ機とはいえません。Nikonにとって初めてのフルサイズミラーレスカメラであるZ7と比較すると、レフ機を作り続けてきた中で生まれたD850のカメラとしての完成度の高さがうかがえます。


大きく改善されたミラーショック


D800系はNikonの高画素一眼レフ機としてラインナップされていますが、初代D800は高画素機であるが故に微妙なブレが目立ち、解像感が悪いというデメリットが。特にシャッターボタンを押した時に動くミラーの衝撃でブレてしまう”ミラーショック”が問題とされていました。

その後D810、D850と進化する中で画素数は4575万画素まで増えましたが、ミラーショックはかなり改善され、追い込んだ風景撮影でもなければミラーアップ撮影も不要といえます。
 
とはいえ、D850にも細かいブレが目立ちやすいという特性はあります。完全にブレを抑えたいときにはミラーアップ撮影もできますが、D850は電子シャッターを使うことができるため、ライブビューで電子シャッターを使えばミラーが上がったままで機械ブレが起こりません。

D850
出典:flickr(@Tambako The Jaguar)
風景写真ではカメラブレが気になるところ

カメラ全体の完成度としてはD850に一歩譲る形となっているZ7ですが、Z7には当然ミラーショックがないので、この点についてはZ7にメリットが生まれてきます。カメラを持って長い距離を歩き、かつ風景写真を撮影するという場合は、本体重量が軽くミラーショックもないZ7を選ぶという選択肢も出てきそうです。


D750との比較


D850の1つ下位のラインナップにD750があります。

D750は15万円以下で買えるためフルサイズ機としてお得感がありますが、D850と比較するとどうなのでしょうか。D850よりも前に発売されたということもありますが、D750は全てのスペックにおいてD850より一回りスケールダウンしているという印象で、画素数、CMOS、画像処理エンジン、AFなどに一段階差があります。

また、外観でもD850のボタン配置の方が操作性の良さを感じますが、多少の操作性の悪ささえ我慢すれば、D750もバランスの良い一台ということがいえます。
 
D850は本体の価格だけでなく、XQDカードや外部ストロボなど、本体以外にも予算が必要です。コストパフォーマンスが高いとも言われるD850ですが、それはあくまでプロ機としてのパフォーマンスと価格のバランスでの話。性能と操作性が重要なプロならD850一択ですが、D750とは20万円以上の価格差があるため、アマチュアがどちらにするかは懐事情と要相談といえます。
 
 

D850と使いたいレンズ


高画素機であるD850は、風景写真やポートレートが主な用途というユーザーが多いため、やはり組み合わせたいのはいわゆる大三元レンズ。開放F2.8付近で被写体のみを切り取れば、印象的なポートレートを撮影できます。

気を付けたいのがピントのズレですが、D850のAF精度ならかなりの信頼がおけます。さらにD850にはピーキング機能があるので、MFでピントを追い込んで撮影することも可能。70-200mmの場合、F2.8ではピントがかなり浅くなりますが、AF精度と高倍率の光学ファインダーでしっかりととらえることができます。

Nikon D850 / TAMRON SP 70-200mm F2.8 Di VC USD A009N
開放F2.8で撮影


ネット上のレビュー


ポジティブレビュー

  • チルト液晶が予想以上に便利
  • D810から遥かに進化していた
  • 人生最後の一眼レフにしてもいい程の完成度。まさに一眼レフの完成形
  • ダイナミックレンジがD800、D810から格段に広くなった
  • 元々ホールド感には定評のあるNikonレフ機だが、D850はグリップが深くなり一段と良くなった

D850以前、プロが使うような機種にチルト液晶やバリアングル液晶が搭載されたものはほとんどなかったためか、意外と高評価が多かったのがチルト液晶でした。もちろん、その他の機能も軒並み高評価となっています。

ネガティブレビュー

  • Made in Japanではなかった
  • XQDが必要になるが、XQDが結構高い
  • デザインが変わってあまり好みではなくなった
  • 内蔵フラッシュがなくなったことがけっこう不便
  • 電子シャッターにローリングシャッターが見られる
  • バッテリーの持ちがちょっと悪い

一眼レフ機の完成形とまで言われるD850ですが、まだまだ改善できる点もあるということでしょうか。一眼レフを使い慣れたユーザーが手にしているので、かなり細部まで評価されています。


まとめ


プロ機とされるD5がスポーツ撮影や報道など、屋外で高速連写を活かす撮影に向いているカメラといえる一方で、D850は高画素機で風景写真やポートレートに適しています。

画像処理エンジンはD5と同じ。バッテリーグリップを装着すればボタン配置もD5と同じ様な配置となり、D850はまさにNikonのもう一つのプロ機といえますね。そのほかにもチルト液晶やピーキングなど、欲しかった機能は一通り網羅しており、まさに一眼レフの最終形ともいえるカメラとなっています。
レンズマウント
レンズマウントNikon Fマウント
撮像素子
センサーサイズフルサイズ(35.9×23.9mm)
有効画素数4,575万画素
ダスト低減機能
映像エンジンEXPEED 5
画像記録
記録媒体

XQDカード
SDカード
SDHCカード
SDXCカード

スロット数

ダブルスロット
XQDカード/SDカード

記録画素数

・撮像範囲[FX(36×24)]の場合:
8256×5504ピクセル(サイズL:4544万画素)
6192×4128ピクセル(サイズM:2556万画素)
4128×2752ピクセル(サイズS:1136万画素)

画像ファイル

JPEG/RAW/TIFF

動画
4K対応
記録サイズ

3840×2160(4K UHD):30p
1920×1080:60p
1280×720:60p
1920×1080 スロー:30p

記録形式

MOV/MP4

ライブビュー
フォーカスTTL位相差検出方式
シャッター
シャッター速度1/8000~30秒
連続撮影速度最高約7.0コマ/秒
露出制御
測光方式/測光分割数TTL開放測光方式
ISO感度64〜25,600
AF
測距点最大153点
ファインダー
視野率100%
倍率約0.75倍
ストロボ
内蔵ストロボ-
液晶モニター
サイズ3.2インチ 236万ドット
可動式チルト式液晶
I/F
インターフェース

microUSB3.0、miniHDMI

無線LAN
Wi-Fi機能
ネットワーク
NFC-
Bluetooth
防塵・防滴
防塵・防滴
手ブレ
手ブレ補正機構-
GPS
GPS-
電源
撮影可能枚数(ファインダー)

1840コマ

撮影可能枚数(ライブビュー)

動画撮影可能時間

USB充電-
使用電池Li-ionリチャージャブルバッテリー: EN-EL15aまたはEN-EL15b
サイズ・重量
サイズ146×124×78.5mm
重量915g
発売日
発売日2017年09月08日