Nikon Z 7II

Nikon Z 7II

最新機能をてんこ盛りにしたCanon R5が発売されたことでSONYとの対決構図に注目が集まるフルミラ市場。Canonと並ぶ一眼レフ2大メーカーの1つであるNikonも黙って見ているわけではありません。Nikonも自社の一眼レフシェアをそのままフルミラへと移行させるための新機種Z 7IIを2020年12月に発売しました。

ミラーレス一眼 / Nikon / ハイアマチュア
新品:
362,000円〜(8)

やっぱりNikonらしさ満載のフルサイズミラーレス機


Nikon Z 7IIの外観
出典:flickr(@Henry Söderlund)

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

2018年09月発売のNikon初となるフルミラ、Z 7は質実剛健といった印象で「Nikonらしい」といった印象のフルミラでした。それから2年、後継機として発表されたNikon Z 7IIはさらにNikonらしさを増したフルミラとなりました。

CanonやSONYはカメラ以外にも、コピー機や他の家電なども作る電子機器メーカーですが、Nikonはカメラや双眼鏡など光学機器のみを作るメーカーです。

そのため、カメラの売上は会社の売上と直結しており、一眼カメラ市場がレフ機からミラーレスへと移行する中で、カメラシェアを失うということは会社の存続をも左右することになりかねません。

Z 7からZ 7IIという流れは、Nikonとしては絶対に失敗できないものなのです。そんなNikon Z 7IIは、基本的にはコンサバティブな進化となっています。

Nikonの一眼レフはD1桁をフラッグシップ機として、いわゆるAPS-CセンサーサイズのDXフォーマットD3桁や、フルサイズ、FXフォーマットのD3桁など少々難解な型名となっていました。

Zマウントを採用したミラーレス機については、Z 7がZ 7IIとなったことで、2020年12月時点では最上位がZ 7シリーズ、次にZ 6シリーズ、さらにZ 5、DXフォーマットにZ 50シリーズとして展開しています。

今まではマイナーチェンジの場合はD4Sに代表されるようにアルファベットをプラスすることもありましたが、ミラーレスではローマ数字でモデル世代を管理していくことが予想されます。

さて、そんなZ 7IIは前述の通り、見た目ではZ 7と区別がつかないほど大きな変更はありません。CanonやSONYが8K動画や6250万画素などのド派手なカタログスペックを看板にしていることに比べると、Nikonの第2世代フルミラには物足りない印象を受けます。

動画こそ4K60pに対応しましたが、画素数は同じく有効4575万画素。カタログの数値から大きな進化は見えてきません。

しかし、着実な進歩があちこちに散りばめられており、その多くがZ 7ユーザーの声を拾い上げたもので、それによってZ 7IIはユーザーが使いやすい完成度の高いフルミラへと進化しています。売れるカメラを作るということではなく、ユーザーが使えるカメラを作るということに主眼が置かれた、実践的なカメラがZ 7IIです。

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

瞳AFの正確性もかなり向上し、顔全体が見られなくとも瞳を捉えることができます

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

高ISOでのノイズ感もデュアルのEXPEED 6が素早く綺麗に補正してくれます

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

低輝度合焦性能が向上し、暗がりでもピント合わせが容易になっています

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

見たままに写るNikonクォリティ画質はフルミラでも変わりません

Nikon Z 7II / NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
出典:flickr(@Henry Söderlund)

大口径Zマウントの24-70F2.8はさらなるキレの良さを生み出しています


「II」への進化点とZ 6IIとの棲み分け


ではZ 7からZ 7IIへの具体的な進化点を見ていきましょう。

カタログスペックからでもわかる進化点としては画像処理エンジンのEXPEED 6を2つ搭載している点です。これによって動画4K30pから60pに進化しただけではなく、連写性能が大幅に進化しました。

最大で77コマの連写が可能で、従来の23コマから大きく進化し連写撮影時にバッファ詰まりなどで撮影が止まることがかなり減り、一眼レフのフラッグシップであるD6などと同様に動きモノの連写撮影にも活用することができるようになりました。

また、バッテリーは従来と同型で容量が増えたEN-EL15cですが、Z 7とは違い、縦位置撮影対応のバッテリーグリップが新たに発売されています。カードスロットが従来のXQDシングルスロットから、XQD、互換のあるCFexpressとSDXC UHS-IIとのダブルスロットとなっています。

Nikonはプロユースのモデルにはバックアップなどができるダブルスロットがスタンダードとなっているので、縦位置グリップと合わせてプロカメラマンからも好評の進化点です。

他にもレリーズを使わずに900秒までの長秒露光が可能となったり、EVF内の表示がより被写体を見やすく表示切り替え可能となったり、USB給電に対応ワイドエリアAFと動画時の瞳AFなどZ 7でユーザーから不満が上がっていた点がかなり改善されました。

見た目はほぼ同じZ 7IIですが、カメラとしての完成度はかなり進化しています。

Z 7IIと同時にZ 6IIも発表されましたが、Z 7シリーズとZ 6シリーズは基本的には画像解像度以外にはスペック上で大きな差はありません。Z 7とZ 6では価格差が大きく、Z 7の高解像度に魅力があってもコスト的な面からZ 6を選ぶというユーザーが多かった印象があります。

Z 7IIとZ 6IIの場合は価格差が5万円ほど縮まっていているので、この2つを選ぶ時は高解像度が必要か否かという点にフォーカスされます。

解像度の違いは単に完成写真の違いだけでなく、連写速度にも影響します。スペック数値でも連写ではZ 6IIが有利となっているので、一概に高いカメラを買っておけば良いというわけでもなく、ミラーレスではこのあたりの棲み分けも単なる上位、下位モデルというだけではなく、それぞれにメリット・デメリットがあるクラス分けになっています。


CanonやSONYとの違いは


2020年段階ではZ 7IIがNikon最上位フルミラモデルとなっています。

ただし、Canonが現状の最上位をEOS R5として、R1というフラッグシップモデルの登場を示唆していることと同様にNikonもZ 8が登場するのではないかという噂があります。そういった点からいうと、Z 7IIがR5やα7RIVと違いカタログスペック的にピーキーな数値がないという部分も噂されるZ 8への期待感が高まってきます。

さて、まだ見ぬフルミラフラッグシップ機への期待も高まるところですが、現状のプロ向けフルミラメインストリームとなるNikon Z 7IIとCanon EOS R5、SONY α7RIVを比較してみましょう。

まずは価格ですが、これはEOS R5が頭一つ高価になっています。その分、8K動画や低輝度合焦性能が高いといった特徴があります。また、Canonはデュアルピクセルという独自のAF方式で、他社よりも素早いAFが得意です。

SONY α7RIVは裏面照射型CMOSセンサーを自社開発しているという強みがあり、有効6100万画素という超高画素機をZ 7IIと同等の価格で販売しています。

ではNikon Z 7IIの強みはどこにあるのでしょう。それはやはり「Nikonの一眼」であるという点です。

Z 7からブラッシュアップされたII型は既存のNikonユーザーがストレスを感じることなく使えるフルミラとなっています。

コンパクトなフルミラでありがちな小指あまりの心配が少なく手にフィットするグリップ感で評価の高かったZ 7ですが、Z 7IIでは若干グリップが深くなり、さらに握りやすさとレンズ横ファンクションボタンの操作感が向上しています。

全体的な操作系はZ 7からは大きな変化はないので違和感なく、Nikon一眼レフとも近い操作系で、設定メニューなどのインターフェースもNikonユーザーであれば説明書を読み込むことななく自然に操作できるようになっています。

また、スリープ復帰時のピント位置の維持ができたり、チルト液晶使用時にEVFと切り替わらないようにするなど、撮影時に細かなストレスとなりそうな部分がかなり解消されています。

新しくフルミラを買うと、使いこなすまでに慣れが必要だったり、使いやすくカスタムする必要があったりしますが、Z 7IIはNikonユーザーが最小のストレスで使えるミラーレスとなっています。


まずはNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sと組み合わせて


プロスペックのカメラと組み合わせたいのはやはり大三元の基本となる24-70F2.8ですよね。

Zマウント用24-70F2.8として2019年に発売されたNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは新技術アルネオコートによってレンズ内の反射を抑えることで、複数の光源がある被写体でもヌケの良い解像感となっています。

Z 7IIと組み合わせると、一眼レフと比べて遥かにコンパクトなフルサイズF2.8撮影機材が出来上がります。

もちろん、コンパクトさだけが特徴ではなく、他社よりも大きな大口径Zマウントのメリットを活かした高解像度レンズと、Nikon史上最高画質とも言われるZ 7IIの性能が発揮されます。

Z 7IIはZ 7に比べ低輝度合焦も最低-2EVから-4EVへと向上しており、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sと組み合わせることで様々な撮影シーンで活用できます。


ユーザーレビュー


■ ポジティブレビュー

  • レフ機と変わらぬ操作系なので違和感がない
  • 連続撮影時のEVFがかなり向上されている
  • グリップが微妙に変わっていてFn1が押しやすくなった
  • ノイズリダクションが変わったのか、高感度に強くなった印象
  • Nikonを選ぶ理由がやはり画質にあるもののと再確認できる

画質に対する高評価があつまるところがさすがNikonと感じさせます。グリップなど外観の微妙な変更も好評となっています。

■ ネガティブレビュー

  • 夜のAF速度はやはり不満の出る遅さ
  • スペックからみると価格が高く感じる
  • 取り扱い説明書がオンラインマニュアルのみというのは残念
  • 動体で連写しないのなら、Z 7で十分かも
  • バッテリーが純正のみで互換品が使えなくなった

大きく革新的な進化がないということを考えるとZ 7やZ 6IIとの価格差が気になるというレビューが多く見られました


まとめ


カタログ上で見ると、どうしても他社のフルミラに比べて特徴に乏しくZ 7IIですが、カメラに触れて撮影してみると、「流石はNikon」と感じさせる使用感の良さ、触ったときの心地良さというものがあります。

2020年はCP+の中止などもあり、なかなか実機に触れる機会というものが少なくなってしまいましたが、Z 7IIはぜひとも手にとってその感触を確かめていただきたいフルミラです。

スペック上などから他社のミラーレスを買う予定だっとしても、通販ですぐに買うのではなく、実店舗に行って実機に触れることでカメラの真価が見えることもあります。

カメラを作り続けてきた歴史のあるNikonだからこそ作ることができる、カメラの真価を感じることができるのがZ 7IIです。
レンズマウント
レンズマウントNikon Zマウント
撮像素子
センサーサイズフルサイズ(35.9×23.9mm)
有効画素数4,575万画素
ダスト低減機能
映像エンジンデュアル EXPEED 6
画像記録
記録媒体

XQDカード
CFexpressカードTypeB
SDカード
SDHCカード
SDXCカード

スロット数

ダブルスロット
CfexpressカードTypeB・XQDカード/SDカード

記録画素数

・撮像範囲[FX(36×24)]の場合:
8256×5504ピクセル(サイズL:45.4M)
6192×4128ピクセル(サイズM:25.6M)
4128×2752ピクセル(サイズS:11.4M)

画像ファイル

JPEG/RAW(NEF)

動画
4K対応
記録サイズ

3840×2160(4K UHD):60p
1920×1080:120p
1920×1080 スロー:30p

記録形式

MOV/MP4

ライブビュー
フォーカスハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF)、AF補助光付
シャッター
シャッター速度1/8000~30秒
連続撮影速度最高約10.0コマ/秒
露出制御
測光方式/測光分割数撮像素子によるTTL測光方式
ISO感度64〜25,600
AF
測距点最大493点
ファインダー
視野率100%
倍率約0.8倍
ストロボ
内蔵ストロボ-
液晶モニター
サイズ3.2インチ 210万ドット
可動式チルト式液晶
I/F
インターフェース

USB Type-C、miniHDMI

無線LAN
Wi-Fi機能
ネットワーク
NFC-
Bluetooth
防塵・防滴
防塵・防滴
手ブレ
手ブレ補正機構
GPS
GPS-
電源
撮影可能枚数(ファインダー)

380枚

撮影可能枚数(ライブビュー)

440枚

動画撮影可能時間

105分

USB充電
使用電池Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15c※ 1個使用
サイズ・重量
サイズ134x100.5x69.5mm
重量615g
発売日
発売日2020年12月11日