SIGMA 20mm F2 DG DN｜Contemporary [ライカL用]

徹底的な収差補正＆コーティングでヌケの良い超広角撮影が楽しめる

広すぎない超広角域として人気の高い焦点距離の20mm。20mm以下になってくるとパースが強烈になってきて、それはそれで面白い写真が撮れたりもしますが、制御がしにくくて思い通りの絵作りができなかったりもします。

その点で20mmは、パースがかかっても想定しやすい範疇に留まり、標準ズームレンズの広角端として馴染み深い24mmよりも明らかに広いことがわかる超広角レンズらしい景色をみせてくれるので、非常に塩梅が良い焦点距離といえます。

加えて、20mm F2 DG DN｜Contemporaryの最短撮影距離は22cmと比較的接近できるため、主題を大きく写しつつボケの効いた背景も取り入れたスナップや、テーブルフォトなども不自由なく楽しめそうです。

F値はF2と若干控えめ。その分コンパクトで高画質な仕様を実現しています。非球面レンズやSIGMA独自の硝材を採用して収差を抑制し、特に後処理での補正が難しいサジタルコマフレアの抑制に注力しているので、光源が美しい夜景写真や、星景写真を撮る際にも非常に重宝するでしょう。

また、この20mm F2 DG DN｜Contemporaryにおいてはコーティングにも力を入れており、スーパーマルチレイヤーコートとナノポーラスコーティングのダブル使いを採用しています。これは、20mmという超広角域ゆえに光学に影響を与えるものが映り込みやすいための処置。フレアやゴーストを徹底的に抑制されているので、どんな環境下においても平均してヌケの良い、クリアな写真を撮ることができるでしょう。

Iシリーズらしい、満足度の高い仕上がり

「Iシリーズ」とは、スマホカメラが台頭している中でカメラやレンズを所有することへの価値をものづくりの視点で提案するというもの。20mm F2 DG DN｜Contemporaryも他のIシリーズレンズと同じく、外装と操作リングには金属素材が採用され、フォーカスリングと絞りリングの間のカバーリングにはヘアライン加工を施して高級感を演出。駆動させたときの感触も若干抵抗感のあるなめらかなものになっているので操作性が高く、MFによるシビアなピント合わせもしやすいです。

金属素材が使われていても重量はわずか370g。長さも72.4mmとコンパクトなので、常用レンズとして取り回しが良く、サブレンズとしての携帯性も良好です。

花形フード付きでマグネット式メタルキャップも付属。簡易ではありますが防塵防滴構造になっているので、屋外使用もしやすいです。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 操作性や感触が良くて自然と手に馴染んでくれる
• 軽くて携帯性に優れている
• 画質の高さを感じる描写力
• 小さなミラーレス機とのバランスが良くて操作しやすい

Iシリーズならではの質感や操作性に満足している人が多数で、コンセプトがユーザーにしっかりハマっている模様。SIGMAらしいシャープな描写力にも高評価。

■ ネガティブレビュー

• 絞りリングのデクリック機能が欲しかった
• 条件によってはフリンジが出ることがある
• カメラ内レンズ補正によって画角が少しだけ狭くなる
• マグネット式のレンズキャップが使いづらい

とある条件下で開放にしているとフリンジが発生するようですが、絞れば大幅に改善するので大きな問題ではなさそうです。

まとめ

描写力、造り、コンパクトの3点が揃った超広角単焦点レンズ20mm F2 DG DN｜Contemporary。超広角レンズと聞くと用途の狭さを感じて二の足を踏んでしまいそうですが、程よい広い画角と接写性能でスナップレンズとしても充分活躍させられるので、常用の単焦点レンズにいかがでしょうか。純正レンズよりも比較的リーズナブルなのもオススメポイントです。