HOMEズームレンズCanon EF16-35mm F2.8L III USM
Canon EF16-35mm F2.8L III USM

Canon EF16-35mm F2.8L III USM

Canonの大三元レンズの中で最も早くIII型に更新されたEF16-35mm F2.8L。望遠域をカバーするEF70-200mm F2.8も2018年にIII型となりましたが、I型もまだ販売されているところもあります。一方で、標準レンズはII型が2012年に発売されましたが、III型は8年経っても発売されていません。なぜEF16-35mm F2.8Lはいち早くIII型に更新されたのか、その理由を紐解きながら、本レンズの魅力を開設します。

ズームレンズ / Canon / 広角
新品:
229,726円〜(93)
中古:
168,880円〜(40)

ようやく完成したCanonの広角大三元


Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F2.8L III USM


Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F2.8L III USM


Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F2.8L III USM


EF16-35mm F2.8Lは2007年のII型の発売から約9年でIII型の発売となりました。大三元の中で最も早くIII型への更新となったということは、Canonの中でも開発の優先順位が高かったことは容易に想像できます。

もちろん、70-200mm F2.8もIII型が登場したので、標準ズームの更新も順次となるのでしょうが、単に順番が早かったということだけが理由ではなさそうです。マーケティング力のあるCanonですから、ユーザーの声に応えて、つまり広角レンズはユーザーの満足度が低かったということも考えられます。

というのも、Nikonの広角レンズが神レンズと称されていることに比較すると、Canonの広角はそこまでのパフォーマンスはありませんでした。Nikonの広角ズーム神レンズはAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDで大三元の広角ズームとしてはCanonと焦点距離が異なります。

テレ端が35mmある方が標準域での撮影もできて使い勝手良いということで、広角ズームでは16-35mm付近の焦点距離がよくラインアップされ、NikonもF2.8では14-24mmですがF4では16-35mmのレンズがラインアップされています。

CanonはF2.8でも利便性を優先して16-35mmを採用しましたが、II型までは広角端での周辺部の描画力の評判が良くありませんでした。広角レンズでは「周辺が流れる」などと表現されますが、周辺部の描画が流れるようにブレるということがあります。EF16-35mm F2.8Lは絞り開放で撮影すると「周辺が流れて使えない」という評価が多くありました。これは16-35mmという14-24mmよりも高い倍率の広角ズームとしてはある程度やむを得ない部分だったのかもしれません。

しかし、EF16-35mm F2.8L III USMはこの周辺の流れを大きく改善し高評価のレンズとなりました。もちろん周辺の流れだけでなく、中心部の解像力や全体の歪曲収差、色収差なども向上しており、今までのCanon広角ズームレンズに対する評価を一変させています。

ただし、周辺の解像力が向上したEF16-35mm F2.8L III USMですが、唯一、周辺減光だけ評価が悪くなっています。やはり明るい16-35mmは光学的に全てを完璧にコントロールすることは難しいようです。

中古のCanon広角ズームを検討する場合は、周辺減光と周辺の流れをトレードオフとしてII型にするかIII型にするかという選択をするとよいでしょう。ちなみにIII型は中古市場でも人気が高く、程度の良いものは新品との差額が5〜6万円程なので新品で買うか中古にするかは悩ましいところです。

話を戻しますが、周辺減光はデジタル補正が可能なので、CanonのデジタルレンズオプティマイザやRAW現像時のレタッチなどで軽減すればそこまで大きく不満が積もるものではなさそうです。

結果的にはEF16-35mm F2.8L III USMの登場により、Canon大三元はどれをとっても高評価のレンズが揃う形となりました。

Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F2.8L III USM
デジタル補正も加えれば周辺減光はそこまで気にすることはなさそうです

Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F2.8L III USM
F2.8で星空撮影すれば、シャッタースピードは30sで十分な写真が撮れます

Canon EOS 5D Mark IV / EF16-35mm F2.8L III USM
歪曲収差が目立ちやすい建物撮影でもワイド端16mmで問題なく撮影できます


ところで明るい広角ズームは何に使いますか?


EF16-35mm F2.8L III USMの登場でCanon大三元は完成の域に達したと言っても過言ではありません。

ところで広角域に大三元は必要でしょうか。F2.8の明るさは魅力ですが、明るいレンズの描画力を求めるのならば単焦点レンズで撮影した方が良いに決まっています。使用頻度の高い標準や、F2.8でも大きくボケる中望遠などは明るいズームレンズのメリットがありますが広角ズームはどうなのでしょう。

大三元という魔物に魅せられて、3本揃えないといけないものとも思わせられますが、広角は単焦点ではダメなのでしょうか。また、広角での撮影ではパンフォーカスでシャープな描画にするためにある程度絞って使うことも多くなります。それであるならば、F2.8まで明るくなくともEF16-35mm F4L IS USMぐらいの明るさでも良さそうです。

従来のEF16-35mm F2.8Lであれば、開放では周辺の流れもあるので絞ることも多く、評価も高いEF16-35mm F4L IS USMでも代役となったかもしれません。しかし、周辺の流れが改善されたEF16-35mm F2.8L III USMならば、明るい広角ズームならではの撮影に使えそうです。

ウェディングフォトなど、屋内の撮影で照明が明るくなく撮影ポジションが限られる場合、明るい広角ズームならシャッタースピードも稼げますし、1枚の写真の中に多く人を撮影でき、集合写真などでは特にその効力が感じられます。また、室内競技のスポーツ大会やお遊戯会など子供相手の撮影でも明るい広角ズームが必要な撮影となりそうです。

その他にも、ポートレートで背景を入れて全体の雰囲気も画角に入れながら、被写体を目立たせるために背景をボカすといった撮影でも明るい広角ズームの出番となります。

EF16-35mm F2.8L III USMという高い解像力のある明るい広角ズームの登場で、今までとは違った角度からの撮影も挑戦したくなります。

Canon EOS 6D / EF16-35mm F2.8L III USM
屋内撮影は明るい広角ズームが便利ですね。

Canon EOS 6D / EF16-35mm F2.8L III USM
ボケにくい広角でもF2.8なら十分なボケが得られます


ネット上のユーザーレビュー


■ポジティブレビュー

  • 色収差が少なく、星空撮影には最強の広角ズーム
  • 出目金ではないので保護フィルターが使えて安心
  • 手ブレ補正はないが、広角なので特に気にならない
  • AFは速度も精度も申し分なく、フルタイムマニュアルでピント位置を変えられるので使いやすい
  • II型からほとんどの欠点が改善された

フィルターが使える明るい広角ズームという点は、実用面からかなりの高評価に繋がっています。

■ネガティブレビュー

  • 動画では絞って使うと光量落ちしたり、ズーム時のノイズがあるので向いていない
  • EF16-35mm F4からの買い替えではそこまで効果を感じられない
  • デカくて重くて高い
  • 焦点距離によってはそれなりに歪みが出る
  • 暗い場所ではやはり手ブレ補正が欲しくなる

意外と周辺光量落ちへのネガティブなレビューはありませんでした。データ程は体感できるような光量落ちはないと言えます。


まとめ


周辺が流れるという弱点から広角ヘビーユーザーはNikonに流れるという傾向がありました。しかし、EF16-35mm F2.8L III USMの登場により広角でも安心してCanon大三元が使えるようになりました。

明るい広角ズームは風景だけでなく、ポートレートや物撮りなど、様々なシチュエーションで活用できるので、是が非でも揃えたくなる、物欲がそそられる魔力ともいえる魅力がCanon大三元には備わってしまいました。
基本仕様
対応マウントCanon EFマウント
フォーカスAF/MF
フルサイズ対応
APS-C専用-
レンズ構成11群16枚
絞り羽根枚数9枚
焦点距離

最短撮影距離28.0cm
最大撮影倍率0.25倍
開放F値F2.8〜22.0
画角108.1~63度
手ブレ補正機構-
防塵
防滴
サイズ・重量
最大径×長さ88.5x127.5mm
重量790g
フィルター径82mm
発売日
発売日2016年10月01日