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Canon RF50mm F1.2 L USM
Canon RFマウント
2018/10/25発売
Canonがフルサイズミラーレス用新マウント、RFマウントの発表と同時に公表したレンズ、RF50mm F1.2 L USM。Canonはなぜこのレンズを新マウントで真っ先に発売したのでしょう。RF50mm F1.2 L USMがどの様なレンズなのか、その性能を見ていきましょう。
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著者: enoF
RFマウントを代表するレンズ
50mmの単焦点というと、手頃な価格で「撒き餌」とも呼ばれるEF50mm F1.8 STMの様な開放F1.8の様なレンズが真っ先に思い浮かびます。また、EF50mm F1.4 USMといった開放F1.4のレンズも明るい単焦点で価格差もF1.8とそこまで大きくないので、より明るいレンズを求めるユーザーに人気のレンズです。
それより明るい開放F1.2のレンズでは、例えばEF50mm F1.2L USMと前述のレンズを比べると、10万円以上の価格差があり、レンズ径もかなり大きく重量は倍になります。
50mm F1.2というレンズは、こうしてみると分かる通り、高い需要があるレンズではなく、プロカメラマンなど、どうしてもF1.2が必要な一部分のユーザーに限られるということになります。
では、なぜ、Canonは売れるF1.8やF1.4ではなく、RF50mm F1.2 L USMというF1.2のレンズを真っ先に発売したのでしょう。
CanonはRFマウントを「レンズの未来を作るためのマウント」としています。50mm F1.2というスペック自体は全くをもって真新しいものではありませんが、その光学性能は新次元のものとなっています。
通常、単焦点レンズは、開放ではなくある程度絞って使うことでその光学性能をフルに発揮し、収差が抑えられた最高解像度となります。そのため、単焦点レンズは「開放ではやや甘い」と評価されることも少なくありません。
しかし、RF50mm F1.2 L USMは開放からほぼピークに近い解像力を発揮します。EF50mm F1.2L USMとRF50mm F1.2 L USMを比べてみると、前者は発売が古いとはいえ、性能差は明白なレベルです。
RF50mm F1.2 L USMは、同時に発売されたEOS Rとの組み合わせでは、ボディが役不足と感じさせるほどの光学性能となっています。RF50mm F1.2 L USMはEOS R5やEOS R3など、その後に発売される高性能フルミラボディに合わせて作られたかのような、まさに未来を先取りしたレンズとなっています。
非球面レンズが生み出したCanonの傑作レンズ
球体の一部を切り取ったような、一般的な球面レンズではレンズの中心部を通った光と、周辺部を通った光が必ずしも一点には収束しません。もちろん、ほぼ一点には集まるので、肉眼で観察する望遠鏡などの用途では十分な性能であり、複雑な形状よりも加工しやすい球面形状のレンズは多くの光学製品で利用されています。
しかし、カメラ用のレンズでは、線を線で描き出す高い解像力が求められるので、この現象は無視できません。レンズを通った光をより一点に収束させるには、凸レンズと凹レンズを組み合わせるという手法と、非球面レンズを使うという方法があります。
Canonは1963年から非球面レンズの開発をはじめ、1971年から一眼レフレンズに採用してきました。非球面レンズは、ガラスを研削、研磨する方法と、金型を使う方法があります。非球面レンズは、高度な計算で導かれた、径によって変化する曲率を正確に実現する高い加工技術が求められます。
また、曲率が変化することで加工そのもの手間もかかることからコストがかかり、特に一枚一枚微調整を繰り返し仕上げる研削非球面レンズは非常に高価なレンズとなります。
RF50mm F1.2 L USMはこの研削非球面レンズを2枚と、金型を使って成形したガラスモールド非球面レンズを1枚使用しています。
一方でRF50mm F1.8 STMはコストを抑えるために、樹脂を使ったモールド非球面レンズが採用されています。RF50mm F1.2 L USMとRF50mm F1.8 STMの価格差は、このように、単純に明るさの違いによるレンズ径などの違いだけでなく、そこに注ぎ込まれている技術の違いもあります。
高精度に加工された2枚の研削非球面レンズによって、RF50mm F1.2 L USMは諸収差が非常に良く補正されています。特に色収差は、他のレンズと比較しても群を抜いて抑えられており、その高い解像感を生み出しています。
製品 | ||
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価格 | 新品: 325,888円 中古: 249,800円 | 新品: 29,800円 中古: 26,800円 |
焦点距離 | 50mm | 50mm |
F値 | F1.2〜16.0 | F1.8〜22.0 |
最短撮影距離 | 40.0cm | 30.0cm |
絞り羽根枚数 | 10枚 | 7枚 |
重量 | 950g | 160g |
発売日 | 2018/10/25 | 2020/12/24 |
ポートレートで積極的に使いたいレンズ
ポートレートというと、RF85mm F1.2 L USMの様な85mmの単焦点が、ボケ量や被写体との距離感から最適のレンズと言われますが、室内などの狭い空間ではRF50mm F1.2 L USMの様な50mmの単焦点もよく使われます。
RF50mm F1.2 L USMの高い解像力は、まさにポートレートにうってつけとも言えるレンズで、スタジオ撮影などでは欠かせないレンズとなりそうです。ポートレートの頻度が高いのであれば、RF50mm F1.8 STMに寄り道せずに、50mmはこの1本に決めてしまってよいでしょう。
価格は段違いになりますが、長く使うことを考えれば十分にその価値あるレンズです。
作例紹介
愛用者のコメント
dried.bonito
仕事で著名な料理人の方々の作品やポスター用の料理等を撮影して以来、テーブルフォトや日常の生活写真に興味を持ち、個人でも撮影してきました。現在は撮影の仕事からは退きましたが、出先等での撮影を続けています
自分が撮影する被写体のかなりの割合を占めるのが、生活の中でのテーブルフォトや日常の風景等ですが、50mmは自分が意図する構図に一番近い撮影が出来る焦点距離で、使用頻度が一番高いレンズです。
現在まで何本もの50mmを使用しては交換してきましたが、RF50mm F1.2 L USMは自分の中ではベストのレンズです。開放から全く問題なく使用出来る素晴らしい解像度で、EOS R5のIBISと組み合わせで暗所でも躊躇なく開放が使用出来ます。更に、線が細く繊細な描写だけではなく、明るい単焦点の特徴である立体感や柔らかいボケ味等もトップクラスです。何より長年Canonを愛用してきた理由の一つであるLレンズ独特の色乗りの良さも健在です。
その性能と引き変えに大きく重いレンズであり、単焦点の宿命でもある自分が動いて構図決めをしなくてはならない等、決して使い勝手が良いレンズではありませんが、その描写力には全てのマイナス面を補って余りあるものがあり、出番が一番多いレンズです。
ユーザーレビュー
■ ポジティブレビュー
- 歩留まりを数割高めてくれるレンズ
- ミラーレスになった進化を教えてくれるレンズ
- AFは驚くほど静かで速い
- ボケ味は優しくクリーミーな感じ
- EFレンズとの性能差は拡大して見ると歴然とする
ほとんどのレビューが画質をべた褒めしたもので、購入者の満足度の高さが伺いしれます。
■ ネガティブレビュー
- 大きくて重いということが唯一の欠点
- 手ブレ補正がないのでEOS Rでは注意が必要
- EF50mmのクセのある描画が好きだったが、このレンズは優等生
- 大口径なので仕方ないが、周辺減光は補正が必要
- 50mmにはこの予算はかけづらい価格
その性能を生み出す技術力、開発力への対価としては、その価格も受け入れざるおえないものなのでしょう。
まとめ
Canonは、RFマウントを発表後、明らかにプロスペックのレンズを優先して発売してきました。一眼レフとは違い、フルミラユーザーの多くがプロやハイアマチュアであることを考えれば当然の戦略ではありますが、一般的なアマチュアユーザーにとっては置いていかれた感もあります。
RF50mm F1.2 L USMも50mmの単焦点としては手の出しやすい価格ではありませんが、RFマウントの将来性を指し示すような性能で、アマチュアユーザーもその恩恵を期待したくなる性能のレンズです。
優先順位的に、すぐにこの1本とはいかなくとも、いつかはこの1本と考えさせるレンズとなっています。まさにRFマウントを象徴する1本といえます。
著者
enoF
大学在学中より、編集プロダクションに所属し、様々な雑誌の発行に携わる。 その後、フリーランスとなり、カメラやレンズ関連の記事をはじめ、パソコンやIT関連機器など様々なガジェットに関する記事を執筆するライターに。現在はWeb記事を中心として執筆活動中。
価格情報
単焦点レンズ > 標準
Canon RF50mm F1.2 L USM
新品: 341,696円 / 中古: 249,800円
新品: 330,000円 / 中古: 264,400円
新品: 325,888円 / 中古: 268,530円
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例えば...
FUJIFILM X-T200
57,500円(定額)で買い取ります
製品情報
カテゴリ | 単焦点レンズ |
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メーカー | Canon |
タイプ | 標準 |
マウント | Canon RFマウント |
関連製品
製品 | Canon RF50mm F1.2 L USM (本製品) | ||||
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価格 | 新品: 325,888円 中古: 249,800円 | 新品: 29,800円 中古: 26,800円 | 中古: 10,328円 | 新品: 179,800円 中古: 133,740円 | 新品: 96,500円 中古: 88,800円 |
焦点距離 | 50mm | 50mm | 50mm | 50mm | 40mm |
最短撮影距離 | 40.0cm | 30.0cm | 50.0cm | 45.0cm | 30.0cm |
絞り羽根枚数 | 10枚 | 7枚 | 10枚 | 12枚 | 10枚 |
重量 | 950g | 160g | 200g | 650g | 400g |
発売日 | 2018/10/25 | 2020/12/24 | 2022/08/19 | 2023/10/26 | 2024/01/31 |