SONY FE 16mm F1.8 G SEL16F18G

小型・軽量設計の明るい大口径超広角単焦点レンズ

FE 16mm F1.8 Gは、16mmという超広角域の撮影を可能としたフルサイズ対応レンズ。16mmの視野角はおよそ108度で、人間の目にぼんやり映る範囲まで含めた視野角であるおよそ100度とほぼ同等。それをくっきりと映すことができるので、自身の目では体感できないダイナミックな描写を目の当たりにすることができます。

そういった特殊な画作りができるレンズだからこそ汎用性が高いとはいえず、なかなか導入に踏み切れなかったりするのですが、FE 16mm F1.8 Gは全長75mmでフィルター径も67mmに留められたコンパクトスタイルで重量も約304gと軽量なため、標準域レンズのサブとして持ち運びがしやすく、価格も他の超広角単焦点レンズと比べて抑えめに設定されています。

描写性能に関しても、Gレンズシリーズでありながら高度非球面レンズ2枚とGMレンズにも採用されているスーパー EDレンズが使われた豪華なレンズ群となっており、広角レンズにつきものなさまざまな収差を抑えた平滑で高解像な画作りを可能としています。ボケ表現もきれいで、F1.8という明るさを活かした被写界深度の浅い画作りでもその力を発揮してくれるでしょう。

ハンドリングの良さを活かした製品仕様

近接撮影性能にも優れており、MF使用時で最短13cmまで接近して最大倍率0.3倍の撮影が可能です。画角の広さから広大な景色を被写体にしたくなりますが、遠くのものをより小さく写してしまうため、フォーカスポイントのわかりにくい漫然とした写真になることも。近接撮影を行うことで、近くのものをより大きく映す効果を利用したダイナミックな画作りを楽しむことができます。

超広角レンズにありがちな出目金タイプではないので、フィルターワークも可能。フィルター径も67mmと小さめなので、フィルターへの初期投資もリーズナブルに抑えられるのも嬉しいポイントといえます。

軽量コンパクト、遠近のレンジの広さ、フィルターワークのしやすさはスチールだけでなくムービーでの使用にも重宝します。ジンバルに取り付けた際にはバランスが良く、アクティブな撮影もしやすいです。また、フォーカスを動かすことで画角が変化してしまうブリージングを抑制しており、補正機能にも対応。レンズ内手ぶれ補正は搭載されていませんが、カメラ本体に搭載されている動画撮影用の手ブレ補正機能には対応しているので、安定した動画撮影が可能です。

レンズ側にAF/MFの切り替えや絞りリングのクリックの切り替えが可能。フォーカスホールドボタンも備わっています。防塵・防滴設計なので、屋外で多少天候の悪い中でも安心して使用できます。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• コンパクトタイプの本体にマッチするサイズ感
• Gレンズシリーズらしい写りの良さ
• 絞りリング付きなのが嬉しい。操作感も良い
• 安価なレンズなのに逆光耐性が高いので使いやすい
• AFが早くて正確

全般的に本体が小さいαシリーズにマッチしたサイズ感と軽さに好感触なレビューが多いです。収差や逆光耐性といった広角レンズに必要な性能も高くコスパの良さを評価する声も。

■ ネガティブレビュー

• ボケ表現はいまいち
• 開放でのコントラストの低さが目立つ
• 隅に映る光点が羽の付いた形状になるので、天体撮影には向かない

特殊な被写体の撮影では高いレベルでの結果を出すのが難しい模様。一般的なシチュエーションでは充分な画作りが可能で、少し絞ることでコントラストも改善されるようです。

まとめ

広角ズームレンズの広角端側の焦点距離にもなっていたり、超広角域としては比較的扱いやすい部類のFE 16mm F1.8 G 。小さくて軽くてコスパ良好。価格帯の割には描写性能に明らかな妥協も無いので、初めての超広角レンズとして、また単焦点レンズとしてもおすすめできます。常用レンズに採用して、いつものスナップ撮りに超広角というスパイスを加えてみるのも楽しそうです。