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Canon RF1200mm F8 L IS USM

Canon RF1200mm F8 L IS USM

1200mmという、馴染みのない焦点距離。ミラーレス時代になって、馴染みのないスペックのレンズが多く発売されますが、今度は超望遠、いや、超超望遠と言って良い焦点距離のレンズがCanonから純正レンズとして発売されました。RF1200mm F8 L IS USM。1200mmで撮影できる世界とはどのようなものでしょう。

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手頃な?超超望遠Lレンズ


1200mmというレンズ、実はCanonは1993年にフィルム一眼レフ用のレンズとして、EF1200mm F5.6L USMが発売されていました。

価格は発売時で980万円。受注生産だったこともあり、販売数は数えるほどだったとされています。

発売時、AFが作動する一眼レフ用レンズとしては最長の焦点距離であり、スポーツ撮影や野鳥撮影では高いニーズがありましたが、価格が個人で購入するには桁外れだったことや、デジカメ高画素時代になってから、トリミングで対応することも容易になったことで、2004年頃からCanonレンズカタログからは姿を消しています。

そんな1200mmレンズですが、Canonは2022年5月にRF1200mm F8 L IS USMというレンズを発売しました。RF1200mm F8 L IS USMはRF600mm F4 L IS USMの光学系に拡大光学系を加えたレンズ構成で、開放はF8となったことで、250万円前後という手頃な?価格のレンズとなりました。

サイズ的にも、全長は537mmあるものの、重量は3kg台で、手ぶれ補正も動作することから手持ちで撮影できなくもないというレンズになっています。EF1200mm F5.6L USMが全長836mmで16kgもあり、特殊な三脚に固定する必要があったことを考えれば、かなり扱いやすいレンズになったと言えるでしょう。
 

Canonが少し暗めの超望遠を揃えた理由


RF1200mm F8 L IS USMはLレンズとしては暗いF8という開放F値です。

CanonはRFマウントでは、RF1200mm以外にもRF600mm F11やRF800mm F11など暗い超望遠レンズを発売しています。

これは、AFが大きく関係しています。ミラーレスのショートフランジバックは、望遠レンズではさほど大きなメリットとはなりませんが、像面位相差AFが暗めの超望遠開発に貢献しています。

EF1200mm F5.6L USMは当時のフィルム一眼レフに搭載されていた位相差AFセンサーが対応していた最高絞り値のF5.6に対応するため、1200mmでも明るいレンズにする必要があったので巨大で高価なレンズとなりました。

しかし、ミラーレスの像面位相差AF、特にCanonのデュアルピクセルAFは暗所AFに強く、RF1200mmに2倍のエクステンダーを使ったF16でもAFや手ぶれ補正を動作させることができます。

このメリットを活かし、一般ユーザーでも手の届きやすいRF600mm F11やRF800mm F11、そしてフリーのカメラマンでも購入可能な価格のRF1200mm F8 L IS USMが発売されました。
 

600mmに2☓ではダメなのか


RF1200mm F8 L IS USMはRF600mm F4 L IS USMと同じ光学系が使われていて、マウント寄りの部分に拡大光学系が付け加えられたレンズ群で構成されています。

で、あるならば、わざわざこのレンズを買わなくても、RF600mm F4に2倍のテレコン、Canonで言うところのエクステンダーを付ければ良いのではないかという意見もあるでしょう。

Canonは400mm F2.8、600mm F4の光学系については「ほぼ完成された」と称していて、EFからRFに変わっても大きな変更はありません。レンズ性能を評価する1つの指標であるMTF曲線を見ても、400mm F2.8、600mm F4の両方が上に張り付いたグラフとなっていて、ほぼ限界の解像力を発揮していることがわかります。

そこでCanonはRF600mm F4に拡大光学系を付け加えるという1200mmの開発手法をとったわけですが、わざわざ1200mmを発売したことには意味があります。

それはまず、エクステンダーを使わずに1200mmで撮影できるということです。1200mmに搭載された拡大光学系は、汎用されるエクステンダーよりも最適化されたもので、600mmに2xを加えるよりも、わずかですが、画質は向上します。

カメラマンの中には潜在意識的にエクステンダーという余計な光学系を挟むことによる画質、強度の低下を気にして敬遠する人もいるので、そういう人でも安心して使えるというメリットもあります。

さらに、1200mmにさらにエクステンダーを加えて2400mmで撮影できるということも、大きなメリットとなります。
 

ユーザーレビュー


■ ポジティブレビュー
  • 手ぶれ補正が4段分あるので、3kgなら手持ちの可能性もある
  • 差し込みフィルターはヨンニッパから共通なので揃えやすい
  • すぐには買えないけど、手が届きそうな価格で夢がある
  • ピントリングはかなりスムーズな印象
  • 剛性感があるので、テレコンを挟むより安心して使える
超高額レンズではありますが、手の届く価格で発売されたことで高評価が多く集まっています。


■ ネガティブレビュー
  • テレコン内蔵型にしてほしかった
  • カメラの性能依存で、レンズとしては目を見張る性能ではない
  • 拡大光学系を加えただけなのでLレンズとしての特別感が薄い
  • エクステンダー仕様時はAFエリアが狭くなる
  • 納期がかなり長い
既存レンズの光学系を踏襲していることが、Lレンズとしては不満に感じるユーザーもいるようです。
 

まとめ


1200mmというあまり見ない焦点距離。

もちろん、過去にもそういったレンズはありましたが、RF1200mm F8 L IS USMはより扱い安いレンズになっているので、これからプロのスポーツ撮影現場などで活躍することが大いに期待されます。

EF1200mmとは違い、個人ユーザーでもギリギリ手の届く価格となったことで、広く普及すれば今までにない写真が見られる機会も増えそうで更に期待が膨らみます。

ミラーレス時代は、写真を撮る楽しみはもちろん、見る楽しみもさらに広がっていきそうです。
基本仕様
対応マウントCanon RFマウント
フォーカスAF/MF
フルサイズ対応
APS-C専用-
レンズ構成18群26枚
絞り羽根枚数9枚
焦点距離

1200mm

最短撮影距離430.0cm
最大撮影倍率0.29倍
開放F値F8.0〜64.0
画角2.05度
手ブレ補正機構
防塵
防滴
サイズ・重量
最大径×長さ168x537mm
重量3,340g
フィルター径52mm
発売日
発売日2022年05月26日