TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) [ソニーE用]

TAMRONが生んだ大人気のF2.8レンズ

TAMRONの大人気レンズ、28-75mm F/2.8 Di III RXD。人気の秘密はなんといっても、開放F2.8の標準ズームレンズでありながら、非常に軽量コンパクトであるということです。

フィルター径はTAMRONレンズでよく採用されている67mm、全長117.8mm、重量550gとなっています。SONY純正レンズのFE 24-70mm F2.8 GM IIが、全長119.9mm、重量695gということで、純正レンズもGM IIになってコンパクトになったと評判ですが、それよりも一回りコンパクトになっています。

TAMRONは、ミラーレス用レンズにおいて、明るいレンズをコンパクトにするということを重要視しています。開放F値が小さい明るいレンズはどうしても大口径になり、持ち運びにくいというデメリットが生じてしまいますが、ミラーレスのショートフランジバックマウントは、マウント側に大きなレンズを設置できるので、全体としてコンパクトに設計できるというメリットがあります。

TAMRONはこのメリットを最大限に活かし、さらに広角端を28mmスタートとすることで、光学性能に無理なく小型化することを実現しました。

28-75mm F/2.8 Di III RXDの登場で、TAMRONのレンズラインナップに17-28mm F/2.8 Di III RXD、70-180mm F/2.8 Di III VXDと揃い、開放F2.8通しのズームレンズ、いわゆる大三元レンズが完成しました。

TAMRONはこの3本をフィルター径67mmで統一しており、３本とも焦点域が一般的に採用される大三元レンズの焦点域とは異なりますが、3本揃えるとこで焦点距離も繋がることとなりました。

さて、コンパクトとはいえ、光学性能が犠牲になっていては意味がありません。

28-75mm F/2.8 Di III RXDはSONYのカメラ内レンズ補正に対応し、周辺光量、倍率色収差、歪曲収差をデジタル補正に任せることで、全体として高い光学性能となっています。28-75mm F/2.8 Di III RXDはTAMRONの技術が集結した、TAMRONらしいコンパクトなレンズです。

中古市場で注目のレンズ

このレンズは2021年10月に28-75mm F/2.8 Di III VXD G2という後継レンズが発売されています。そのため、新品レンズは在庫のある極限られた店舗でのみ購入できます。

一方で注目なのが、中古市場です。このレンズの中古市場での特徴ですが、新品価格とあまり差がない価格で販売されているということです。既にG2が発売されているので、新品が底値ということもありますが、人気のレンズという理由が一番大きくなっています。

28-75mm F/2.8 Di III RXDは2018年の発売当初から、供給不足となるほど人気のレンズでした。その後も、そのコスパの高さから人気は衰えることなく、中古価格も高くなっています。

とはいえ、新品で購入するよりは安く、人気のレンズということは市場にも美品のものが多く、中古で購入しやすいレンズといえます。

既に発売されているG2とは何が違うのか

さて、気になるのが2021年10月に発売された、28-75mm F/2.8 Di III VXD G2との違いではないでしょうか。

もちろん、予算が許すのなら最新のG2を購入するのが良いでしょう。ただ、新品の28-75mm F/2.8 Di III VXD G2と中古の28-75mm F/2.8 Di III RXDでは4万円ほどの価格差があります。この価格差と性能差がどちらを購入するかのポイントとなりそうです。

性能差としては、光学性能と、信頼性、AF速度があります。AFは駆動方式がRDXというステッピングモーター駆動から、VXDというリニアモーター駆動に変更されました。ここが1番大きな性能差といえます。RDXからVXDに変更されたことでAF速度は約2倍に向上しています。

外観にはサイズ等、大きな変更はありませんが、塗装やリングのストライプパターンにマイナーアップデートがあります。

光学性能は、より周辺部の描写が向上されていて、全体的なブラッシュアップがされています。

ここに使い手が4万円の価格差を見いだせるかということがG２を購入するか28-75mm F/2.8 Di III RXDを購入するかの分かれ目となります。

愛用者のコメント

普段はSONYのα7IIIを使用しています。瞳AFの性能に惹かれてα7Ⅱから買い換えました。純正レンズやサードパーティーレンズのほか、ｅマウントのフランジバックを活かしたオールドレンズでの撮影を楽しんでいます。

様々なレンズの中でも使用頻度が高いのはタムロンの28-75mmf2.8(A036)です。使いやすい焦点距離と軽さ、そしてAF性能や描写にも満足しています。

85mmのレンズを買った後に困ったのが画角だったので広範囲をカバーできて持ち運びに優れているTAMROMのズームレンズを購入しました。ズームレンズなので写りより利便性に割り切って購入しましたが少し絞るだけで十分な写りをしてくれるレンズでとても気に入っています。

ユーザーレビュー

■ ポジティブレビュー

• 動きものを撮らなければAF速度にはさほど不満はない
• 近接能力もあるのでテーブルフォトにも使える
• 高望みしなければG2ではなくこのレンズで十分
• 標準画角として考えると28mmスタートでもそんなに不満はない
• SIGMAと違いズームリングの回転方向が純正と同じで使いやすい

もちろん、最新レンズの高性能を追い求めればキリがありませんが、最新のフルミラにも対応できる十分な性能があります

■ ネガティブレビュー

• 開放では周辺部の描写がやや甘い
• ボケ味はやはりGMの方が美しい
• やはりレンズ内手ぶれ補正は欲しくなる
• AF精度があまり良くないので歩留まりが悪くなる
• 鏡筒にプラスチック感があるのがやや残念

光学性能については目立ったネガティブレビューはなく、評判通りの写りの良さがわかります。

まとめ

開放F2.8通しの標準ズームレンズとは思えないと評価の高いTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD。

それはなんといっても、サイズとコスパの高さ。大三元の標準ズームレンズといえば、写りは素晴らしいものの、F4通しなどに比べて重く、持ち運びが大変という印象があります。また、価格的にも最高級レンズという印象の価格。

しかし、28-75mm F/2.8 Di III RXDはF4通しに近いサイズ感で、価格的にも手の出しやすい価格。さらに光学性能も大きな不満もないので、非常にコスパの良いレンズです。