製品解説
スペック情報
ディズニーランドに持っていくには最適のカメラ
もし、自分が家電量販店の店員で、お客さんに「今度、ディズニーランドに行くんですけど、写真を撮るのに最適のカメラはありますか?」と聞かれたら、真っ先にオススメするのがCANON EOS M6 Mark IIです。
いくら高画質を求めるならフルサイズとはいえ、ディズニーランドに大きな一眼レフやフルサイズミラーレスを持っていくでしょうか?長時間持ち歩くことができ、アトラクションに乗っても邪魔にならない大きさで、なおかつスマホでは撮影出来ないデジタル一眼画質で撮影可能なのはAPS-Cミラーレスです。
近年はフルサイズミラーレス競争が激化しているので、APS-C機の更新は各メーカーとも遅れがちではありますが、その中でも蓄積されたカメラノウハウと確かな技術でAPS-Cも更新し続けられるのがCanonというメーカーです。
CANON EOS M6 Mark IIの魅力はなんと言っても約3250万画素という圧倒的な高解像度です。プロ向けフラッグシップ機であるEOS-1D X Mark IIIをみてもわかる通り、デジタル一眼の解像度は2000万画素前後で落ち着いてきています。というのも、2000万画素あれば、ポスターでも印刷しない限りは十分な画素数だからです。
センサーサイズの小さなAPS-Cにさらに小さな受光素子を2000万以上埋め込むには高い技術が必要となりますが、Canonはセンサーも自社開発で高い技術力があるので、APS-Cとしては圧倒的と言える3250万画素を実現しました。もちろん、普通にプリントするだけなら3250万画素はオーバースペックともなりますが、トリミングを前提とすれば高画素は大きなメリットとなります。
ディズニーランドの様なテーマパークでの撮影の場合、撮影ポジションが限られることも多く、構図がその場で決められないので後でトリミングをして構図を整える必要が出てきます。3250万画素あればかなり自由にトリミングできるので、テーマパーク撮影でも失敗が少なくなります。
ディズニーは一例ですが、長時間歩き回り、撮影シーンが多くポジションが限られているようなシーンにおいては、超高画素、コンパクトミラーレスAPS-C機は大きな魅力なのです。
画素数以外についてもEOS M6 Mark IIは初代EOS M6から大きく進化し使い勝手が向上しています。また、AFに関してはミラーレス定番の瞳AFへの対応の他、動く被写体へのAF追尾性能も向上しています。
さらに最高14コマ/秒の連写性能があるので、カメラ初心者でも動く被写体をベストショットで撮影できます。連写はRAWバーストモード、画素数を1800万画素に制限することで30コマ/秒までもアップさせることができます。その他にも無音シャッターに対応することでシャッター音を出せない状況でも撮影が可能です。
様々なシチュエーションにも対応することができるのがEOS M6 Mark IIです。
SONY α6400との比較は?
コンパクトミラーレスAPS-C機という点から見ると、SONYのα6400と比較してみてどうなのでしょう。
SONYにはα6600という上位モデルもありますが、価格帯的にライバルとなるのは6400でしょう。α6400はEVFが標準装備で、フルサイズミラーレスと共通のEマウントということで玄人目にはより写真を撮りやすそうに見えます。確かにSONYのAPS-C機はフルサイズと共通のEマウントなので装着できるレンズの数はフルサイズとAPS-Cミラーレスでマウントの異なるCanonよりも多くなります。
ちなみに、EOS M6 Mark IIはEVFは後付け可能で、フラッシュ内蔵搭載ではあります。また、レンズの数もマウントアダプターを使えばレフ機レンズが全て使えるので、選択肢は広がります。
さて、レンズの本数などは初心者がカメラを選ぶときに大きな差となるのでしょうか。
もちろん、もし本格的に撮影をはじめるのであれば、ゆくゆくはフルサイズに移行することも見据えてAPS-Cを使いながらフルサイズレンズ買い揃えていくという方法もあります。しかし、そこまで考えずに、テーマパークや子供の記録など、ちょっとした撮影しかしないのであれば、高価なフルサイズレンズを買い集める必要はありません。
そう考えるとレンズの選択肢でもCanonもSONYも差はありません。
CanonのAPS-CミラーレスマウントであるEF-MマウントにはEF-M18-150mmという便利な高倍率ズームがあり、これさえあればテーマパークをはじめとして大抵の撮影はこなせてしまいます。単焦点レンズで本格的な撮影をしたいということでなければ、レンズの選択肢はSonyよりもむしろCanonにメリットがあります。
さらに、M6IIの3250万画素とα6400の2420万画素という差は大きく、さらにAF作動がM6 IIが-5EVであることに対して、α6400は-2EVであるということも大きな差です。AFには明るさによって作動限界がありますが、M6 IIの方がより暗い中でもAFを効かせて撮影が可能です。例えば、ディズニーランドのナイトパレードではパレードはもちろんのこと、パレードを見る家族にも暗い中でAF任せでピント合わせが可能となります。
また、コンパクトでありながらグリップが持ちやすいという評価が多いこともM6 IIの魅力です。コンパクトなカメラはどうしても指がカメラにフィットせずに持ちにくくなりますが、M6 IIのグリップは小指があまったりもしにくく、しっかりと握り込めると好評です。
CanonはEOS Kissシリーズでもわかる通り、初心者ライクなカメラを作るノウハウに長けています。カメラ初心者が手軽に撮影するためのカメラとして選ぶのであればEOS M6 Mark IIには多くのメリットがあります。
ミラーレスならではの弱点も内在
手軽に持ち運ぶカメラを求める初心者にとってはマストバイとも言えるEOS M6 Mark IIですが、改善してほしいと要求したくなる点もあります。
まず1つ目がCanonとしては珍しくチルト液晶を採用している点です。Canonといえば、可動の背面液晶はバリアングルが一般的ですが、M6 IIはチルト液晶です。チルト液晶でも自撮り可能な向きに液晶を動かすことができますが、ハイアングルでは45度までしか動かないので制限が出てきます。おそらくコンパクトさを優先してのことと思いますが、バリアングルに慣れたCanonユーザーとしてはもうちょっと頑張って欲しかったところです。
後は、バッテリーももうちょっと長持ちしてくれると予備バッテリーが不要となるので、改善が求められるところです。メーカー発表では1バッテリーで300枚の撮影が可能で、実際には500枚以上の撮影が可能ですが、一日中撮影するのなら予備バッテリーがないと不安な枚数です。これはM6 IIに限らず、ミラーレスの潜在的な問題点ですが、Canonはバッテリー単体の価格が高いのでさらに問題といえます。
チルト液晶については一応自撮りも可能で、バッテリーもぎりぎり1日もつという点では大きな問題ではありませんが、いつでも傍に置いておきたいカメラだけに、細かいところにも要求ポイントが出てきてしまいます。
ネット上のレビュー
■ ポジティブレビュー
- EOS M3よりはやや大きいが十分にコンパクト
- α6400には撮れないがM6 IIには撮れる画がある
- 3250万画素あるのでA1サイズまで余裕でプリントできる
- アダプターを介して超望遠を組み合わせれば高速連写で野鳥が撮れる
- Canonミラーレスとして価格を考えれば十分な機能性
高画素、高機能に評価が高く、野鳥撮影で使うというレビューも多くみられました。
■ ネガティブレビュー
- メカシャッターはけっこうな音がする
- 1日の撮影ではバッテリーが2個必要
- 内蔵フラッシュは不要なので、EVFを搭載してほしかった
- レンズラインアップが少ないのでアダプターは必須
- 老眼では背面モニターだけでは撮影しにくい
やはりEF-Mマウントということでレンズの少なさは気になるユーザーが多いようです。
まとめ
EOS M6 Mark IIはEF-MマウントということでCanonフルミラのRFマウントとは別マウントなので本格的にカメラを趣味として始める場合は敬遠されることもあります。
しかし、手軽に撮影したいという場合や、高画質な写真を撮りたいけどカメラは出来るだけコンパクトに持ち運びたいという場合は1番最初にオススメとなるカメラです。特にディズニーランドの様に、撮影だけが目的ではないけれど綺麗な写真が撮りたい場合は特に最適な選択肢です。
Canonカメラらしい、初心者でも扱いやすい撮影サポート機能やミラーレスならではの高機能が、素敵な思い出写真やインスタ映え写真を生み出してくれます。
レンズマウント | |
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レンズマウント | Canon EF-Mマウント |
撮像素子 | |
センサーサイズ | APS-C(22.3×14.8mm) |
有効画素数 | 3,250万画素 |
ダスト低減機能 | ○ |
映像エンジン | DIGIC 8 |
画像記録 | |
記録媒体 | SDカード
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スロット数 | シングルスロット |
記録画素数 | L(ラージ):約3230万(6960×4640)画素
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画像ファイル | JPEG/RAW |
動画 | |
4K対応 | ○ |
記録サイズ | 4K(4096×2160):25.00p
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記録形式 | MP4 |
ライブビュー | |
フォーカス | デュアルピクセルCMOS AF方式 |
シャッター | |
シャッター速度 | 1/4000~30秒 |
連続撮影速度 | 最高約14.0コマ/秒 |
露出制御 | |
測光方式/測光分割数 | 撮像素子による384分割測光 |
ISO感度 | 100〜25,600 |
AF | |
測距点 | 最大143点 |
ファインダー | |
視野率 | |
倍率 | |
ストロボ | |
内蔵ストロボ | ○ |
液晶モニター | |
サイズ | 3インチ 104万ドット |
可動式 | チルト式液晶 |
I/F | |
インターフェース | HDMIマイクロ、USB Type-C |
無線LAN | |
Wi-Fi機能 | ○ |
ネットワーク | |
NFC | - |
Bluetooth | ○ |
防塵・防滴 | |
防塵・防滴 | - |
手ブレ | |
手ブレ補正機構 | - |
GPS | |
GPS | - |
電源 | |
撮影可能枚数(ファインダー) | |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 常温(23℃)約305枚 |
動画撮影可能時間 | 常温(23℃)約1時間20分 |
USB充電 | - |
使用電池 | 充電式リチウムイオン電池LP-E17 |
サイズ・重量 | |
サイズ | 119.6(幅)×70.0(高さ)×49.2(奥行)mm |
重量 | 361g |
発売日 | |
発売日 | 2019年09月27日 |
製品情報
- カテゴリ
- ミラーレス一眼
- メーカー
- Canon
- タイプ
- エントリーモデル
- マウント
- Canon EF-Mマウント