SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS｜Contemporary [ソニーE用]

SIGMAのライトバズーカがついにミラーレスに登場

超望遠撮影というと、高価な超望遠レンズを使い、一脚などでカメラとレンズを保持するなど大掛かりな撮影というイメージがありました。

しかし、SIGMAが100-400mm F5-6.3 DG OS HSM｜Contemporaryを発売したことで一変。10万円を切る価格で購入でき、手持ちでも十分保持出来る重さのレンズで、まさに「ライトバズーカ」の愛称がぴったりなレンズ。

そんなライトバズーカをフルサイズミラーレスマウントに最適化してリニューアルしたレンズが100-400mm F5-6.3 DG DN OS｜Contemporary。見た目としては、外寸86x199.2mm、フィルター径67mm、重量1,140gで、一眼レフ版とフィルター径は大きく変わらず、フルミラ化でコンパクトになることを期待していた人にとっては少々残念かもしれません。

しかし、そもそも100-400mmズームレンズとして考えれば十分にコンパクト。SONY純正のFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GMがフィルター径77mm、重量1,395gであることを考えると、そのサイズ感が十分ライトバズーカに値するとわかります。

今回のフルミラ化での注目ポイントは、単に100-400mm F5-6.3 DG OS HSMをフルミラのフランジバック長に合わせて延長したとかではなく、光学設計はフルミラマウントに最適化すべく再設計されているという点。

FLDレンズが新たにレンズ構成に加えられていて、色収差や歪曲収差、フレア、ゴーストは最小限に抑えられています。それによって、SIGMAらしい、ズーム全域、画面全域で高解像かつ均質な写真を撮ることができます。高解像化の進むフルミラに十分対応できる光学性能があります。

周辺光量、倍率色収差、歪曲収差については、サードパーティレンズですがカメラボディでの補正にも対応。また、AF速度も申し分なく、動き回る被写体でもAF追従でストレスなく撮影できます。手ぶれ補正OSは最高4段分の性能があり、ライトバズーカらしい安定した手持ち撮影が可能です。

このようにフルミラ版になってライトバズーカは更に進化をしていることが分かります。

AFLボタンや、三脚座など使い勝手の良さが光る

光学設計がフルサイズミラーレスに合わせて設計されている他にも、一眼レフ版とはいくつか違いがあります。

まず、目につくのがAFLボタンが装備されているという点。近年、フルミラ用レンズには、コントロールリングやAFLボタンなど、カスタムして本体操作と連動する操作系が搭載されているものが多くなっています。

SONY純正レンズにはフォーカスホールドボタンがあり、AF中にピント位置を固定できる他、カスタムキー設定で別の機能を割り当てることができます。100-400mm F5-6.3 DG DN OSに搭載されているAFLボタンも同様に様々な機能を割り当てることができるので、純正レンズと同様の操作感で撮影できます。

もう1つ一眼レフ版との大きな違いで、歓迎されているのが、三脚座に対応しているという点。一眼レフ版ではSIGMA純正では三脚座に対応しておらず、三脚座を使いたい場合はサードパーティ製の特殊な形の三脚座を用意しなければなりませんでした。「ライトバズーカ」なので、手持ち撮影が出来るということで三脚座は設計に組み込まれなかったと考えられますが、三脚座は三脚や一脚での固定だけでなく、レンズをホールドするときの持ち手になったりもするので、三脚座を求める声は多くありました。

100-400mm F5-6.3 DG DN OSは三脚座に対応して設定されているのでSIGMAから別売りされている三脚座を購入すれば、レンズボディにフィットした三脚座を使うことができます。SIGMAから販売されている三脚座はアルカスイス互換だったり、ストラップマウントが搭載されていたりと非常に機能性も高い三脚座となっています。

愛用者のコメント

登山をしながら風景や野鳥を撮影することがあるのですが、遠くの景色をぐっと引き寄せたり、平地では見かけない珍しい野鳥に遭遇したり、登山の際に望遠レンズが活躍する場面は多くあります。

しかし、超望遠レンズは重すぎて登山に持っていくにはしんどい。そこで選んだこのレンズ。1,140gと軽量なのでギリギリ登山にも持って行ける重さ。焦点距離もAPS-Cクロップで35㎜換算600㎜まで撮れるので野鳥撮影にも使える。私の撮影スタイルにピッタリなレンズでした。

他のメーカーにも似たような重量、焦点距離のレンズが出ていますが、このレンズを使っているのは直進式ズームと回転式ズームの両方を備えているからです。野鳥など素早く動く被写体を狙うときは直進式ズームが使いやすいと感じています。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• コンパクトなミラーレスにピッタリのコンパクトなレンズ
• 三脚座にストラップが通せるので、マウントへの負荷が気にならない
• ファインダーで目に見えてわかる手ぶれ補正性能の高さ
• 運動会の手持ち撮影ではほぼ手ブレの影響はなかった
• 直進ズームが扱いやすくて便利

手ぶれ補正に関する高評価が多くありました。OSの効きはかなり良好なようです。

■ ネガティブレビュー

• ミラーレス用レンズとしてはちょっと重く感じる
• 背景が込み入っていると、ボケは少々ざわつく感じ
• ライブハウスなどの室内撮影ではちょっと暗い
• ズームリングの回転方向がSONYとは逆なので慣れが必要
• 高画素機で使う場合はやや荷が重い感じ

やはり、純粋に高額性のみを比較すると純正の高級レンズにはやや劣る部分もあります。

まとめ

一眼レフでコンパクトで入手しやすい価格帯の超望遠ズームとして人気だったライトバズーカがフルサイズミラーレスに対応して新発売されました。

100-400mm F5-6.3 DG DN OS｜Contemporaryはサイズ感は一眼レフ版とほぼ同じですが、光学系を新設計にしたことで、最新フルミラの解像力に対応。機能面でもカスタム可能なAFLボタンを搭載したり、三脚座のオプションがあったりと、一眼レフのライトバズーカよりも進化しています。

ミラーレスでライトに超望遠に挑戦しようとする際には最良の選択肢となる１本です。