SIGMA 17mm F4 DG DN｜Contemporary [ソニーE用]

超広角単焦点レンズを常に身近に

大径レンズはどうしても大きく重く持ち運びにくいので、移動の多い撮影では超広角レンズは敬遠されがになります。風景撮影など明確な目的があれば、超広角単焦点レンズを持ち運ぶほかありませんが、ちょっとしたスナップで持ち運ぶには大口径の超広角単焦点レンズはハードルが高くなります。

ところがどうでしょう。このレンズは、フィルター径55mmで重量220ｇと、大径でもなければ重量級でもないレンズ。軽量コンパクトな超広角単焦点レンズがSIGMA 17mm F4 DG DN。

SIGMA「Iシリーズ」に属するこのレンズは、そのコンセプトである「コンパクトさと光学性能」の高いバランスと、「優れたビルドクオリティ」を体現するレンズです。他のIシリーズレンズと同様に切削アルミニウムによる外装は高い剛性感があり、防塵防滴仕様で、高い質感を手に伝えてくれます。

Iシリーズの中でも17mm F4 DG DNや、同じフィルター径55mmを採用している24mm F3.5 DG DN、45mm F2.8 DG DN、90mm F2.8 DG DNなどは特に、コンパクトさに重点を置いて設計されています。

いずれのレンズもコンパクトさと光学性能のバランスをとるために、単焦点レンズとしては暗めの開放F値を採用していますが、それによって、同じ焦点距離の明るいレンズに比べると非常にコンパクトにまとまっています。

光学性能については、一般的な単焦点レンズは1-2段絞ることで解像力が高まり、各種収差が抑えれるということがよくありますが、Iシリーズはやや暗めのF値を採用している分、開放から高い解像力を発揮できるようになっています。

収差については、デジタル補正を前提として設計することで開放F4から使える高い描画力とIシリーズ共通の特徴である柔らかいボケ味を実現しました。逆光についてもSIGMAのゴーストバスターズと呼ばれる逆光補正部隊によって調整され、優れた逆光耐性となっています。

風景からマクロ撮影まで

コンパクトな超広角単焦点レンズは従来の大口径超広角単焦点レンズとは違い、いつも身近に持ち運べるレンズです。SIGMA 17mm F4 DG DN｜Contemporaryは、手にすると金属のひやりとした質感が手に伝わり、常に手にしたくなる心地よさがあります。

さらに50mmなどの標準域の単焦点レンズと同じサイズ感なので、フルサイズミラーレスに装着して街を散策してスナップ撮影もできます。もちろん、カメラバッグに入れても、他の単焦点レンズと一緒に持ち歩いても荷物にならないので、撮影シーンに合わせて複数の画角の単焦点レンズを持ち運べます。

SIGMA 17mm F4 DG DN｜Contemporaryには最短撮影距離12cmという寄れるレンズという特徴もあります。さすがに本格的なマクロ撮影とはいきませんが、被写体に寄って広角ならではのパースの効いた撮影もできます。

スナップ撮影では風景撮影から、小物などにクローズアップした撮影まで使うことができます。

ライバルレンズとの比較は

SIGMA 17mm F4 DG DN｜Contemporaryのライバルレンズとなりそうなのが、SAMYANG AF 18mm F2.8 FEです。

SAMYANG AF 18mm F2.8 FEはSONY Eマウントに対応したレンズで、AFにも対応。SIGMAよりも安く、145gと軽量で開放絞りはF2.8とスペック上では17mm F4 DG DNを上回ります。

単純な明るさではSAMYANGが上ですが、F4での解像力は、中心部から周辺までSIGMAが上回るという結果がラボテストであげられています。

加えて鏡筒のビルドクオリティはSIGMAが圧倒しています。SIGMA 17mm F4 DG DN｜Contemporaryの魅力は、F4から使える高い光学性能と手にするだけで満足するビルドクオリティがあります。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 超広角なのに小さく寄れる良いレンズといった印象
• Vlog撮影にぴったりなレンズ
• クォーターマクロとして使えるというのは大きなメリット
• 標準ズームで広角がものたりないとき用に常にバッグに入れておける
• 広角ではそこまでボケを求めてはいないのでF4で十分

Vlogや1/4マクロ撮影など、様々な撮影に対応できる汎用性も高い評価となっています。

■ ネガティブレビュー

• F2.8くらい明るければ購入候補になりそう
• 絞りリングのクリック感が強く、動画撮影時は使えない
• この明るさなら14-24mmF2.8で良いかなと思う
• レンズフードを逆さ付するとフォーカスリングが使えなくなる
• せっかくF4まで暗くしたので、デジタル補正に頼らず収差が抑えられていればよかった

やはりスペック的にF4という単焦点としては暗めのF値に購入を躊躇する評価が多くみられました。

まとめ

超広角単焦点レンズはどうしても大口径で持ち運びが大変という印象がありますが、SIGMA 17mm F4 DG DN｜Contemporaryは17mmという超広角の焦点距離ですが、フィルター径55mmという小径でコンパクトさを実現。いつでも手元においておける超広角単焦点レンズとなっています。

それと同時に高い光学性能も実現。広角レンズでネックとなりがちな周辺の描写も開放F4から十分な描写を可能としています。

Iシリーズらしい、光学性能とサイズのバランスがとれたフルサイズミラーレスに最適のレンズとなっています。