Nikon Z6

Nikon Z6

Nikon初のフルサイズミラーレスとして発売されたZ7とZ6。どちらも「Nikonらしいフルサイズミラーレス」という印象で、革新的なインターフェースのフルサイズミラーレスを発表したCanonとは対照的でした。Nikonらしいフルサイズミラーレス”Z6”は、どのようなカメラなのでしょうか。Z7やCanon EOS Rや、EOS RPとの比較を交えながら解説します。

ミラーレス一眼 / Nikon / ハイアマチュア
新品:
205,540円〜(43)
中古:
135,800円〜(104)

既存のNikonユーザーを満足させる出来栄え


Nikonのフルサイズミラーレスは、小型化によりボタンの数や搭載位置に変化はありますが、基本的には従来のレフ機のインターフェースを踏襲したもので、フルサイズ一眼レフユーザーが戸惑うことなくフルサイズミラーレスに移行できるようになっています

そのようなことからZ6やZ7は、Nikonユーザーのために開発されたフルサイズミラーレスであるということが考えられますが、特にZ6は価格や性能面から見てもD5やD850のサブ機にぴったり。Nikonユーザーが他社のフルサイズミラーレスに鞍替えすることなくZ6をサブ機とすることで、ミラーレスの扱いに慣れつつ、ハイエンド機や第2世代のフルサイズミラーレスを待つことができます。

フルサイズミラーレスの登場は、一眼レフがフィルムからデジタルに移行した時以来の大変革とも言われている中、Nikonはまず既存のNikonユーザーを満足させるという方向に舵を切りました。

Nikon Z6 / NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
出典:flickr(@Nathalie)

Nikon Z6 / NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
出典:flickr(@Nathalie)

Nikon Z6 / NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
出典:flickr(@Nathalie)

Nikon Z6 / NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
出典:flickr(@Nathalie)

Nikon Z
出典:flickr(@Nathalie)

そんなZ6の具体的なスペックに目を向けると、まず目を引くのがマグネシウム合金ボディに完全防塵防滴といった堅牢性です。他社フルサイズミラーレスも防塵防滴に配慮した設計となっていますが、Nikonは完全防塵防滴仕様と言い切っている点で信頼感があります。
 
さらにもう1つ目を引くのがEVFの完成度です。Nikonは得意の光学設計技術を生かして、同時期発売のミラーレスとしては最高の倍率となるEVFを開発。レフ機からの移行では、OVFとの見え方の違いが気になる…というユーザーも多いEVFですが、Z6ではその違和感が限りなく少ないものとなっています。
 
AFはミラーレスということで、像面位相差AFとコントラストAF両方を同時に利用するハイブリッドAFにより、専用の位相差センサーを持つレフ機に迫る性能となっていて、一昔前のミラーレスに見られたような、AFの遅さによるストレスはほとんど感じられません

さらにファームアップで瞳AFにも対応可能となっています。瞳AFではSONY、Canonに遅れを取った感もあったNikonですが、素早い対応をしたところを見ると、開発自体は順調に進んでいたのだと思われます。やはり、瞳AFはミラーレス機の特徴ともいえる機能で、この機能の有無、精度の高さは、今後ミラーレスを選ぶときの大きな指標の一つとなってくるでしょう。
 
さらに細かいところまで目を向けると、Z6とZ7はどちらもバッテリーがEN-EL15という、Nikonユーザーにとっては馴染みの仕様。D850などのユーザーは何個か予備を持っているという人も多いので、電池消費が激しいミラーレスで予備電池が確保しやすいということは、かなりのメリットになるといえます。
 
ボディ形状にもNikonらしさが溢れていて、グリップの握り心地や操作系の距離感などは、エルゴノミクスデザインが得意なNikonならでは。ミラーレスではグリップの小指あまりが問題となることもありますが、Z6は日本人の平均的な手の大きさならばギリギリ問題のないサイズで、ホールド感も悪くありません。

Nikon一眼レフ/ミラーレス一眼相関図(2020年1月時点)※マッピングはCanon製品との対比で作成(運営者主観になりますので、参考程度にご覧ください)



Zマウントのフランジバックと口径


NikonのZマウントは、Canon、SONYのフルサイズミラーレスと比較して最大の口径と最短のフランジバックとなりました。これは発表のタイミング的に、故意的ではなく設計上の理由と考えられますが、結果として大きなメリットも生まれました。

レンズ設計において、大口径と短いフランジバックは、より径の大きなレンズを短い焦点距離でも使えるので、レンズ設計の自由度が上がり、今までになかった焦点距離と開放F値の組み合わせが期待できます。

さらに、最大口径、最短フランジバックのカメラは、物理的に全てのレンズマウントアダプターを作ることができ、オールドレンズや一眼レフレンズだけでなく、Canon RFマウントやSONY Eマウントレンズのアダプターを作ることさえ可能なのです。もちろん物理的に可能というだけで、実現にはいくつかハードルがありますが、大口径と短いフランジバックには様々な可能性があります。
 
 

Z6とZ7


Z7とZ6の見た目は全く同じですが、大きな違いといえばイメージセンサーです。画素数に大きな差があり、それに伴ってISO感度とAF測距点にも差があるのです。逆に言うと性能差はそれくらいなのですが、価格には20万円弱という大きな差があるため、ユーザーの使用要件によって、どちらを選ぶのかどうかを決めた方が良いでしょう。
 
プロの写真家で「絶対に高い解像度が必要」「D850と画素数を揃えたい」という強いこだわりがあれば、選択肢はZ7のみとなるでしょう。そういった点で、Z7にはコレクターズアイテム的な面があるといえます。確かにNikonファンならば、Z6よりも上位互換であるZ7を手元に置いておきたいと思ってしまいますね。
 
しかし、サブ機としての購入や、ミラーレスならではのコンパクトさで気軽に持ち出すことを前提とするなら、価格差でも性能面でもZ6で十分ではないでしょうか


Canon EOS R/RPとの比較


Z6は上位機種のZ7と同時に発売されたので、下位機種かと思われますが、実際は中級機、プロ機に準ずるハイアマチュア機にカテゴライズされる機種。価格を見てみても、CanonのエントリーフルサイズミラーレスであるEOS RPどころか、中級機であるRよりも高い価格設定となっています。もちろんCanonが後から発表したので、CanonがNikonを意識したとも考えられますが、実際にZ6とR、RPを比較してみると、タイプが全く違うものとなっています。
 
画素数を比較すると、EOS Rが3030万画素と少し多いのですが、Z6が2450万画素でRPが2620万画素なので、そこまで大きな差はありません。そうなると画素数よりも画質が気になりますが、近年のCMOSは画質として高いレベルで上げ止まりとなってきているので、RとRPはいい意味でCanonらしい、Z6はNikonらしい画質となっています。つまり、ワンショットの撮影ということを考えると、最も価格の安いEOS RPがコストパフォーマンスは高いということになります。
 
1番高価なZ6は、ただ値段が高いだけかというとそういうことではなく、シングルショットAFなら12コマ/秒、AF追従でもAEを追従させなければ同じスピードが実現でき、ワンショットで8コマ/秒、AF追従では5コマ/秒となるRとは大きな性能差となっています。これは動きモノを撮影するときには大きなメリットとなります。

さらにZ6のEVFは前述の通り、現役ミラーレス最高レベル。そして、忘れてはならないのがボディ内手ぶれ補正です。NikonはZシリーズからボディ内手ぶれ補正を採用しているのですが、これによってオールドレンズや他社製レンズの使用にも期待が持てるので将来性があります。さらに他社レンズの使用としては、大口径と最短のフランジバックもアダプターの作りやすさでZを後押ししています。
 
Z6とEOS Rは3万円ほどの価格差で、RPとは10万円。これらの差がどれほどの意味をするのかは、やはりレンズとの兼ね合いも出てきそうです。レンズ発売情報やサードパーティのマウントアダプター情報などから、しばらくは目が話せない状況となります。

Nikon Z6
出典:flickr(@Nathalie)

Nikon Z6 / NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
出典:flickr(@Nathalie)


愛用者のコメント


ストーリー:「まずは自分が楽しむこと。 相手も自分も楽しみ、笑顔になる瞬間を撮りたくて」にてZ6の魅力について語っていただいたSUBARUさんのコメントをご紹介します。

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選んだ理由としてはグリップの握りやすさ、ファインダーのクリアさ、透明感のある写真が挙げられます。もともと一眼レフを使用していたこともありミラーレスへの移行はEVFが大きな壁となっていました。
 
しかし、このカメラは映像らしさが少なくOVFに近い視認性でストレスなく撮影することができます。さらに、重たいレンズを使う機会が多いためグリップの握りやすさは重宝しています。持ち手が安定することで重さを感じづらく撮影の際の取り回しもスムーズです。そして一番の気に入っている点である透明感がある写真です。
 
Nikonの写真は良くも悪くも見たままの写りです。色味やコントラストに派手さはありませんが、Z6は透明感が出るようになったと感じます。写真ひとつひとつがクリアでその瞬間をその通り残すことが出来るため、自分の作風に合っておりレタッチもしやすく撮影が楽しくなります

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ネット上のレビュー


ポジティブレビュー

  • 他のフルサイズミラーレスと比較すると、EVFと背面液晶が圧倒的に綺麗。
  • Nikonらしさに溢れているので、Nikon好きにはたまらない一機。
  • ファインダーを覗いたまま、全て右手の操作のみで撮影が完了できるのは新鮮。
  • FTZでレンズ資産がまるまる使えるのは嬉しい。
  • フルサイズミラーレスの機能がてんこ盛りで満足。

Nikonも自画自賛のEVFはやはり高い評価です。また、瞳AFにファームアップで対応したことで、大きな穴がないことも高評価に繋がっているようです。

ネガティブレビュー

  • 4K動画はローリングシャッターが出ることに不満を感じ、チルト液晶は使える撮影シーンが限定的だと感じた。
  • EVFは確かに綺麗だが、動体には弱く、レフ機のOVFには遠く及ばない。
  • FTZはAFモーター内蔵じゃないとMFになるのが残念。
  • CanonやSonyと比べると、価格設定が高すぎる感じがする。
  • 高価なレンズしか発売されておらず、レンズの選択肢がほとんどない。

やはり価格面では不満に感じるユーザーも多いようです。また、本体価格だけでなくFTZもCanonのマウントアダプターと比較すると高く、Zマウントレンズもまだラインナップが出揃っていないため、初期費用が嵩む傾向にあります。


まとめ


Nikon初となるフルサイズミラーレスZ6は、質実剛健といった印象のものとなりました。

価格は高めですが、ボディ内手ブレ補正や瞳AFなど、ミラーレスの特徴的な機能は一通り網羅しつつ、EVFや防塵防滴でNikonらしさも踏襲しており、Nikonユーザーに他を選ぶ余地がないと思わせてしまうようなフルサイズミラーレスとなっています。
レンズマウント
レンズマウントNikon Zマウント
撮像素子
センサーサイズフルサイズ(35.9×23.9mm)
有効画素数2,450万画素
ダスト低減機能
映像エンジンEXPEED 6
画像記録
記録媒体

XQDカード
Sony製CFexpressカードTypeB(ファームウェアVer.2.2以降)

スロット数

シングルスロット

記録画素数

・撮像範囲[FX(36×24)]の場合:
6048×4024ピクセル(サイズL:24.3M)
4528×3016ピクセル(サイズM:13.7M)
3024×2016ピクセル(サイズS:6.1M)

画像ファイル

JPEG/RAW/TIFF

動画
4K対応
記録サイズ

3840×2160(4K UHD):30p
1920×1080:120p
1920×1080 スロー:30p

記録形式

MOV/MP4

ライブビュー
フォーカスハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF)
シャッター
シャッター速度1/8000~30秒
連続撮影速度最高約12.0コマ/秒
露出制御
測光方式/測光分割数撮像素子によるTTL測光方式
ISO感度100〜51,200
AF
測距点最大273点
ファインダー
視野率100%
倍率約0.8倍
ストロボ
内蔵ストロボ-
液晶モニター
サイズ3.2インチ 210万ドット
可動式チルト式液晶
I/F
インターフェース

USB Type-C、miniHDMI

無線LAN
Wi-Fi機能
ネットワーク
NFC-
Bluetooth
防塵・防滴
防塵・防滴
手ブレ
手ブレ補正機構
GPS
GPS-
電源
撮影可能枚数(ファインダー)

310コマ

撮影可能枚数(ライブビュー)

380コマ

動画撮影可能時間

USB充電-
使用電池Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL15b
サイズ・重量
サイズ134×100.5×67.5mm
重量585g
発売日
発売日2018年11月23日