製品解説
スペック
さらに選択肢を広げたSIGMA fp
SIGMA fp LはSIGMA fpの新たな「選択肢」として発売されました。「後継機」ではなく、「選択肢」となっているのは、SIGMA fpのスタイルや世界観があるからです。
fp Lはfpから大きな変更点はイメージセンサーだけです。画素数が約2460万画素から約6100万画素にアップし、像面位相差AFを搭載したことでAF性能が向上しています。
その他はダイヤルの操作感を向上したり、modeボタンの形状変更などのユーザーの声に応えたマイナーアップデートが主となっています。
画素数が増えたことは、単に大きく印刷出来る以外にも、クロップズームなどが可能になりユーザーの撮影の幅が広がります。一方で、画素数が増えれば、連写性能は下がり、編集時にはパソコンのマシンパワーが必要となり、ブレも目立ちやすくなります。
また、fpとfp Lの価格差は8万円ほどあるので、まさにユーザーの選択肢が増えたといえます。
製品 | SIGMA fp L | SIGMA fp |
---|---|---|
価格 | 新品:247,499円〜 中古:229,900円〜 | 新品:180,179円〜 中古:143,000円〜 |
センサーサイズ | フルサイズ(36.0×24.0mm) | フルサイズ(35.9×23.9mm) |
有効画素数 | 6,100万画素 | 2,460万画素 |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約18.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | - |
防塵・防滴 | ○ | ○ |
撮影可能枚数 | 240枚 | 約280枚(23℃時、CIPA 試験基準による) |
重量 | 375g | 370g |
発売年月 | 2021年04月 | 2019年10月 |
両者を比較したときに、イメージセンサー以外でポイントになってきそうな部分としては、他にはUSB給電があります。SIGMA fpはACアダプターでの給電でしたが、fp LはUSB Type-Cでの給電が可能になったので、USBバッテリーなどからの給電がやりやすくなりました。
fpも撮影しながらの給電自体は可能なので、決定的な違いとはなりませんが、購入前に頭に入れておきたいポイントではあります。
SIGMAのイメージセンサーといえばsd Quattroで採用されて好評となったFoveonですが、fp LでもFoveonは採用されずに一般的なベイヤーセンサーとなっています。
SIGMAのフルサイズFoveonセンサーカメラは2020年頃に発売予定と噂されていましたが、この計画は生産工場などの関係で一度白紙に戻されています。ただし、計画自体がストップしているわけでなく、今後の研究の進捗によって登場も期待できるということのようです。
fpも撮影しながらの給電自体は可能なので、決定的な違いとはなりませんが、購入前に頭に入れておきたいポイントではあります。
SIGMAのイメージセンサーといえばsd Quattroで採用されて好評となったFoveonですが、fp LでもFoveonは採用されずに一般的なベイヤーセンサーとなっています。
SIGMAのフルサイズFoveonセンサーカメラは2020年頃に発売予定と噂されていましたが、この計画は生産工場などの関係で一度白紙に戻されています。ただし、計画自体がストップしているわけでなく、今後の研究の進捗によって登場も期待できるということのようです。
また、fp Lのセンサー情報を付け足すと、fpとは違いローパスフィルターが採用されています。ローパスフィルターは高周波ノイズを低減しますが、全体的な解像感が落ちるというデメリットもあります。fp Lは高画素機ということで、ノイズ低減を優先したようです。
fp Lは基本フォーマットはfpと同じながら、画素数アップに合わせた変更と、細かなブラッシュアップでさらに魅力的なカメラとなっています。
fp Lは基本フォーマットはfpと同じながら、画素数アップに合わせた変更と、細かなブラッシュアップでさらに魅力的なカメラとなっています。
不自由を工夫で楽しむ
近年発売されるカメラは、最新機能全部載せの万能機が目立つ傾向にあります。
ミラーレスが一眼カメラ開発の中心となってから、高画素かつ高速連写が可能となり、ボディ内手ブレ補正や高機能AFなどが搭載され、初心者でもカメラを買えば一定レベルでの撮影がすぐに可能となります。
しかし、万能というのは必ずしもユーザー全てにフィットするとは限りません。本来撮影スタイルというのは十人十色。万能カメラとはいえ、ユーザーに依っては不足する部分、万能だからこそ過剰で不必要な部分が出てきます。
そもそも撮影は不自由なものです。限られた撮影機材や場所、時間の中でベストな手法を工夫するものです。
SIGMA fpシリーズはイメージセンサーにLレンズマウントとシャッターボタンだけを付けたようなシンプルなカメラにすることで、逆にユーザーに工夫の余地を広くとったカメラです。
今回、SIGMA fp Lの発売と同時にEVF-11という新たな拡張パーツも発売されました。
EVF-11はいわゆる電子ビューファインダーで、fp、fp Lのサイドの三脚穴とUSB Type-C端子に接続することでEVF機能を拡張することができます。EVF-11は角度を90度チルトすることが可能で、固定式のファインダーで難しい角度でも自由に撮影できます。
一見、機能が少なく不自由に見えるSIGMA fpシリーズですが、fp Lが発売され、画素数も選択できるようになり、その可能性はさらに広がったと言えます。
手ブレ対策でさらに自由を
SIGMA fp Lには残念ながらボディ内手ブレ補正は搭載されていません。Lマウントレンズで光学式手ブレ補正を採用しているレンズは少ないので、手ブレというはSIGMA fpの、特に高画素のfp Lにとっては気になる弱点と言えます。
電子手ブレ補正を搭載していますが、これは1ショットで4枚の写真を合成するという特殊手法なので動きモノなどには不向きです。
SIGMA fp、fp Lはボディ内手ブレ補正はありませんが、完全電子シャッターなので、三脚固定すればシャッターショックなどはなく、微ブレも防げます。
また、動画撮影時に電子手ブレ補正の違和感を避けるなら、ジンバルやスタビライザーなどの使用をすることも効果的です。ジンバルやスタビライザーを使う場合は小さなボディのfpは持ちやすく動画撮影が捗ります。
本格的にリグを組んで撮影するときも、小さなボディに外部バッテリーやモニター、SSDなどを装着しても驚くほどコンパクトで、一般的な一眼カメラを使うよりも自由に組み上げることができます。
手持ち撮影時のブレ防止にホールド感をあげたいときも、専用のグリップを拡張する以外にもリグで自分の手にあったグリップを装着することもできます。
Artレンズと組み合わせて高解像度を活かした撮影
SIGMA fp、fp LはLeica、Panasonicなどと共通のLマウントを採用しています。
そんなLマウントカメラの中でもトップレベルの解像度であるfp Lはやはり高い解像力のあるレンズ、SIGMA Artレンズがよく似合います。85mm F1.4 DG HSM | Artなどの明るいレンズと組み合わせれば、約6100万画素が生み出す高精細な写真ができあがります。
もちろん、性能的なバランスは抜群ですが、カメラボディとレンズのバランスはかなりレンズヘビーなので、グリップの拡張やリグでの三脚固定などが必要となるでしょう。
作例紹介
短い単焦点にコンパクトなボディでも得られる写真は驚きのフルサイズ画質です
ビルの窓、1つ1つまで細かく描かれるのが高解像度写真の魅力です
マクロ撮影は電子シャッターを活かした三脚撮影が適しています
望遠レンズも三脚座を使えばバランス良く三脚固定してブレなく撮影できます
高解像度カメラはやはり風景を撮りたくなります
ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- EVF-11は便利なのでボディとセットでの購入がおすすめ
- カラーモードのパウダーブルーは印象的な写真となってかなり良い
- 高解像度でもギスギスした印象ではなく、見やすい解像感
- 自分の見た目に近い写真が作れる
- 小型なカメラでも質感は高く、安っぽさはない
SIGMAの描写に魅せられるというユーザーの声も多く、他のメーカーにはない魅力が詰まったカメラとなっています。
■ ネガティブレビュー
■ ネガティブレビュー
- ローパスフィルターがあるので、ちょっと眠い写真の印象
- AFは暗所ではけっこう迷うことがある
- 現像は純正よりやはりLightroomが使いやすい
- 電源オンから起動までに時間がかかる
- ファンクションボタンがなく、スピーディーな操作には不向き
AFの性能などではやはり開発費や歴史に勝る大手メーカーには譲る部分があります。
まとめ
小型の特殊形状なカメラは単発のみの発売で終わって、あまり発展性がないことも多くありますが、SIGMAではfpからfp Lへと発展しました。fp Lと同時にEVF-11も発売されるなど、SIGMA fpシリーズは今後の発展に期待できます。
fpシリーズが長く続けば、新しい撮影手法のアイデアや便利な拡張パーツなども増え、さらに撮影の自由度は高まっていくことでしょう。
自作パソコンの様に、自分の用途に合ったカメラを組み上げる。そんな未来への期待感もSIGMA fp Lにはあります。
レンズマウント | |
---|---|
レンズマウント | LEICA Lマウント |
撮像素子 | |
センサーサイズ | フルサイズ(36.0×24.0mm) |
有効画素数 | 6,100万画素 |
ダスト低減機能 | - |
映像エンジン | |
画像記録 | |
記録媒体 | SDカード
|
スロット数 | シングルスロット |
記録画素数 | |
画像ファイル | JPEG/RAW/DNG |
動画 | |
4K対応 | ○ |
記録サイズ | |
記録形式 | CinemaDNG/MOV |
ライブビュー | |
フォーカス | 位相差検出方式+コントラスト検出方式 / シングルAF, コンティニュアスAF(動体予測機能付), マニュアルフォーカス |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/8000~30秒 |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 |
露出制御 | |
測光方式/測光分割数 | 評価測光,スポット測光,中央部重点平均測光に切り替え可 |
ISO感度 | 100〜25,600 |
AF | |
測距点 | 最大49点 |
ファインダー | |
視野率 | |
倍率 | |
ストロボ | |
内蔵ストロボ | - |
液晶モニター | |
サイズ | 3.15型(インチ) 210万ドット |
可動式 | |
I/F | |
インターフェース | USB3.1 Gen1 Type-C、HDMIマイクロ |
無線LAN | |
Wi-Fi機能 | - |
ネットワーク | |
NFC | - |
Bluetooth | - |
防塵・防滴 | |
防塵・防滴 | ○ |
手ブレ | |
手ブレ補正機構 | - |
GPS | |
GPS | - |
電源 | |
撮影可能枚数(ファインダー) | 240枚 |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 240枚 |
動画撮影可能時間 | 60分 |
USB充電 | ○ |
使用電池 | 専用リチウムイオン電池(Li-ion バッテリーパック BP-51) |
サイズ・重量 | |
サイズ | 112.6x69.9x45.3mm |
重量 | 375g |
発売日 | |
発売日 | 2021年04月16日 |
価格情報2022.06.27 更新
製品情報
- カテゴリ
- ミラーレス一眼
- メーカー
- SIGMA
- タイプ
- ハイアマチュアモデル
- マウント
- LEICA Lマウント
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SIGMA fp L | Nikon Z 6II | SONY α7R IV(ILCE-7RM4) | OLYMPUS OM-1 | Panasonic LUMIX DC-GH6 | Nikon Z 7 | SONY α7C(ILCE-7C) | |
価格 | 新品:247,499円〜 中古:229,900円〜 | 新品:244,000円〜 中古:229,000円〜 | 新品:269,784円〜 中古:235,000円〜 | 新品:247,772円〜 中古:244,980円〜 | 新品:247,471円〜 中古:255,800円〜 | 新品:264,800円〜 中古:196,900円〜 | 新品:216,810円〜 中古:196,700円〜 |
センサーサイズ | フルサイズ(36.0×24.0mm) | フルサイズ(35.9×23.9mm) | フルサイズ(35.7×23.8mm) | マイクロフォーサーズ(17.4 mm × 13.0 mm) | 4/3型Live MOS センサー | フルサイズ(35.9×23.9mm) | フルサイズ(35.6×23.8mm) |
有効画素数 | 6,100万画素 | 2,450万画素 | 6,100万画素 | 2,037万画素 | 2,521万画素 | 4,575万画素 | 2,420万画素 |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約14.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約120.0コマ/秒 | 最高約75.0コマ/秒 | 最高約9.0コマ/秒 | 最高約10.0コマ/秒 |
4K対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
撮影可能枚数 | 240枚 | 340枚 | 530枚 | 520枚 | 360枚 | 330コマ | 680枚 |
重量 | 375g | 615g | 580g | 511g | 739g | 585g | 424g |
発売年月 | 2021年04月 | 2020年11月 | 2019年09月 | 2022年03月 | 2022年03月 | 2018年09月 | 2020年10月 |