FUJIFILM XF33mmF1.4 R LM WR

高い要求にも応えられる、最新基準の高性能標準単焦点レンズ

Xマウントにおける標準域単焦点の定番レンズとして、黎明期に登場したXF35mmF1.4 Rが長らく君臨。これはレンズの選択肢が無いというわけではなく、単純に、APS-C規格の標準域単焦点レンズとして、XF35mmF1.4 Rの完成度が高かったからです。35ｍｍ判換算で約53mmの画角にF1.4という明るさをもちながら、重さ約187g、長さ50mm程度と小型軽量。レンズ構成は伝統的で無理のない6群8枚のガウスタイプなので、開放から実直な写りを発揮してくれます。

そんなXF35mmF1.4 Rも2012年のレンズ。進化が著しく、ミラーレスが一眼レフから取って代わる存在となった今では、AF速度の遅さや動作音など、前時代的な部分がより浮き彫りになってしまいました。

そこで登場したのが、今回紹介するXF33mmF1.4 R LM WR。XF35mmF1.4 Rよりも重くて大きくはなっていますが、それでも重さ約360g、長さ73.5mmに収められているので、F1.4レンズとしては充分及第点。35mm判換算で正真正銘の50mmとなり、50mmに慣れ親しんだ方がよりしっくりくる画角となっています。

描写面、駆動面、どちらも最新基準に。 XF35mmF1.4 Rが6群8枚（うち非球面レンズ1枚）なのに対して、XF33mmF1.4 R LM WRは10群15枚、そのうち非球面2枚とED3枚という非常に贅沢な内容に。これによって、各収差が大きく抑制されており、さまざまなシチュエーションにおいて平滑で高精細な描写を実現しています。F値の変化で描写性能が大幅に変わったりもしないので、被写界深度の変化における表現に集中もしやすいです。

AF駆動はリニアモーターとインナーフォーカスで素早く静音。現代のミラーレス機はコントラストAFよりも位相差AFが主流の素早い合掌性能が求められているため、最新機との組み合わせでも安心してそのパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。

特別な一枚を生み出すための常用レンズとしても最適な規格

標準域単焦点レンズとなると、常にカメラ本体につけておける常用レンズとなりうるかが気になるところ。 XF35mmF1.4 Rや、小型軽量のプライムレンズであるXF35mmF2 R WRなどと比べると大きく重いですが、常に特別な一枚にこだわる人には、性能面とのバランスが取れたボリュームと言えるでしょう。

描写性能やAF精度に加えて、最短30cmと充分な近接性能も備わっているので、テーブルスナップや被写体をクローズアップしながらの風景写真などにも対応。また、XF35mmF1.4 Rとの大きな違いの一つである、防塵防滴性能搭載レンズなので、屋外での使用も気兼ねなく行えることも、常用レンズとして見逃せないポイントです。

作例紹介

愛用者のコメント

機材を選んだ理由・お気に入りの点

• XF35mmF1.4 Rを使う中で、AFが遅いと感じることが多々あったから。
• このレンズはかなりシャープにうつり、色のノリも良く、かつAFも早いため、どのフィルムシミュレーションでも決定的な瞬間をしっかり映せる。
• 35mmF1.4、35mmF2のどちらも使用していたが、被写体がくっきり写り、かつボケが綺麗に映るのは33mmF1.4だと感じたため。
• 絞り開放から被写体がくっきり映るため、開放から使う事が容易で、表現の幅が広がったから。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• XF35mmF1.4 Rに慣れているとAF性能の良さに驚く
• 安心できる高精細な描写性能
• 絞りリングが使いやすい
• 満足度の高い質感
• 他の同タイプレンズよりも重いが、性能を考えると納得できる

XF35mmF1.4 Rに慣れ親しんだ方は、特に駆動面での大幅な進化に驚きが隠せない模様。描写性能への評価も非常に高いです。

■ ネガティブレビュー

• 表現力に欠けているように見える
• フードを四角にしてほしかった

描写力が高いことへのカウンターとして、癖のない写りがつまらないという意見もちらほら。その辺りはフィルターや現像でカバーできると思うので、あまり気にしなくても良さそうです。

まとめ

Xマウントにおける新世代の標準単焦点レンズXF33mmF1.4 R LM WR。常用はもちろん、高い描写性能と駆動性能は、プロユースのシビアなシチュエーションでも力を発揮してくれることでしょう。価格面もXF35mmF1.4 Rより大幅に高額なわけではないので、自分の用途と鑑みて、選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。