Nikon F4

Nikon F4

Nikonで初めてフラッグシップ機としてAF(オートフォーカス)を採用したモデルであり、その後のNikonの未来を切り開いた革新的なカメラ。それがNikon F4です。AFの精度がまだ低かったことなどもあり、Nikonのフラッグシップ「F一桁」シリーズでは最も安価に手に入るモデルとなっています。そんなNikon F4について、当時の歴史やおすすめレンズなどを交えながらご紹介します。

フィルム一眼レフカメラ / Nikon / AF機
新品:
211,842円〜(1)
中古:
10,480円〜(158)

フラッグシップで初めてAFを採用した革新モデル


1988年、Nikonから初のオートフォーカス(以下AF)搭載プロ用一眼レフカメラ、F4が発売されました。F3で採用されたジョルジェット・ジウジアーロ氏のデザインが引き継がれ、AFを搭載したF4とはどのようなカメラだったのでしょうか。

Nikon F4S(高速連射モデル)の外観
出典:flickr(@Josh Hallett)

Nikon F4 / AI AF Nikkor 35mm f/2D
出典:flickr(@Erik Schmahl)

Nikon F4
出典:flickr(@ANGELOUX)

Nikon F4
出典:flickr(@Erik Schmahl)

Nikon F4
出典:flickr(@Burn Park)

そんなF4の紹介に入る前に、当時のフィルムカメラの状況のお話をさせてください。1985年にミノルタから発売された「α-7000」というカメラは、日本で初めて実用的なレベルのAFを搭載し、それまでマニュアルフォーカス(以下MF)が当たり前だったカメラ業界に革命をもたらしました。

通称「αショック」と呼ばれるこの出来事は、各カメラメーカーのAF開発競争を激化させます。NikonもF-501などいくつかのカメラを発売しましたが、商業的な成功は収められませんでした。

そんな状況の中、満を持して世に送り出されたのが、フラッグシップモデルのF4。F3以前のトラディショナルなデザインとは一線を画する、おびただしい数のボタンとダイヤルを備えたボディ。用途に応じて変更出来るファインダーや、優れた耐久性など、「プロの道具」であることを感じさせてくれます。F4は縦グリップの形状によって「F4S」「F4E」とバリエーションが派生し、連射速度に差が生じます。使用用途やデザインの好みによって選択するといいかもしれません。


F4の特徴


先述したとおり、F4の最大の特徴は「AF搭載の一眼レフ」であるということ。ただし、現在のカメラと比べると合焦速度は遅く、ピントが合うのはファインダーの中心だけ、とAFの完成度はまだまだ発展途上であることは否めません。

しかし、F4には他のF一桁台にない特徴があります。それが、MFレンズの使用を強く想定していることと、幅広いレンズの互換性です。AFを搭載しているとはいえ、F4が発売された1988年はまだまだMFでのピント合わせが一般的。それを踏まえてF4は液晶パネルを見ながらの操作ではなく、物理ダイヤルで一つ一つ行います。この操作感は以降の「F5」「F6」では味わえないF4独自のもの。

ピントの山を掴みやすいファインダーも、MFレンズを使う際に大きなメリットとなってくれるでしょう。AFとMFのいいとこ取りが出来るのがF4です。

Nikon F4 / Cosina Voigtländer NOKTON 58mm F1.4 SLII N
出典:flickr(@being0828)

Nikon F4
出典:flickr(@Peter)

Nikon F4 / Cosina Voigtländer NOKTON 58mm F1.4 SLII N
出典:flickr(@being0828)


対応マウントについて


AFとMFの両方の使用を想定している「F4は、Nikonのカメラの中でも随一のレンズ互換性を備えています。具体的には、1959年から続くFマウントレンズのほぼ全てを装着することが出来ます。
 
その中には機能は制限されてしまいますが、現行のAF-Sタイプのレンズも含まれています。MFレンズはもちろん、絞りをレンズ側で決定するタイプのレンズであれば全ての機能を使うことができます。ただし、電子信号で絞り値を決定するGレンズ、手ブレ補正搭載のレンズは全ての機能を使うことができないので注意が必要です。


おすすめレンズ「Nikon Ai Micro-Nikkor 55mm f/2.8S」


「せっかくのAF搭載機なのにMFレンズをおすすめするの?」と思われるかもしれませんね。F4はそのファインダーの見やすさから「最強のMFカメラ」とも呼ばれており、ピント合わせの快適さはピカイチ。
 
最短0.25mまで寄ることができ、繊細なピント合わせが要求されるこのレンズはF4との相性が抜群です。遠景の描写もオールドレンズとは思えないほど解像度が高く、開けてよし、絞ってよしの万能レンズとして頼もしい存在になるでしょう。


中古市場の流通状況や相場


F4は外装がプラスチックで覆われており、経年変化でテカテカしてしまうことや、AFの性能がまだそれほど高くないことが重なって中古相場は抑えめ。
 
状態や縦グリップの有無にもよりますが、1万円~2万円で手に入れることができるでしょう。F3が2万円~4万円、以降のF5、F6に5万円前後の値段が付けられていることを考えると、気軽な気持ちで始められるF一桁台といえるかもしれません。都内の中古カメラ屋にも、十分な数が流通していますので、問題なく見つけることができるはずです。
 

まとめ


いかがでしたでしょうか。AFを搭載し、幅広いFマウントレンズを楽しめるNikonF4。
当時の技術がギュッと詰まった、Nikonのフラッグシップモデルをぜひ体験してみませんか?
レンズマウント
型式

モーター内蔵電子制御式35mmフィルムAF一眼レフ

レンズマウントNikon Fマウント
ファインダー
視野率100%
倍率約0.75倍
ミラー
露出制御
測光方式マルチパターン測光、中央部重点測光、スポット測光
測光範囲

EV0〜21

露出モード/撮影モード

P(標準プログラムオート)・PH(高速プログラムオート)・S(シャッター優先オー卜)・A(絞り優先オート)・M(マニュアル)

ISO感度

6〜6400

多重露光
シャッター
シャッター速度1/8000〜30秒
巻き上げ・連写速度最高約4.0コマ/秒
レリーズ機能
セルフタイマー
AF
AF方式TTL位相検出方式
測距点1点
電源
使用電池単三電池x4
サイズ・重量
サイズ169×118×77mm
重量1,090g
発売日
発売日1988年12月01日